ジョーダン・ベルフォートの「ウォール街狂乱日記―「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生」を題材にした、おバカ映画。
終始テンションの高い登場人物にヘトヘトにされるものの、そのうちドンドン笑えてくるコメディードラマです。68点(100点満点)
ウルフ・オブ・ウォールストリートのあらすじ
学歴や人脈もないまま、22歳でウォール街の投資銀行で働きだしたジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)。
巧みな話術で人々の心を瞬く間につかみ、斬新なアイデアを次々と繰り出しては業績を上げ、猛烈なスピードで成り上がっていく。そして26歳で証券会社を設立し、約49億円もの年収を得るまでに。
富と名声を一気に手に入れ、ウォール街のウルフという異名で呼ばれるようになった彼は、浪費の限りを尽くして世間の話題を集めていく。しかし、その先には思いがけない転落が待ち受けていた。
シネマトゥデイより
ウルフ・オブ・ウォールストリートの感想
「キング・オブ・コメディ」、「タクシードライバー」、「アビエイター」、「沈黙 -サイレンス-」、「カジノ」のマーティン・スコセッシ監督によるコメディータッチの伝記ドラマ。
まさかレオナルド・ディカプリオで大笑いできるとは思ってもみませんでした。なにかが吹っ切れたように思い切りふざけてくれたのがよかったです。
彼が演じたジョーダン・ベルフォートはなんの変哲もない普通の既婚者だったのが、株式市場で働きだしてから、メキメキと頭角を現し、まず金銭感覚を失い、そして貞操観念を失い、モラルを失っていきます。
いつの間にか薬、パーティー、豪遊好きの若者になり、セレブな生活を始める過程が痛快です。ただ、あまりにもハリウッド的コメディーとして描かれているため、現実味はなく、いわゆるバカっぽい作り話に仕上がっています。
この映画では仕事中に会社に風俗嬢を呼んだり、社員同士がエレベーターの中でやってたり、といった信じられない描写がいっぱいあるのですが、どの辺まで真実なのか気になるところです。株のブローカーに麻薬中毒が多いという設定は、数字に日々追われるストレスを考えればあながち間違っていないでしょう。
おそらくこの映画が笑えるのは、主人公のジョーダン・ベルフォートとレオナルド・ディカプリオのイメージとがある部分でかぶっているからだと思います。きっとレオ様ならこれぐらいのことやってるんだろうな、と思わせる豪快なシーンの数々が面白いのです。
ドラッグでヘロヘロになったシーンやクルーザーで嵐に飲まれるシーンなど、アホまるだしで、しかし主人公は自分に襲いかかるトラブルに対しても決してひるまず、また慎重にもならず、完全に自己防衛機能が麻痺している姿が病的です。実際のジョーダン・ベルフォートを写真で見ても、いかにも無茶しそうな性欲絶倫の顔してますね。
詐欺を働いたのは褒められないけど、おそらくこのぐらいの人物なら真面目に働いていたとしても成功していたに違いないです。客はもちろん、社員たちをも一瞬にして惹きつける、あのセールストークとカリスマ性があればどんなものを売っても売れそうな気がしました。
投資詐欺やマネーロンダリングで刑務所に入ったものの出所後、ジョーダン・ベルフォートは各地でセミナーを開いて大儲けし、本を書いても世界18か国で翻訳されるほどのベストセラーになったそうです。なにをやっても稼いでしまうあの才能は羨ましいですね。
十分面白かったんですが、この映画がアカデミー賞を獲れるかどうかといったら、可能性は低いんじゃないでしょうか。こんな下品でアホな映画が賞を獲ったらそれこそ品格が疑われそうな気がしないでもないです。あるいは品格などというものはハリウッドにそもそもないのかもしれませんが。
コメント
薬でぶっ飛ぶシーンすごい演技だったね。(デンワ!って。)
ベニ Fxxcking ハナ!!はサイコーでした!!
薬が効いて身動きが取れないシーンが、凄かったあー。
役者は凄い!と思いました。
ディカプリオは普通にうまいですよね。