スコット・ウォーカー監督による実話ベースのサイコスリラー・53点(100点満点)
フローズン・グラウンドのあらすじ
1983年冬のアラスカ、モーテルの一室で拘束され半狂乱になっている娼婦(ヴァネッサ・アン・ハジェンズ)が保護された。彼女はボブ・ハンセン(ジョン・キューザック)という男に危うく殺害されそうになったと主張するが、模範的市民のボブを警察は疑おうともしない。
同じ頃、身元がわからない少女の惨殺体が発見され、事件の担当となった巡査部長ジャック・ハルコム(ニコラス・ケイジ)は、ハンセンが一連の事件の犯人ではないかと疑うが……。
シネマトゥディより
フローズン・グラウンドの感想
アメリカで実際にあった連続殺人事件を基にしたサスペンススリラー。緊張感も恐怖もそこそこある、ここ何年も駄作にしか出演していなかったニコラス・ケイジ主演の久々に見られる映画。
サスペンスはサスペンスでもジャック・ハルコム刑事の捜査の行方を追うストーリー構成になっていて、犯人は早いうちから登場するので、犯人探しの映画ではありません。そのため見所は、事件被害者でありながら、なんとか生き延びた娼婦のシンディの危なっかしい行動に集中しています。
危なっかしいというのは、シンディが犯人に命を狙われていると分かっていながら警察から提供された隠れ家から勝手に逃げ出したり、悪いヒモのところに戻ったりと、ストーリーを盛り上げるために隠れんぼや追いかけっこを繰り返していました。あの辺は典型的なハリウッドスリラーの展開です。
ジョン・キューザックが精神異常者である犯人の男ボブ・ハンセンを演じたのは意外でした。ジョン・キューザックといえば優しい男、正義の味方のイメージが強かったのでイイ意味で裏切られましたね。
それに対し、ニコラス・ケイジは相変わらずどの映画を見てもキャラが同じという日本で言うところの役所広司に似ています。アカデミー賞主演男優賞も取っている彼ですが、アメリカ人に聞くと結構多くの人が「演技が危なっかしい」などと言ったりします。確かにそういう部分ありますね。
それにしても終始重くて暗いどんよりとした映画でした。エンディングロールでは事件の被害者たちの写真が次々と出てくるため、さらに気が重くなります。
これだけめちゃくちゃな事件を起こしておきながら、犯人は逮捕後もやれ司法取引だ、やれアラスカ州には死刑制度がないだ、などの理由で死刑にはならず、現在も刑務所に服役しているそうです。
アメリカの刑務所は囚人の安全確保がしっかりされているんでしょうか。ブラジルならレイプ犯は、刑務所内で他の囚人たちの手によって処刑される、という闇の掟があります。司法がいい加減な判決しか下さないから、犯罪者が別の犯罪者を勝手に裁いてしまうのです。恐ろしい世の中ですね。
コメント
>ここ何年も駄作にしか出演していなかったニコラス・ケイジ主演の久々に見られる映画。
ここは笑っちゃいました。確かにアメリカのリンカーンの謎が出てくる映画は(ナショナルトレジャー)もうちょっとひねりがあるだろうという気はします。
個人的にはシェールと競演した「月の輝く夜に」は好きだったけれど。
昔人気があったジーンハックマンのフレンチコネクションみたいな映画がまたやらないかしら。ダティーハリーもよく見ていました。
全然関係ない話ですがうちの子供14歳♂と18歳♀は今風の子供ですがチャールズブロンソンの顔を見てカッコいいと言うんですよ。
私が小学生高学年の時もクラスの男子はチャールズブロンソンの事をカッコいいと言っていたけれども案外映画は原点に戻ったほうが面白いのかしら。最近はまたしても昔の映画のシャーロックホームズの冒険をツタヤで借りて懐かしく観ました。テレビでやっていた名作です。古いのばかり借りちゃう私は歳かしら(TT)
mamarinさん
コメントありがとうございます。
ニコラス・ケイジは昔は名作にばかり出てたのに、最近はひどいのばかりに出演してますね。チャールズブロンソンはしぶいですよ。彼のカッコよさが分かるお子さんなんていいですね。
日本で言うところの役所広司!言い当てて妙だなぁと思いました。
でもそれは褒め言葉ですよね(笑)
ところでこの映画、実話に基づいているという以外、サスペンスとしてはいまいちだったなぁ~というのが私の感想です。
53点の3点が気になります(*^^*)
ロココさん
コメントありがとうございます。役所広司は侮辱の一撃です。53点の3点は半分よりやや上の点数かなということでつけました。また感想聞かせてください。