犬と人間のつながりを考えさせられる、意外性に溢れ、意表を突かれること間違いなしのハンガリー映画。
犬たちの演技が人間の演技を超えていて、どうやってあの大勢の犬たちを調教、撮影したのか知りたくなる不思議な作品。70点(100点満点)
ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲のあらすじ
とある町で、雑種犬に対して重税をかける法律が制定される。ハーゲンという犬をかわいがっていた13歳の少女リリ(ジョーフィア・プソッタ)だが、父親にハーゲンを捨てられてしまう。
突如として飼い主と引き離された悲しみを抱えたままさまようハーゲンと、その行方を必死になって追い掛けるリリ。やがてハーゲンは、人間に裏切られ、虐げられた果てに、保護施設に放り込まれた犬たちと出会う。その姿を目にして憤怒に駆られ、施設から犬を引き連れて人間への反乱を起こすハーゲンだが……。
シネマトゥディより
ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲の感想
「ジュピターズ・ムーン」のコルネル・ムンドルッツォ監督による犬たちが大暴走するシュールなスリラー。
最初はいわゆる「ハチ公物語」のようなお涙頂戴ストーリーなのかと思っていましたが、物語が進むにつれて話が二転、三転し、主人公の犬ハーゲンの行方が気になって、ぐいぐいと引き込まれてしまいました。
犬を心底可愛がる少女とうとましく思う父、そして野良犬を闘犬に育てて金儲けしようとするヤクザ者、保健所に送り処分しようとする役人たちの構図は、犬に対しての登場人物の善悪を分かりやすく描いていて、考えようによってはありきたりな設定です。
しかし飼い主に捨てられてからのハーゲンが経験する壮絶な出来事は、どこか命を狙われた、あるいは人身売買の被害にあった人間にも置き換えられそうで、やけにリアリティーがありました。
そのリアリティー路線から突如として物語がサスペンス、スリラー、ホラーへと意向していくのが面白かったし、斬新でした。北欧では野良犬が社会問題になっていて、かなりの数が殺処分されていると聞くので、それに対する監督なりの批判映画なのかなぁとも思えました。
意外性あり、娯楽性あり、ちょっとした感動ありで、「犬対人間」というテーマもあって、どこの国の人にでもそれなりに評価されそうな映画です。
終盤の百匹ほどの犬が町中で暴れまわるシーンなんてすごい迫力です。ただ、ラストのオチは僕的にはちょっと物足りない感じでした。できればハーゲンに「なんだかんだ言って結局はお前が悪いんじゃぁ」といった姿勢で、がぶって噛み付いてもらいたかったですね。
コメント
初めまして。
いつも楽しく拝見させていただいております。
この映画は、以前からとても気になっていて、映画男さんが高評価なので、是非見に行こうと思います!
既にご存じかと思いますが、この出演している犬たちは、どうも殺処分されそうになっていた犬たちを引き取って、演技指導したらしいですよ?
だとしたら、犬も勿論凄いですが、1から演技指導したトレーナーも凄い!!
その映画男さんが冒頭おしゃってた、人間を超えた犬の演技も楽しみに注目しながら見ようと思ってます!
Tommyさん
コメントありがとうございます。ぜひこの映画、見てくださいね。出演している犬たちが殺処分されそうになった犬たちだったら、なおさらストーリーともリンクしていいですね。
ご返信有り難う御座います。
来月まで公開待ちきれません!(>_<)
ネットで見ちゃいそうですが、犬たちの表情が楽しみなので、スクリーンで見るまで、我慢・・・我慢・・・です。