スポンサーリンク

キリング・オブ・ケネス・チェンバレンはリアルな胸糞差別映画!

※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
この記事は 約5 分で読めます。

リアルで理不尽で恐くて不快な胸糞映画。人種差別とアメリカの警察とバカをミックスしたらこうなるっていう現実の話です。70点

スポンサーリンク

キリング・オブ・ケネス・チェンバレンのあらすじ

2011年11月19日の早朝、ニューヨークのアパートで独り暮らしをする初老のケネス・チェンバレンのもとに3人の警官がやって来る。警官は通報を受けたと言って安否確認がしたいだけだと言ったが、ケネスは不審に思ってドアを開けようとはしなかった。

どうやら通報は医療用通報装置の誤作動によるものだった。ケネスは双極性障害を患っているだけでなく、心臓疾患を抱えていた。また、難聴のため補聴器をつけていて大声を出されると、その度に強い頭痛がした。

ケネスは眠りたいから帰ってくれと警官たちに頼むも彼は仕事の都合上、結果を報告するのが義務のため顔を見て安否を確認しないことには帰れないと言い張った。あまりにも長く押し問答が続いたため警官たちはやがてケネスがなにか犯罪を犯しているのではないかと疑い始める。そしてあろうことかケネスのアパートのドアを押し破って突入することに決めるのだった。

キリング・オブ・ケネス・チェンバレンのキャスト

  • フランキー・フェイソン
  • スティーブ・オコネル
  • ロッシエンリコ・ナターレ
  • ベン・マーテン
  • ラロイス・ホーキンズ
  • アニカ・ノニ・ローズ

キリング・オブ・ケネス・チェンバレンの感想と評価

デビッド・ミデル監督による、ニューヨークで起こった事件をもとにした黒人差別警察映画。通報を受けて警官が現場に到着してから、ケネスが殺されるまでの出来事を実際の事件と同じ83分にまとめた話です。

警官が黒人を殺害する事件でいえば、ジョージ・フロイドの事件が有名ですが、あれはたまたま事件の映像が記録された”運の良い“ケースで実際は同様の事件が多く起きているのがアメリカの現実でしょう。その一つがこれです。

このケースがやばいのは、安否確認をしなければならない相手を警官が殺してしまった、ということに尽きます。つまり本来は「元気にしてますか? 大丈夫ですか?」って心配して見回りに行かないといけないところを「こいつ元気すぎてむしろ怪しいな。俺たちの言うことも全然聞かないし、なんか悪いことしてるんじゃないか。いや絶対してるはずだ」と決めつけて挙句の果てには殺してしまうのです。悪い冗談みたいな話ですよね。

そしてその背景にはしっかり人種差別が存在し、なんなら警官の一人はNワードも使って被害者を罵っていたほどです。

警察が仕事に私情を挟むとほんといいことないなっていう最たる例で、登場する警官たちは市民の生活を守る以前にとりあえず早く仕事を片づけて帰りたいだけな無能警官ばかりでそれが叶わないとすぐに怒り出します。

やがてそれがエスカレートし、帰りたくてイライラしてる警官VS警官を全く信用していない黒人市民とのバトルに発展し、最後は武力行使で犠牲者が出るという流れになっていました。

言ってもケネスはおじいちゃんなんですよ。それも様々な疾患を抱えていて体力もない。そんなおじいちゃんに想像だけでやれ誰かを拉致してるかもしれない、やれ麻薬を隠し持ってるかもしれないなどと容疑をふっかけて逮捕状もないのに危険だから家のドアを壊して突入するってバカなのかなあって思いました。

権力と武器を持つ警察がバカだったときの絶望といったらなく、またバカがキレて会話にならないときの救いようのなさといったら泣きたくなってきます。そんな地獄の83分をこの映画はとにかくリアルに伝えていて俳優たちの演技も素晴らしかったです。特に悪徳警官たちの悪い顔がいいね。

もちろん誰が悪いかで言ったら警官なんだけど、ケネスも意固地にならずにすっとドアを開けて素直に対応していたら結果は大きく違っていたでしょうね。黒人としてニューヨークで生きてきたから警官に対して偏見もあるだろうし、トラウマもあったのは伺えました。それでも非協力的だったり、変に抵抗したのはいい選択とは言えなかったと僕は思いました。悪いのは100%警察でも、誰が悪いかどうかじゃなくて自分の命を守るためにも妥協点を見つけないといけないときってあるからね。

よくいるじゃないですか、自分の権利を主張して警察とわざわざヒートアップして喧嘩する人とか。確かに権利はあるし、あなたが正しいかもしれない。でもじゃあその場で争ったときに勝てるの? 負けるでしょ? だったらそこはぐっと堪えて後から訴訟をするとか、SNSで晒すとかもっとやり方があるじゃんって思いますね。相手も人間だから挑発されたらそりゃあ攻撃的になるだろうし、生きるか死ぬかのときに誰が正しいとか主張するのってあまり意味ないしね。だから警察の取り調べを受けたらとりえあず抵抗しないのがベストじゃないかなあ。

ちなみに同ケースは刑事事件にはならなかったそうですが、その代わり民事では500万ドルが市から払われたそうです。これで逮捕者がでないとかほんと後味悪いし、あのときあの瞬間あんな行動をしていなければって後悔ばかりが募りますね。そのぐらいある日突然命が奪われることがあるから気を付けて生きないとね。そう思わせられる作品でした。

コメント

  1. ちー より:

    臨場感、緊迫感、リアリティと面白い映画の全てを兼ね備えていた本作が、実話というのが悲しく切なくてなりません。

    確かにケネス氏はやたらに意固地でした、けれど本人の意思ではなく精神疾患がそうさせたと思うと、些細な何がが違っていたら亡くならずに済んだのではないか、と思いました。