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君たちはどう生きるかは平凡でつまらない!ネタバレ感想

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どこで見たようなシチュエーションとシーンに溢れかえったオマージュともセルフリメイクともいえる、面白味に欠ける作品。一方でボロクソいうほどでもなかったです。39点

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君たちはどう生きるかのあらすじ

太平洋戦争の最中、母親のヒサコを火災で失った眞人は、父親がヒサコの妹と再婚したことをきっかけに田舎に疎開する。そこは母親が育った故郷だった。屋敷には使用人のばあやたちが大勢いた。森の奥に行くと、大叔父が建てたとされる塔がそびえたっていた。その塔では今まで何度も不思議がことが起こったという。

眞人はさっそく田舎の学校に通い始めるが、ほかの生徒とは違って父親の車で登校してきた彼は都会からの転校生ということもあって浮いてしまい、その日のうちにいじめの対象となる。帰り道眞人は自分で自分の頭を石で殴って大けがを負う。

眞人が怪我の治療のためベッドで寝込んでいると、青サギがやってきて、母親に会いたいか?と聞いてくる。 青サギの言うことには半信半疑だった眞人だったが、なにか妙にひっかかるものがあった。

そんなある日、義理の母の夏子が森の中で突然姿を消してしまう。その直前に眞人は夏子が森の中へと入っていくのを目撃していた。そして眞人は使用人のばあやキリコとともに夏子を探すために塔の中へと吸い込まれていくのだった。

君たちはどう生きるかのキャスト

  • 山時聡真
  • 菅田将暉
  • あいみょん
  • 柴咲コウ
  • 木村佳乃
  • 木村拓哉
  • 大竹しのぶ

君たちはどう生きるかの感想と評価

宮﨑駿監督による、戦時中に主人公の少年の身に起きた不思議な体験をつづったファンタジーアニメーション。なんとなくインテリとエモさと哀愁を醸し出した雰囲気芸術作品で、好き嫌いがはっきり分かれそうな作風です。

好きか嫌いかでいうと僕は嫌いですね。はっきりいって面白くなかったです。最初の20分くらいかなあ、我慢できたのは。主人公が別世界に行き始めてからは義母を見つけるための長いロードムービーみたいになって、とにかくスローですね。

エンタメ度が低い。かといって芸術路線に振り切った感じでもないんですよ。可愛いキャラとか出したり、人気歌手を主題歌に器用したり、ちゃんと商売っ気はあるんですよ。どうせなら全員無名声優で、誰も理解できないぐらいの難解な話にして、興業で大コケするぐらいだったらいいのに中途半端でしたね。酷評されてたんでもっとひどいのかと思ったけど、ひどさ的にもそこまででもなかったんですよ。ただ退屈で平凡な作品だなあって思ったぐらいで。

アメリカで初登場1位になったけれど、それはこの映画が優れてるとかじゃなくて、単純にハリウッドが不作の年だからだよね。まじで2023年ワクワクするような面白そうな洋画ないでしょ。だからこれもゴジラもオタクパワーだけで1、2位独占したみたいなところあるよね。

タイトルは吉野源三郎の同名小説から拝借したそうなんですが、英題の「The Boy and The Heron 少年とサギ」のほうがずっとマッチしていますよね。それか「お母さんって呼んでおくれ」とかでもよかったんじゃないかと思います。

母親を亡くし、父親が叔母さんと結婚し、複雑な心境にさらされた年頃の少年の苦悩と葛藤を描いてるんですが、ひねくれ頑固親父の宮崎駿は決してそれを現実的には描こうとせず、必ずファンタジーを織り交ぜてきます。

これがもし「火垂るの墓」路線や、ファンタジーだとしても「となりのトトロ」路線だったらまだ面白くなっていたところでしょう。しかし彼は「千と千尋の神隠し」スタイルを選びましたよね。それが最大の失敗点だったかなと。千尋の名前を眞人に変えただけといってもいいぐらいじゃないかな。「神隠し」ってワードも使ってたぐらいだしね。

あと、少年と義理母や父親との関係性だけ描いてればいいのに、話が進んでいくにつれて世界平和だとか、世界のバランスだとか、やたらテーマのスケールがでかくなるんですよ。で必ず最後は建物が崩壊して終わるでしょ。それ、駿の悪い癖だよ。小さいテーマにこそ普遍性があるのに、話を大きくしてなんとなく壮大な話のように伝えてファンタジーでお茶を濁すのやめようぜ、まじで。

異世界に義母を探しにいくっていう時点で、ああラストは義母と無事にもとの世界に戻ってきてめでたしめでたしなんだろうなあっていうのが簡単に予想ついてしまうのが残念で、それまでに起こる出来事はほんとただの長いフリでしかなく、スタートとラストだけ最初に考えてあとはテキトウに隙間を埋めて行った感じの作りでしたね。

こんなに登場人物たちのキャラが立っていない宮崎駿作品も珍しいんじゃないかなあ。誰も印象に残らなかったよ。唯一わらわらだけは、キャラクター商品を売りに来てるなあって感じたぐらいで。

旅の途中でちょくちょく新キャラが登場するんだけど、みんなやけに馴れ馴れしくて、また内気な主人公がなぜかそいつらとすぐに打ち解けて仲良くなるのも不思議でした。眞人の性格的に全員無視しないと辻褄が合わないんですよ。いや、僕一人で探すんでって言って一人旅しないとだめじゃん。義母探しという名の自分探しの旅なんでしょ。

そんでもって旅路で出会った女の子が実は自分の母親だったっていうオチいらなくない? もういいよ、そのパターン。

声優陣もプロの声優じゃなくて、ほとんど人気俳優を起用してるんですね。キムタクや菅田将暉がいるの気づきませんでした。どうせなら全員元ジャニーズにしないと。それと黒人の脇役キャラを出すならLGBTに考慮してゲイとレズビアンのキャラも登場させて均等を保たないと。使用人のおばあ同士の恋愛模様とか写して高齢社会にもアピールしてってやることまだまだたくさんあったでしょ。

まあ色々と言いたいことはありますが、唯一褒めるとしたら、つまらないなりにも大人が見れるアニメだった、ということでしょうか。日本で登場人物がギャーギャーわめかない、学園ドラマじゃない、恋愛ものじゃない、大人向けアニメ映画を唯一作れるのが宮崎駿ぐらいっていう現実ね。だから引退したのに復帰せざるを得ないのも分かる気がするんですよね。

コメント

  1. シャインマスカット より:

    こんにちは、本作ご覧になったんですね。個人的には、映画男さんの採点が思ったよりも高めだったのが意外でした。
    「退屈で平凡」なのは納得です。冒険に行くのが遅すぎ、山場がなさすぎ、何を伝えたいのかわからなくなってきて、私も好きが嫌いかでいえば「嫌い」ですね。加えて鳥がとにかく気持ち悪くて鑑賞が辛かったです。

    ちなみに、映画男さんは原作本は読みましたか?最もあれとは全くの別物なので、読まないで見た方が面白いのかもしれませんが…。

  2. エル より:

    今作、本編より公開前、一切情報が明かされていなかった時にされていた考察の方が面白いまである。
    ハウルなど過去のジブリキャラが出てくるとかなんとか。

    まあ面白くはなかったですが、最近NHKのプロフェッショナルで今作の制作舞台裏をやっていて、そちらは凄く面白く、今作に対して見る目がかなり変わりました。

    今作は宮崎の高畑勲に対するラブレターであり鎮魂歌だったんです。

  3. 映画好き より:

    観ました。確かに、最初の方は良かったのに、不思議な世界へ行ってからは退屈でした。唯一、劇場で眠くなりました。でも、二度目に行ったときは、だいぶ印象が変わりましたね。無理して理解する必要のない芸術作品だと思えば、かなり面白いです。いずれにしても、事前情報なしてで映画が観るのは、はじめての事だったので、貴重な経験でしたよ。

  4. バイソン より:

    これも例に漏れず低めの点数でしたね。
    幾らかレビューを拝見しましたが、映画男さんはアニメが苦手分野かもしれませんね…
    主題歌の『地球儀』はこの映画の世界観を表現したとても良い曲でしたのでぜひ一度聴いてみてください。

    • 映画男 より:

      アニメが苦手というより意味不明なアニメが苦手です。ストーリー性のあるものは好きですよ