「チャッピー」、「第9地区」のニール・ブロムカン監督によるB級SF映画。39点(100点満点)
エリジウムのあらすじ
2154年。スペースコロニー“エリジウム”で生活する富裕層はパーフェクトな居住空間で過ごす一方、荒廃した地球に暮らす貧困層はひどい搾取に苦しんでいた。エリジウム政府高官のローズ(ジョディ・フォスター)が地球の人間を消そうと動く中、地球で暮らすマックス(マット・デイモン)はエリジウムに潜入することを決意。残り5日しかない寿命を懸けて戦いに挑む。
シネマトゥディより
読者のたなかさんのリクエストです。他にも「第9地区」のリクエストをいただきましたが、以前に書いてあるのでこちらからお願いします。リクエストありがとうございました。
エリジウムのキャスト
- マット・デイモン
- ジョディ・フォスター
- シャールト・コプリー
- ヴァグネル・モーラ
- アリシー・ブラガ
- ディエゴ・ルナ
エリジウムの感想と評価
ちょっと笑えるSF映画。富裕層と貧困層が別の世界で過ごすという内容が「アップサイドダウン 重力の恋人」と極似していて、思わず「あちゃー」と言いたくなる一本。
主役にマット・デイモン、準主役にブラジルから「アイアム・レジェンド」のアリシー・ブラガと「エリート・スクワッド」のヴァグネル・モーラが参加しています。
二人共最初から最後まで出番があり、物語の重要な役柄を演じていました。これほどブラジル人俳優が活躍しているハリウッド映画は珍しく、そのせいかブラジルでは現在のところ興行収入トップを走っています。
キャスティングまでには色々あったようで、実は最初に主役のオファーを受けたのは南アフリカの人気ラッパー、ニンジャだったそうです。
しかし彼が断ったため、次に白羽の矢が向けられたのは米の人気ラッパーのエミネムで、エミネムが地元のデトロイトで撮影することを条件に出したために、結局はマット・デイモンになった、というのが経緯のようです。
こう聞くとオコボレで役をもらったみたいですが、マット・デイモンでよかったと思いますね。あの役をエミネムがやってたらさらにアホらしい映画になってたでしょう。
格差社会がひどくなり、近未来では貧乏人と金持ちは全く違う世界で住む、というのが映画人の将来の展望なんでしょうか。他の映画とネタがかぶっちゃったことは、作り手としてはかなり恥ずかしいことですね。
監督はできれば「アップサイドダウン 重力の恋人」なんていう映画の名前を世の中から消し去りたいぐらいの気持ちでいるはずです。
地球から離れたスペースコロニーに金髪で白人の富裕層が住んでいる、という未来の予想図もさることながら、SFの世界でもやはり貧しい人々はヒスパニック系、というハリウッド映画のいつもの偏見で世界を固めているのが笑えます。にもかかわらず貧困層で生まれ育った主人公のマックだけは青目の白人にする、という根性がまた腐りきっていて、貧しい人々はスペイン語を話し、金持ちは英語とフランス語を話すっていう発想が馬鹿ですねえ。
前回の「第9地区」に引き続き、人間型ロボットも登場していました。ただ、ロボットたちはストーリーにあまり関係なかったように思えました。
終盤になるとヒーローと悪者が武装しロボット化していき、ロボコップ対バットマンのような対決になり、なんでもありのバトルになります。
そして冷静に考えると、地球で暮らす貧しい人々はエリジウムに行きたいというより、エリジウムにあるどんな病気も治せるカプセルに入りたいんであって、地球にあのカプセルを一つでもプレゼントすれば争い事がなくなりそうなものでしたけどね。
あるインタビューでハリウッドとブラジル映画の違いはと聞かれてヴァグネル・モーラは「お金と松葉杖の量」と答えていました。
お金とは製作費のことで、松葉杖というのは足を引きずって歩くスパイダー役のために松葉杖を注文したら、スタッフが50種類ほどの松葉杖を持ってきて、「どれがいい?」と言われたそうです。ハリウッドは松葉杖なんかにこだわってないで、もっと登場人物の設定にこだわったほうがいいですね。
コメント
マットデイモンが死にそうな状態で背中に外骨格を埋めこんで暴れるのは面白かったと思います。
敵方にジョディフォスターがいて死んでしまったのと、主役のマットデイモンも死んでしまったのが印象に残ってます。