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生きるLIVINGは税金泥棒のエセ感動話!ネタバレ感想

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さもいい話かのように当たり前の話をつづった感動狙いの映画。黒澤ファンにしか響かなそうな作品です。47点

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生きるLIVINGのあらすじ

ロドニー・ウィリアムズはロンドン市議会で働く官僚。彼は毎日提示に出勤し、書類に囲まれたオフィスで無気力に働き、その日をなんとなく終えるのが日課だった。

ある日、女性のグループが市内に公園を建設してくれるようにと請願書を持ってくるが、ウィリアムズは別の部署に彼女らを送り、たらいまわしにした挙句、請願書を書類の山の中に放置するという始末だった。

そんな中、ウィリアムズは末期がんであることを医師から伝えられ、生き方を変えざるを得なくなる。妻にはすでに先立たれている彼は同居している息子夫婦にもこのことは話さないでおこうと思った。

その代わり貯金を下ろして睡眠薬を大量に買い、リゾート地で自ら命を絶とうと考えた。しかし実行することができず、レストランで知り合った男性に睡眠薬を与え、彼と夜の町へと繰り出した。

ロンドンに戻ってからもウィリアムズは職場に行かず、時間を過ごした。ふと町で最近まで同じ部署で働いていた女性マーガレット・ハリスと遭遇し、彼女と食事をしたり、映画を見たりした。ウィリアムズは元気溌剌と前向きに生きるハリスにある種に憧れを抱いた。そして自分も限られた残りの時間を精一杯生きることに決める。

生きるLIVINGのキャスト

  • ビル・ナイ
  • エイミー・ルー・ウッド
  • アレックス・シャープ
  • トム・バーク
  • エイドリアン・ローリンズ

生きるLIVINGの感想と評価

オリヴァー・ハーマナス監督による人間ドラマ。黒澤明の「生きる」の舞台を1950年代のロンドンに移したリメイクです。

末期がんを患った主人公が、今までの態度を改め、残された時間でせめて人々のためになることをやろうとするのを感動的につづった作品で、一見、いい話かと思いきや冷静に見ると、今まで全然仕事をしてこなかった税金泥棒が死に間際になってようやく一つだけ仕事らしい仕事をした、というストーリーです。

こういう話に感動させられちゃう人って結構多いですが、僕はないですね。特に汚職まみれの国に住むと役所の人間たちの無気力さとくずっぷりは嫌というほど見てきているので、あいつらに共感することなどありえないです。

もちろん全員が全員じゃないだろうけど、本作の主人公ウィリアムズはまさにダメ役人の典型的なタイプで働く気一切なし、でも無駄に勤務歴だけ長く、一丁前に紳士ぶって威厳だけは放ってるという男なので、そんな奴が癌をきっかけに心を入れ替えましたとか言われても、いまさら遅せえよとしか思えなかったです。

ウィリアムズは最後の自分の任務として公園建設に携わり、それを実現させるために様々なやる気のない関係部署に頭を下げに行くんだけど、そこが美談みたいに語られているのには抵抗しかありませんでした。役人がお役所の仕事をする、というごくごく当たり前のことをやってるだけなのに彼の死後、同僚たちがウィリアムズをさも伝説の男かのように称えるんですよ。

「いやあ、彼はすごい男だったね。本当に素晴らしい人格者だよね。僕らも彼のようにならないとね。みんな今日から仕事頑張ろう」

同僚全員バカかよ。なんで何年も一緒に無気力に仕事してきた奴らが一度の仕事だけで思考を180度変えられるんだよって。

「ウィリアムズって最後はやっと仕事らしい仕事したけど、実際何十年もなにもしてなかったよね。あいつダメな奴だったなあ」っていうのが正当な評価なはずなのに、なにを死んだからって手のひら返してるんだよって。

ウィリアムズが若い女の子の元同僚とやたら時間を過ごしたがって映画に行ったり、お酒を飲みに行ったりするんですけど、あれも絶対ないよね。普通だったら軽く挨拶だけして、「ああびっくりした。こんなところで昔の上司に会うなんて最悪」とか言って終わりでしょ。

最初の食事は推薦状を書いてくれるっていう話だったからまだありとしましょう。でも映画もお酒も女の子にとって行く全く理由ないでしょ。パパ活ならまだしも。あの子、どんだけ暇なんだよ。

それにもう家に帰られないとって彼女が言ってるのに、「いやもう一杯だけ付き合って」とか言い出すし、ただのしつこい男でしたね。言葉遣いは丁寧だけど、しつこいって結構タチ悪いよ。紳士的なストーカーみたいで。

全体的には退屈と芸術のはざまをいっていて、どっちかというと退屈寄りでしたね。黒澤明の多くの映画がそんな感じだから、それをそのまま取り入れちゃうとこうなるよね。もっと現代っぽくアレンジすればいいのに時代設定も1950年代にしちゃったのはなんでなんでしょうか。今の時代だとこういう哲学映画はマッチしないのかなあ。

コメント

  1. きのこ食べ過ぎ より:

    要は「不良が捨て猫拾ったら、イイ人扱い」みたいな感じですね。