「トレインスポッティング」の原作者が書いた別の小説の映画化で、アル中&薬中の刑事が昇進をかけて難事件を追いかける、まとまりがなく、笑えもしないコメディー警察ドラマ。19点(100点満点)
映画フィルスのあらすじ
スコットランド警察の刑事、ブルース・ロバートソン(ジェームズ・マカヴォイ)。優秀な頭脳を誇り、活力あふれる彼だったが、その裏ではアルコールとドラッグの依存症に陥り、売春や不倫に手を出し、残業の不正申告を欠かさないという、刑事の風上にも置けない人物だった。
そんな中、日本人の留学生が殺されるという事件が発生。目撃者ゼロという、この難事件を解決すれば出世コースに乗れると張り切るブルースだが、捜査を進めれば進めるほど自身の問題アリな過去も噴出するようになり、精神的に追い詰められていく。
シネマトゥディより
読者のShumylaさんのリクエストです。ありがとうございました。
映画フィルスの感想
原作者も同じだということもあり、「トレインスポッティング」路線で行きたかったんでしょうが、見事に失敗した作品です。チョイスした原作も悪いし、なによりジョン・S・ベアード監督の実力不足ですね。
それと原作者をプロモーションでゴリ押ししている映画はまずつまんないと思っていいでしょう。「スティーブン・キング原作」とかデカデカと掲げているホラー映画が怖くないのと同じです。
本来なら監督の名前が前面に出ていないとおかしいんですよ。でも無名だし、肝心な映画の中身も興行成績もお粗末だから、最終手段として原作者にたどりつくわけなんです。
一見、ストーリー上は日本人留学生がトンネルで殺された事件を追っているふうですが、実際は主人公の刑事の精神病を描いているだけの代物です。主題のぶれ方が半端なく、途中で何の事件だったのか見ていて忘れてしまうほどでした。
刑事は酔っ払いで、ドラック中毒で、女に溺れ、事件を追うどころかトラブルしか起さず、それでも全て許されてしまうSFの世界に生きています。
事件を解決する推理サスペンスではないため、犯人グループが終盤で自ら登場するまではずっと主人公の破天荒な私生活しか描かれません。
低俗さだけが売りで、会話も終始罵っているだけ、笑いを取ろうとする部分は全て下ネタ。監督がこれで視聴者を笑わせられると思っているなら、そのセンスに唖然としますね。
出来損ないのユーモアを用いる監督に限って、登場人物がやたらと罵るだけになるんですよ。イギリス映画は結構そういうのが多いですよね。
序盤から終盤までずっとふざけた感じで物語は進むのに終盤から急にシリアスになります。なんでも別れた妻を思うばかりに刑事の男はいつの間にか妻と同じような格好(女装)をするようになっていたんだとか。
それまでのトーンと一転し、話がシリアスになればなるほど逆に笑える、というあの皮肉といったらなかったです。全体的にバランスが悪いなぁ。なんだか頭がクラクラしてきたよ。
コメント
リクエストに答えて頂き、ありがとうございました!
ジェームズ・マカヴォイとトレインスポッティングが好きなので観たのですが、私も見た後に「…え?」となってしまって今観た映画がなんだったのかよく分からない状態に陥りました。笑
まさに映画男さんが仰った様にコメディなのかシリアスなのかゴチャゴチャで疲れてしまいました。
ばっさり爽快に斬って頂いてすっきりしました!
ありがとうございます。
またリクエストさせて頂きます。
Shumylaさん
リクエスト&コメントありがとうございます。それにしてもごちゃごちゃした映画でしたね。