「セントアンナの奇跡」、「インサイド・マン」などで知られるスパイク・リー監督による、いまひとつなサスペンススリラー。40点(100点満点)
ハリウッド版オールド・ボーイのあらすじ
1993年、広告代理店重役のジョー・ドーセット(ジョシュ・ブローリン)は泥酔して街をさまよっているところを何者かに拉致され、気が付くと見知らぬ一 室に監禁されていた。理由もわからぬまま、気が狂うような生活が20年も続いたある日、彼は突然解放される。監禁中に妻殺しの汚名を着せられたジョーは、 自分を陥れた者を突き止め、復讐(ふくしゅう)を果たすべく動きだす。
シネマトゥディより
ハリウッド版オールド・ボーイの感想
韓国映画「オールド・ボーイ」のハリウッドリメイク。前半はそこそこ見られるけれど、後半ただストーリーを説明するだけのオリジナルの悪い部分ばかりを受け継いだ一本。
舞台を韓国からアメリカに移しただけで、こうも迫力が薄まるのかと驚きました。そもそもアジア的な恨み、つらみをテーマにしているために、アメリカ人が何十年もかけてあそこまで緻密な復讐をしないだろう、というところでリアリティーに欠けてしまい、またオリジナルのほうは主役のチェ・ミンシクの怪演があってこその臨場感があったので、それにはとても及ばない出来でした。
「オールド・ボーイ」といえばハンマーで殴るシーンが話題になりましたが、それも韓国だからありそうでなさそうで面白かったのも、それをアメリカに舞台を移したら銃社会だから無理が生じましたね。
そんな足りない部分を主役の男ジョーを演じたジョシュ・ブローリンの筋肉や、恋人役ミアを演じたエリザベス・オルセンの胸でカバーしようとしていたのがいかにもハリウッド的な手法といえます。
物語が面白くなくなるのも、ジョーとミアが出会って、理由もなく二人で一緒に行動する辺りからで、ミアがジョーにあれだけ優しくする理由が見当たらず、ストーリー上無理やり恋仲にさせたという印象しか残りませんでした。
ただ、二人のベッドシーンはまあまあ良かったんじゃないでしょうか。なにがいいって、ミアが風呂場からバスタオル姿で出てくるところね。完全に女のほうからさりげなく誘ってるあの感じが色っぽいです。
まさか「マーサ、あるいはマーシー・メイ」で主役を演じたエリザベス・オルセンがあんなふうに脱ぐとも思わなかったんで。あのシーンは3回ほど見れますね。見どころといえばそこだけです。本当にそれだけの映画です。
コメント
>舞台を韓国からアメリカに移しただけで、こうも迫力が薄まるのかと驚きました
そもそもアメリカと韓国は文化が異なるからです。
それ故、バイオレンス映画は、お国柄がはっきりと出るジャンルなので尚更です。
逆の言い方をすれば、ハリウッドのバイオレンス映画の「野蛮なやつら/SAVAGES」や「欲望のバージニア」を韓国でリメイクするようなものです。
オリジナル版を忠実に再現したら、不自然だし、
大幅にアレンジしたら、「オールドボーイの名を借りただけの別作品」とオリジナル版のファンから反感を買われるので、難しいですね。
丸刈りーたさん
コメントありがとうございます。やはりリメークで上手くいくことはジャンルにかかわらず少ないですね。
スパイクリーってこりゃまた懐かしいですね。
マルコムXで流行って以来、
ここに立ち寄るまで一度たりとも思い出したことなかったですわ。
そういう意味で映画男さんに感謝します。
TGさん
コメントありがとうございます。スパイク・リーはなにげに映画取り続けてますよ。最近は駄作ばかりですけど。