映画TIME/タイムは順序がめちゃくちゃ！感想とネタバレ

アンドリュー・ニコル監督、アメリカのジャニーズ俳優ジャスティン・ティンバーレイク主演のＳＦ映画。未来型のＳＦ世界を創り上げている割には結局男女が逃げ回るだけの駄作。３８点（１００点満点）

TIME/タイムのあらすじ

科学技術が進歩したことにより老化現象を解決した近未来、25歳で生体の成長が止まると余命はあと1年という社会が構築されていた。富裕層は寿命を気にしなくていい一方、貧しい人々は寿命を延ばすためにあくせく働き続けなければならなかった。貧しい青年のウィル（ジャスティン・ティンバーレイク）は、時間と引き換えに裕福な男性を殺した容疑を掛けられ、追われる身となってしまい……

シネマトゥディより

読者のいきさんのリクエストです。ありがとうございました。

TIME/タイムの感想

人々の腕にデジタル時計が刻まれ、残りの寿命がカウントダウンされる。また、時間こそがお金としての役割を果たすなど面白いアイデアが多々あっていいものの、その材料をあまり活かせきれていない作品です。

時間は切り売りするという感覚は現代人にも当てはまることじゃないでしょうか。忙しく生きていると一番の大切となってくるのは時間で、人それぞれの値段は違っても時給いくら、日給いくら、月給いくらといったように間接的に時間とお金を引き換えにする感覚は多くの人が持っているでしょう。

また、富裕層が長生きで貧困層がすぐに死ぬというのも現代社会の状況を強調しているにすぎません。日本ではそれほど感じないでしょうが、貧富の差の激しい国ではやはり貧乏人は結構若くして死んでいく人が多いです。

僕の友達のブラジル人がある日こんなことを言いました。「私は７人兄弟なんだけど、全員生きてたら本当は１５人兄弟だったんだよね」。ぞっとする話ですが、兄弟の半分は子供の頃やまだ１０代の頃に亡くなっているそうです。

貧しい田舎育ちだと、それこそ病院まで行くのにも何時間もかかり、赤ん坊が病気になっても教育もなく何の知識もないからそのまま死なせてしまう、ことが普通にあるようです。

最近のＳＦ映画を見ていると、「エリジウム」しかり「アップサイドダウン 重力の恋人」しかり、この「TIME/タイム」しかり、将来的には貧富の差がものすごいことになり、貧乏人と金持ちは全く別々の隔離された世界で過ごすという考えで一致しているのが分かります。

これにしたって国によっては今でもすでに金持ちと貧乏が完全に分けられていて、同じ生活圏でお互いが交差しないような状況になっていまよね。

あまり人々が気付いていないだけ、というのもありますね。そう考えると案外最近のＳＦ映画はＳＦ映画のくせに現実からそれほど飛び出せてない、いまひとつアイデア不足であることが分かります。ＳＦなんだからもっと滅茶苦茶やってくれればいいのに。

さて、この映画も突っ込みどころ満載でした。主人公ウィルと母親がバス停で待ち合わせをするシーンはよかったですね。なんで二人は母親の寿命ギリギリの時間にわざわざ待ち合わせするんでしょうか。馬鹿ですねえ。

ウィルが見知らぬ男から無限に近い時間をもらってから、富裕層の地区に行き、贅沢三昧をする意味もよく分からなかったです。そんでもって金持ちとギャンブルをして、社長令嬢を持ち帰りして、まだ手もつないでいない二人なのにいきなり家の前のビーチで裸になって泳ぐ。

あのね、物事には順序ってものがあるんだよ、順序ってものが。「この人なんかいい感じだから、裸になって一緒に泳いじゃおっかな」なんてならないでしょ、お金持ちのお嬢さんが。

TIME/タイム (字幕版)

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