ポップすぎて、現実感がまったくない、アメリカとメキシコを股にかけた麻薬抗争映画。低クオリティーで、キャスティングも演出もダメダメの作品です。27点(100点満点)
野蛮なやつら/SAVAGESのあらすじ
平和主義者のベン(アーロン・テイラー=ジョンソン)と元傭兵(ようへい)のチョン(テイラー・キッチュ)は親友同士。彼らはカリフォルニア州ラグーナ・ ビーチを拠点に大麻栽培のベンチャー起業で大成功を収め、二人の共通の恋人オフィーリア(ブレイク・ライヴリー)と3人で生活している。だが、ある日、彼 女がメキシコの麻薬組織に拉致され……。
シネマトゥディより
「読者」さんからのリクエストです。ありがとうございます。
野蛮なやつら/SAVAGESの感想
「プラトーン」、「ブッシュ」などで知られるオリヴァー・ストーン監督によるB級映画。
まず、主演の2人の俳優と、その恋人の女優がモデル上がりのようなビジュアル重視しぎて、命がけの大麻ビジネスをまるでサーフショップを経営するかのようなノリでやっているのがアホらしかったです。
彼らは普段からセレブな生活をしているのか、目にギラギラ感がなく、まるで世の中には悪い人はいない、といった顔をしながら、メキシコの凶悪組織に立ち向かっていくところが無理がありました。
一人はアフガニスタンの戦場を経験したといった設定になっていましたが、昨日までパリコレのランウェイ歩いてましたみたいな雰囲気で戦争を語られても到底付いていけません。
全ては監督の責任なんです。ジョン・トラボルタ、ベニチオ・デル・トロ、サルマ・ハエックなど結構な豪華メンバーを起用していたにもかかわらず、彼らの良さを全く引き出せていないのが残念で仕方ありません。
特にメキシコ人役をやった俳優たちがこぞって無理矢理なスパニッシュアクセントの英語を話させられていて、バカバカしかったです。
アメリカ生まれのメキシコ系だったらそもそも普通にネイティブの英語が話せるし、メキシコに住む麻薬組織にいるようなメキシコ人だったら、英語なんてまず話せないでしょう。
それをどちらも同じタイプのメキシコ人として描いているのがふざけすぎです。ベニチオ・デル・トロは名俳優ですが、彼があんなにひどいレベルの演技をしているのを見たのはこの映画が初めてです。監督の俳優潰しにもほどがあります。
ストーリーはほかの駄作と似て、やたらと無駄に長いという欠点がありました。生きるか死ぬかの状況なのに、なぜか登場人物たちは呑気で、たまに下っ端たちが登場するものの、常に双方のボス同士が前線で戦っているという意味不明さもありました。
あれだけの巨大暗黒組織のボスクラスの人たちに簡単にコンタクト取れるなら、警察も簡単に捕まえられそうですけどね。
そんなアナだらけのストーリーのラストは2パターン用意されていて、「今のシーンは置いといて、本当はこんなことがあったんだよ」といった感じで全く違う結末を持ってくる反則技に出ます。
振り返るといろんな意味で最初から最後までオリヴァー・ストーンはこの映画で反則しか使ってませんでしたね。アウトォー!!
コメント
早速、文句ありがとうございました。
いくつか質問がありますが、お手数ですが、お答えしていただければ幸いです。
1.本編に拷問シーンや処刑シーンと言った、
いわゆる痛いシーンがありましたが、グロかったですか?
2.本編は主人公のチンピラコンビが愛人を共有する下りがありましたが、
セックスシーンについては、どうでしたか?
3.ブラジルにも麻薬組織があるとお聞きしましたが、
ブラジルには薬物汚染が深刻化しているのでしょうか?
例えば、麻薬組織と警察の癒着があったり、
麻薬組織同士の抗争や
薬物常習者による事件や事故、
麻薬密売や大麻を不法に栽培して逮捕されることが
頻繁に起きているのでしょうか?
4.「プラトーン」以外に、オリバー・ストーン監督作品でベストは
何でしょうか?
読者さん
リクエストありがとうございます。質問の答えは次の通りです。
1、大してグロくなかったです。
2、セックスシーンなんてありましたっけ? といったぐらいのものでした。
3、ブラジルでも麻薬がらみの抗争や事件は多いですよ。「シティ・オブ・ゴッド」や「エリート・スクワッド」でも紹介されています。
4、プラトーンしかありませんね。強いていうなら、ワールド・トレードセンターかな。
ご回答ありがとうございました。
ブラジルの薬物汚染を知るには、「シティ・オブ・ゴッド」と「「エリート・スクワッド」なんですね。
解りました。
これから、ネタになりそうな作品を紹介しますので、よろしくお願いします。