意表をついて大いに事故ったアニメ映画。笑えないし、乗れないし、響かないです。10点
アニメ映画「音楽」のあらすじ
不良のリーダー格である研二はある日、仲間の太田と朝倉を連れて丸竹工業の不良たちと喧嘩をしに行く。しかし丸竹工業がどこにあるか誰も知らず結局帰ってきてしまう。気分屋の研二はそれだけで喧嘩をする気をなくし、その代わり思いつきで三人でバンドを始めることにする。
楽器すら触ったこともなかった彼らは自分たちのバンドを「古武術」と命名した。ところが同じ学校に「古美術」というバンドがあることを知り、彼らの演奏を見に行くことにする。
すると、「古武術」と「古美術」のメンバーはお互いの音楽を大いに気に入り、それがきっかけで同じ音楽フェスに出場することになるが、、、
アニメ映画「音楽」のキャスト
- 坂本慎太郎
- 駒井 蓮
- 前野朋哉
- 芹澤興人
- 平岩 紙
- 竹中直人
アニメ映画「音楽」の感想と評価
読者のいかちゃんからのリクエストです。ありがとうございました。
岩井澤健治監督による青春音楽ドラマ。大橋裕之の「音楽と漫画」を原作とした個性とシュールさを売りにした奇をてらった作品で一部の人ははまるんだろうなあ、というのは分かりつつも自分にとっては面白くはなかったです。
上映時間は70分程度の短尺映画なんですが、700分ぐらいに感じるほどスローで、下手な間を多用するのがまず気になりました。そのくせ散々時間をかけて登場人物にやっと口を開かせる、みたいなシーンでことごとく滑ります。主人公の研二が外見も含めて一番寒く、ほかのキャラたちも特に面白い人はいません。
上手くいけばクスクスといった笑いが起こるかどうかで基本的にユーモアの部分では褒めようがないですね。
絵も上手下手絵みたいな緩いラインの絵を描いているのが特徴で個性を出すためにあえてシュールにしてるんだろうなあ、というのがあざとく感じられもします。「俺、普通が一番嫌いなんで」とか普段から格好つけて言ってそうな監督の顔が浮かんできます。
声優たちは、お前のどこか高校生なんだよっていうほどおっさんたちばかりで、声とキャラがまるで合ってないのもいけませんね。
最大の問題点はストーリー設定じゃないでしょうか。不良たちがひょんなことから音楽を始めるのはいいとしても、なんで楽器を触ったこともないような奴らがろくに練習もせずクライマックスのフェスが起こるまであんなに弾けるようになってるかが解せませんでした。
青春映画なら尚更成長具合を見せないといけないのに練習シーンすらあまりないし、不良たちが裏で苦悩し、努力する姿も見せていないんですよ。なんならちょっと触ったらできちゃったみたいなノリだし、楽器を、音楽を舐めてるなあ、という感じがしました。それならそれで下手な演奏をすればいいのにね。
そういったストーリー性のなさを音楽でカバーしようとするふしがあって音楽シーンもいちいち長いです。それも「どう、いい音楽でしょ? 最高でしょ?」ってな具合に見せてくるからやっぱり寒いんですよね。緩いキャラとシャープな音楽のギャップで視聴者を印象付けようとしている戦略がミエミエなのがね。自称音楽好きとか、「私、音がないと落ち着かないの」とか言う人たちが見ればいいやつですね。
この映画もそうだけど、日本のアニメって個性出すことばかりに必死になっていて、基本を忘れちゃってる印象を受けますね。とにかく脚本をおそろかにしすぎだから。ストーリーがあってこそ音楽が光るんだから。音楽だけ見せたいならPVでいいじゃん。
コメント
リクエストに応えていただきありがとうございました!
この映画、やっぱり滑ってますよね
映画を見てここまで世間と自分の感想が乖離したのは初めてだったので、映画男さんと概ね同意見で安心しました
自分は会話にある独特の間がテンポを犠牲にしてるようにしか映らなくてダメでした
なにより設定や描写の雑さをシュールギャグと言い張って誤魔化してる感じが鼻につきます
映画男さんの仰るとおり、一部のコアな視聴者にウケそうなのは見てわかるのですが、合わないとトコトン面白くない映画ですね
リクエストありがとうございます。あの間は、かったるかったですねえ。いろいろと誤魔化してるし、全体的に不快感がありました。
本作、数年前に映画館で観ました。間を重要視していると、どこかの解説で読んだんですが、ただただテンポの悪さしか感じませんでしたね。
テンポ最悪ですね。