「愛の渦」、「裏切りの街」、「何者」、「娼年」の三浦大輔監督によるサラリーマン青春ドラマ。いかにも漫画的なキャラと物語を上手く登場人物と映像に投影させていて十分に笑えて、楽しめるエンターテイメント映画。68点(100点満点)
ボーイズ・オン・ザ・ランのあらすじ
ガチャガチャ専門の玩具メーカーに勤務する田西敏行(峯田和伸)。営業成績はいまひとつで、さらにはいい雰囲気だった同僚のちはる(黒川芽以)とは一度の過ちがきっかけで彼女の気持ちが冷めてしまう。そんなある日、田西はちはるがライバル会社の青山(松田龍平)にもてあそばれたことを知り……
シネマトゥディより
ボーイズ・オン・ザ・ランの感想
同名漫画の実写版です。
出演者たちの演技が冴えていて、自然に笑えました。特にYOUの風俗嬢の役はぴったりでしたね。あのベテラン風俗嬢の雰囲気といい、会話の低俗さといい、ノリの軽さといいやばいぐらいにリアルでした。
そういえばYOUは是枝裕和の「歩いても歩いても 」や「誰も知らない」などちょくちょくいい映画に出ていますね。どの役をやっても「素」のYOUが全面に出てしまってどれも同じ役柄になってしまいがちだけれど、はまるといい味出しますね。
日本の青春映画というと、これまでは学園ものや不良ものばかりだったけど、サラリーマンによる青春映画という発想も面白いです。
また、登場人物たちが自然体で変に格好つけていなくて、それぞれダメ人間だったりするのが微笑ましいですね。
主人公の田西は真面目なのか不真面目なのかついつい流れに任せて浮気しちゃうし、ちはるもちはるで散々青山に遊ばれたのに青山のことをずっと気にかけていたり、それぞれタイプは違うものの実在しそうなダメっぷりが上手く描かれていました。
「愛の渦」とこの映画を見る限りでは三浦大輔監督はビジュアルや人気より、俳優の演技力や個性でキャスティングをしているような印象があり、好感が持てます。
でも人気監督になってしまうと、 園子温のようにやっつけ仕事しかしなくなりそうなので、このまま数年に一度のペースで一本の映画を作っていってもらいたいですね。次回作に期待です。
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