「天才マックスの世界」、「犬ヶ島」、「グランド・ブダペスト・ホテル」のウェス・アンダーソン監督によるインドを舞台に3兄弟がなんちゃってスピリチュアル旅行を繰り広げるドタバタコメディ。
会話も、ストーリーも途切れ途切れのため、見ているこっちの集中力も途切れてしまう、気が散ってしょうがない映画。34点(100点満点)
ダージリン急行のあらすじ
父の死をきっかけに別々の道を歩みはじめ、それぞれの人生で悩み迷っていたホイットマン家の3兄弟、フランシス(オーウェン・ウィルソン)、ピーター(エ イドリアン・ブロディ)、ジャック(ジェイソン・シュワルツマン)。あるとき、事故で九死に一生を得たフランシスは、兄弟のきずなを取り戻すため、弟たちをインド旅行に誘う。
シネマトゥディより
読者のRさんのリクエストです。ありがとうございます。
ダージリン急行の感想
ウェス・アンダーソン監督のメルヘンな世界観やセット、デコレーションのセンスは十分に発揮されていました。
ただ、会話も、ストーリーも必然性がなく、ナンセンスなものが多く、それでいて笑えないのがマイナスですね。この映画を進化させて、完成度を高めたのが「グランド・ブダペスト・ホテル」という感じもしました。
インドをポップに描く欧米の映画が多いですね。その代表格は「スラムドッグミリオネア」なんですが、それに近いものがありました。インド人が見たらどう思うんでしょうか。やっぱり「こんなのインドじゃねえよ」と思うのでしょうか。
あるシーンで3兄弟の一人が従業員のインド人女性と列車のトイレでやるシーンがあるんですが、いかにもベッドシーンまでの持って行き方がハリウッド的で、あのシーンのせいで「あんなに美人で軽い女がいるなら俺インド行こうかなぁ」なんて考え始めるアメリカ人男がたくさん出てきそうで怖いです。
ウェス・アンダーソン監督の作品はいつもキュートで女性的な印象がとても強いですね。その一方で出身はアメリカの中でも最もマッチョな地域であるテキサスというのが興味深いです。
もしかすると、その反動で女性的、あるいは中世的なものに惹かれるようになっていったということも考えられます。
登場人物、特に主人公の男といえば筋肉質、金髪、青目が当たり前というハリウッドの中で彼の作品ではヒョロヒョロで、頼りなさそうな男たちが主役を張ります。その点では異質であり、アイデアが意表をついてると言えるでしょう。
おそらくウェス・アンダーソン監督の作品が好きだという人のほとんどが女性でしょう。そしてこの「ダージリン急行」が好きだという女性は劇中に出てくるトランクを「あれ可愛いんだけど、どこで売ってるの?」なんていうタイプに違いありません。
今後ウェス・アンダーソン監督はグッズ販売に力を入れていけばディズニー並みの収益を叩き出すこともできちゃいそうな予感がします。
コメント
さっそく観ていただいて、感想を丁寧に書いていただいて嬉しいです。ありがとうございます。
言われてみれば、会話もストーリーも必然性がない感じ、まとまりがない感じが女性的なのですね。男性がイラっとするのかもしれません。
女性同士だとこれがあたりまえだったとしても。
それを男性3兄弟がやっているのか。発見です。
きっとマッチョな男性目線だからわかることなのですね。
ありがとうございました。
またリクエストしたらよろしくお願いします!
ウェス・アンダーソン好き、さらに一番好きな作品が
この「ダージリン急行」の女ですが、出てくるトランク
さらに他の小物には興味はありません(笑)