つまらない恋愛映画だと思っていたら、つまらない人間ドラマだったというオチしかない映画。感動を誘ったあざとい演出がまったくダメな一本。34点(100点満点)
セント・オブ・ウーマン/夢の香りのあらすじ
アメリカはボストンの全寮制名門高校に奨学金で入学した苦学生チャーリーは、裕福な家庭の子息ばかりの級友たちとの齟齬を感じつつも無難に学校生活を過ごしていた。感謝祭の週末、故郷オレゴンへ帰るための旅費を稼ぐためチャーリーはアルバイトに出ることになっていた。
そのアルバイトとは、姪一家の休暇旅行への同伴を拒否する盲目の退役軍人フランク・スレード中佐の世話をすること。とてつもなく気難しく、周囲の誰をも拒絶し、離れで一人生活する毒舌家でエキセントリックな中佐にチャーリーは困惑するが、報酬の割の良さと中佐の姪・カレンの熱心な懇願もあり、引き受けることにする。
wikipediaより
読者のShuさんのリクエストです。ありがとうございます。
セント・オブ・ウーマン/夢の香りの感想
序盤から中盤まではそこそこ見られるものの、終盤ドラマチックにしすぎて、バカバカしくなってくるガス欠映画。
皮肉屋で悲観的な全盲の退役軍人とピュアな高校生というコンビの設定はなかなかよかったものの、ニューヨークでフランク・スレード中佐が贅沢三昧したり、かと思ったら自殺を図ったり、一見精神的なようでやることが薄っぺらくてがっかりさせられました。
そういえばついこの前、風俗に行ったら全盲の中年の男性が客として来ていました。目が見えないということは女性の好みもまた普通の男とは違うんだろうな、きっと年齢、容姿、体型といったありきたりな基準じゃなく、優しさとか、喋り方とか、対応の仕方とか内面的な要素で女の子を選ぶのではないかと僕はじっと彼を観察していたんですが、いざ女の子たちが自己紹介に現れたら、そのおっさんは開口一番「歳はいくつ?」、「肌の色は?」、「参考までに体のラインを触ってもいいか?」と外見オンリーの質問を飛ばし、結局その店で一番の美女を連れて部屋に上がっていきました。ただの面食いかよって。
盲目の人間がどこか精神的にも、感覚的にも研ぎ澄まされた人間だというのはそもそもメディアが作った偏見で、実際はなんら他の人と変わらなかったりしてね。
さて、劇中のフランク・スレード中佐は全盲になった今の暮らしに喜びを感じられず、死にたいんだそうです。
実際に戦場を一度経験してしまうと、なかなか普通の生活に戻れず、強いストレスや重度の鬱から自殺を図る人も多いようですが、この男に同情できないのは全盲になった原因が自分にあるからです。
仲間を守るために体を張ったのならまだしも、手榴弾で遊んでいたら爆発してしまったって、アホじゃないですか。
そんなアホが退役してからも、どの面さげて「軍人」を名乗ってるのか僕にはさっぱり理解できません。そもそも退役じゃなくて、「除隊」という設定にするべきでしたね。
さて、そのアホ軍人が自殺するなどとほのめかしてから、作品の質は急降下します。アホ軍人とお人好しの高校生が銃の奪い合いをして、もみくちゃになりながら慰め合う、という最低のオナニーシーンがまた長いこと長いこと。
ラストの高校の講堂で行われた公開懲戒委員会(裁判?)シーンがまた最高にアホらしくて、なぜかアホ軍人が両親の代わりに高校生に同席するというコメディーショーに成り下がっていました。
なにより一番バカらしかったのは、あれだけのことに付き合わされたのに、アホ軍人が高校生に払ったバイト代がたった300ドルだったことです。
銃は向けられるは、フェラーリで暴走されるは、散々リスクを背負ったのにどれだけケチなんだよって。それなのに大盤振る舞いしてるみたいな態で話してるから笑えましたね。
そもそも「セント・オブ・ウーマン(女の香り)」なんていうセクシーな題名を付けたもんだから、てっきり色気のある恋愛ものなのかと思ってしまい、大いに騙されました。
何か女について語ってくれるのかと思ったら、「あなたが付けてる香水はシャネルの5番ですね」的なコテコテの盲目あるあるが続くので、こっちまで目を覆いたくなりました。
そもそも女の人って他人に自分の使っている香水名を当てられたら嬉しいんでしょうか? 僕だったら「そんなことわざわざ言ってくれるなよ」と思って不機嫌になりますよ。
ただ、こんな映画にもひとつだけ名言が生まれています。フランク・スレード中佐がニューヨークに旅立つ前に猫に向かって言ったセリフです。
「When in doubt, fuck! ! もし迷ったら、やっておけ(ファックしておけ)」。
これだけは心に染みました。以上です。
コメント
映画男さん、リクエスト答えていただきありがとうございました。
さすが、すばらしい文句です。単純に感動していたわたしはなんだかバカみたいで恥ずかしいです笑 笑えました。またリクエストさせていただきます。
Shuさん
リクエストありがとうございます。予備知識もなく鑑賞して素直に感動したのなら、それが真実だと思います。そういう気持ちは大切ですよ。僕の文句のせいで好きな映画を嫌いになる必要は全くないですからね。
映画に面白いもつまらないもあるか
映画は芸術なのだから、優劣をつけるべきでもないだろう
結局楽しんだもの勝ちなのだから
俺は面白かったよ うちの祖父と一緒に旅行行った気分だった
今現在自分が批評した映画を見てもあなたの見方は変わりませんか?
おまえ終わってんな
あなたみたいな人がこの映画で批判されているんです。
アルパチーノが語った夢の意味。胸の傷がなければただの記号です。
一生何も知らないまま死んでいくんでしょうね。お大事に。
手榴弾で遊んだって、自殺未遂でしょ
自分はジャックダニエルから入って、あらすじ頭に入れてから観たにもかかわらず、この映画は面白いと思ったタイプの人間です。
それでも、序盤のネコに言ったせりふは、自分も最高だとおもいました。
なんだかんだで、フーアーが一番こびりついてます。
この映画の見どころは、あのセリフだけでしたね。
タンゴを踊るシーンなんか結構素敵で好きだったけど。女の子も可愛いし。ある意味分かり易い、良い映画だと思います!若い人にもオススメです。
往年のアルパチーノが名演技のやりたい放題なので、彼を好きじゃないと多少つらいかな?
つらかったです。
アメリカ軍において中佐になる事が如何に困難な事か。
寄宿学校に貧乏人が在籍する事の辛さ。
良く練られた台本に配役が決まって奥深い映画だ。
人生経験乏しいみたいで可哀想。
マスターベーションは見せびらかすものじゃないよ。
うーん、となる批評でした。
もちろん貴方のような意見もあるのでしょうが、わざわざ映画評論として公開するには至らないレベルの稚拙な文章という印象しか受けませんでした。
文句が得意との事ですが、まずは文句にも最低限の品性が必要という感性を身につけてはいかがでしょうか?