予告編のほうが本編より全然面白い駄作シリーズ。キャストも悪いけど、全責任は監督にあるでしょう。18点
極悪女王のあらすじ
松本香は、アル中の父親と気の弱いの母親、明るい妹の4人家族で育った。父親は暴力的なうえ、愛人に子供を産ませて、香の家庭と別の家庭を行ったり来たりする二重生活を送っていた。ろくに仕事もしなければたまに家に帰ってくると、母親から乱暴にお金を奪ってまたどこかへ消えていった。そんな父親にびくびくしながら香は幼少期から思春期を過ごした。
香は高校時代、新聞配達をしながら家計を助けた。高校を卒業したらすぐにプロレス団体の入団テストを受けようと思っていた。しかし娘の進路を心配した母親が勝手にパン屋と話をつけて香の就職先を決めてしまったのだった。香は母親のことを無下にできず、仕方なくパン屋で働くことにする。けれどプロレスのことを諦めきれずにいた。
やがて香はある人の一言で目が覚め、パン屋をやめてプロレスの入団テストを受けに行く。プロレスに対する情熱を買われて香は入団テストに合格した。しかしそこから辛くて苦しい訓練生の時代が始まるのだった。香はガタイこそよかったものの特にプロレスの才能があったわけではなかった。デビューも同期と比べて遅く、なかなか目が出なかった。そんなある日、香はふっきれ、極悪非道のヒール、ダンプ松本として覚醒していくのだった。
極悪女王のキャスト
- ゆりやんレトリィバァ
- 剛力彩芽
- 唐田えりか
- 鴨志田媛夢
- 芋生悠
- 村上淳
- 斎藤工
極悪女王の感想と評価
「凶悪」、「日本で一番悪い奴ら」、「牝猫たち」、「彼女がその名を知らない鳥たち」、「サニー/32」、「孤狼の血」、「凪待ち」などで知られる白石和彌監督によるプロレスドラマ。下手な俳優たちを集めて安っぽいセットでぱぱっと撮影した手抜き感が出ている感動ポルノ。十分な予算があるネットフリックスシリーズにしては全体的にクオリティーが低いです。
配信前から期待を膨らます宣伝がされていたので結構楽しみにしていたんですが、まあ期待外れでした。発表記者会見とかで演者が感動して泣いたりする作品ってまあだいたいハズレですよね。このシリーズのクライマックスは本編じゃなくて、この配信記念イベントだったといっても過言じゃないでしょう。
それぐらい本編はしょぼかったです。なにがダメってまずキャスティングですね。ゆりやんは体格的にダンプ松本と近いので割と行けそうな感じがしたんですが、いざ蓋を開けてみると、演技が下手でしたね。ゆりやんってやっぱり根が可愛いんだよね。そのせいかいい子のオーラが漂ってて役柄に合ってなかったかなあ。どんなにオラオラ言わせてもゆりやんは「悪役」になりきれてなかったですね。無理してる感がすごかった。
本来なら見どころとなるはずだったシーンは、気弱なキャラから極悪非道のキャラに変貌を遂げるシーンじゃないでしょうか。ただ、その過程もダメ親父や家族にキレたのをきっかけに突然次の日から顔にどぎついメイクをして鎖をもってプロレス会場で大暴れしたみたいな流れになっていて端的すぎるんですよ。その割には親父に軽いパンチをお見舞いするぐらいだし、変貌を遂げるほどの出来事には思えませんでした。ただの反抗期の家庭内喧嘩かよ。
それになによりプロレスがダメダメでしたね。ゆりやんに限らず、剛力彩芽や唐田えりかのプロレスシーンなんてまともに見れないもん。体はガリガリだし動きにキレがなさすぎて蹴りとかチョップとかひどいじゃん。手加減してやってる感じが出ちゃってるからね。本気でやったって大した力もない人たちが手加減してるんだよ。あれで体当たりの演技って言えないでしょ。
なんで無名の新人女子プロレスラーとかを起用しなかったんだろう。ゆりやんはまだ演技指導が良ければ救いようがあっただろうけど、剛力彩芽や唐田えりかは論外でしょ。なんでこんな分野にまで清純派がしゃしゃり出てくるかなあ。あ、唐田えりかは清純じゃないか。
プロレス舐めんなって女子プロの人たちは思ったと思うよ。あれで増量しましたとか体づくりしましたって言われてもね。低空飛行のドロップキックしかしてないじゃん。
肝心なプロレスシーンがダメだったら、もうこれ見れなくない? あの時代のプロレスの熱を懐かしんで見るのが楽しみの一つだろうけど、懐かしいどころか「なんじゃこれ?」だったなあ。当時プロレスを見てた人からしたらふざけんなよっていうレベルだよ。
演技が下手なのはなにもプロレスラー役の人たちだけじゃないです。大根役者村上淳と斎藤工もいつも通り下手でした。通常運転。頼りないよねえ、この二人。
それにしても白石和彌監督って昭和生まれのくせになんであんな違和感のある昭和を描くんだろう。まるで平成や令和生まれの人が想像で描写してるみたいだもん。昭和、人情味溢れる人々が生きた古き良き時代、それを象徴するダンプ松本の半生。そのイメージで作ったのが結局感動狙いのくだらない話っていうね。ベタすぎて笑えるもん。内面を上手に見せれてないから感情移入なんてできないし、これでヒール役の苦悩を描き切れたとはとても言えないでしょう。もうつまんなさすぎて、飛ばし飛ばし見ました。ぶっちゃけ1話と最終話だけ見ればいいと思います。それぐらいひどいもん。
コメント
まさに仰る通りです。
ゆりあんはどんな演技をしても、芸人ゆりあんにしか見えないくらいヘタだったし、仙道さん以外の役者も同様です。
プロレスシーンも取り方の問題以前にプロレス本来の迫力がなくて、おっしゃる通りプロレスを知っている人から見たら、笑っちゃうレベルだと思いますよ。
何だか巷では高評価の嵐ですが、正直「えっ!ウソだろ?」って思いましたよ。
ある意味あのレベルのドラマで感動できるなんて、羨ましすぎます。だって、どんなドラマ見ても、がっかりすることがなくなるわけだから楽しいだろうなあって思います。
日本のドラマ(映画も含め)のクオリティが低いのは、政治と同じで、視聴者の見る目のレベルが低いからクオリティが低くなっちゃったんだろうなあと感じました。
そもそも脚本がひどすぎます。
どういう経緯でこのドラマが作られたのかわかりませんが、白石監督もよくあんな脚本でドラマを撮る気になったなあと思います。
やっぱりネトフリのギャラにつられたのかなあ。
視聴者のレベルが低いというのは本当その通りだと思います
ネットフリックスのドラマは全裸監督や地面師などクオリティーが高くて普段ドラマを観ない私でも観ていて満足できるものが多いです。しかし、この極悪女王は予告の時点であやしいなと思っていざ見てみるとやっぱり面白くなかったです。映画男さんが言われるようにキャスティングが話題先行狙いなんでしょうけど役者の演技力が全体的に下手すぎるし、良くこのストーリーを映画化しようと思ったなと思うくらいつまらないストーリーでお話に感情移入できないですね。基本、感情移入できない映画とかドラマって作り物感が強くて見る価値ないと思ってしまうのは私だけでしょうかね?あと、こういちさんが言われているように邦画のクオリティーがものスゴく低いのに評価が高い事がかなり多いのでこの先日本のエンターテイメントは衰退の一途を辿っていくと思います。すぐアニメや漫画を実写化してつまらないストーリーと下手な演技で満足してる配給会社や俳優達や二流監督は自分の作品に誇りを持っているのでしょうか。
ほんと時々ですが見応えのある邦画もあるのでそういう作品を頑張って作っている関係者をできるだけ評価してもらえるような環境が整う事を切に願うばかりです。
これは残念でしたね