演技、キャスティング、映像が平凡で、ミュージカルがしつこいB級寄りのディズニー映画。ストーリーがまあつまらないです。14点
リトル・マーメイドのあらすじ
人魚のプリンセス、アリエルは人間世界に漠然とした憧れを抱いていた。しかし父親で海の王様トリトン王は人間に興味を抱くどころか水面に行くことも許されなかった。それもそのはずアリエルの母親は人間によって殺されたからだった。
それでも好奇心旺盛のアリエルはある日、海の上に花火が舞うのを目にして水面にまで昇ってしまう。花火はエリック王子の船から放たれたものだった。すると彼の船はストームによってのみ込まれ、クルーたちはボートに避難するはめになる。しかしエリック王子だけ逃げ遅れてしまった。
アリエルは溺れそうになっていたエリック王子を救出し、陸にまで連れて行く。そこで美しい歌を歌い彼を蘇生するのだった。
リトル・マーメイドのキャスト
- ハリー・ベイリー
- メリッサ・マッカーシー
- ジョナ・ハウアー=キング
- ハビエル・バルデム
- ノーマ・ドゥメズウェニ
リトル・マーメイドの感想と評価
「メリー・ポピンズ リターンズ」、「イントゥ・ザ・ウッズ」、「SAYURI」などで知られるロブ・マーシャル監督による、お姫様ミュージカルディズニードラマ。人気クラシックアニメの実写化です。
公開前からヒロインのアリエルが黒人少女ハリー・ベイリーになっていて白人じゃないのはおかしい。アニメのイメージをぶち壊すとしてかなり批判があがっていましたね。それについてはなんとも思いませんでした。
「SAYURI」でも日本人役に中国人を起用するぐらいの監督なので人魚役に黒人を起用することぐらいロブ・マーシャル監督はへっちゃらでしょう。むしろ意図的に視聴者を挑発する目的でやってる可能性すらありますよね。炎上商法だったのなら成功してるけど。
僕も国籍、人種、言語を本来のものから変えてくるハリウッド映画って嫌いなんですよ。例えば「ムーラン」役を白人がやったらやっぱり嫌ですね。だって中国のお話だから。
でもアリエルの場合はそもそも人間じゃないからね。人魚に白人も黒人もねえだろって。え? あるの?
キャスティングに問題があるとすればアリエルじゃなくてむしろ王子役の俳優ジョナ・ハウアー=キングでしょう。演技は微妙だし、まあB級の臭いがプンプンしますよ。あと、重要なヴィランのアースラ役のメリッサ・マッカーシーもダメだったなあ。
そのほかスペイン人のハビエル・バルデム、中国系のオークワフィナなどが出演していてとりあえずマイノリティのコミュニティーに配慮した面子になっていてさすがディズニーという感じがします。
さて、いざ物語が始まると、ハリー・ベイリーはなかなかフォトジェニックで可愛らしく、アリエルに見えなくもないんじゃないかと思えてきます。そして彼女が歌を歌うと、ああこの歌声で選ばれたんだな、というのが合点いきます。それもそのはずこの映画はゴリゴリのミュージカルだからです。
そういえばロブ・マーシャル監督って「NINE」やら「アニー」やら「シカゴ」やらミュージカルが強みなんですよね。だからそれを踏まえて見ないと結構痛い目遭いますよ。なぜなら本編で流れる歌、または歌のシーンがまあしょぼいからです。
アラジンには「A Whole New World」がある。アナ雪には「Let It Go」がある。でもリトルマーメイドにはそれに代わるものがないんですよ。「パート・オブ・ユア・ワールド」だけじゃ物足りないわけよ。
あるいは口ずさむには難しすぎるのかもしれませんね。「パート・オブ・ユア・ワールド」をカラオケで歌おうって思わないでしょ?それ以外の歌もダメダメだし、とにかくしつこいですね。もういい加減歌いいよ、ってなるもん。
アリエルは途中で声を失うんですが、声を失った後も頭の中で歌いだすんですよ。どうやって歌ってるのかは謎なんだけど、それを聞かされる身にもなってもらいたいです。あんなに無理ミュージカルシーンを入れなくてもいいのに。
これまで様々なディズニーアニメが実写化されましたが、企画的にこれはかなりひどいうちに入るんじゃないかなあ。実写にしてしまったがためにアニメならまだ許せていたところが気になって仕方がなくなる現象が起こっていました。
例えば海中のシーンだと、魚たちはいいんですよ。でも人魚の映像だけ違和感がすごいんです。特に髪の毛の表現の仕方が不自然で、海中でも髪の毛がちゃんとセットされた状態でユラユラ揺れる描写にしてあるのが笑えます。普通だったらもっとべちゃって顔にまとわりつきますよね。
ファンタジーだからしょうがないといったらそうだけど、そういうのが実写だとやけに目立つんですよ。海中で歌を歌ってなんであんなにきれいに声が響くんだよとかね。海の中と地上と音の伝わり方が同じかよとか。
ストーリー的にもアリエルと王子様が恋愛感情を抱く理由が伝わってきません。特に声を失ったアリエルと王子様がコミュニケーション全然取れてないのにどこに盛り上がる要素があるのか不思議でした。アリエルが喋れなくなってから一気に話がつまらなくなるのも残念ですね。
終盤は雨と嵐と破壊と破滅のごちゃまぜクライマックスになっていて収拾がつかなくなるし、ボロボロな感じで終わっていきます。これを見て日本の女子たちはうっとり来るのかどうか。来ないんじゃないかなあ。
コメント
アニメ版の完成度が高いのになんでわざわざ同じ世界観でリスキーな実写版作るんですかね?
作品のクオリティーにおいてはボロボロになるリスクはあっても商業的なリスクは低いんでしょうね。すでにお馴染みの作品のほうがみんな抵抗なく見ますからね。
中国・韓国の映画サイトの低評価レビューが火の玉ストレートすぎて笑いました。
曰く「黒人だからダメなんじゃねーんだよ、不細工を主役に据えるな!って話なんだよ。」と。
ヒロインの女の子可愛かったけどなあ。中国人、韓国人には好かれない顔なんですかねえ。
逆張りしきれてない中途半端なレビュー
感性がしょぼい人って、何を経験しても見え透いた変化球しか投げられませんよね。
よく分かります。