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息子の面影はスローで退屈なメキシコ映画!ネタバレ感想

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少しずつしか話が展開しない、いかにも批評家受けしそうなメキシコ映画。間違ってもハリウッド映画ばかり見ている人向けの映画ではないです。35点

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息子の面影のあらすじ

職を求めてアリゾナに向かったメキシコ人の少年がアメリカとの国境へ向かうバスに乗ったまま行方不明になってしまう。

二か月後、息子と連絡が取れないことを心配した母親のマグダレナが警察に行くが、まともに取り合ってもらえない。生きているかどうかわからないことにマグダレナは苛立ちを覚えていた。

らちが明かないと思った彼女は自分でバス会社のオフィスにまで聞き、息子が乗車したバスに何があったのかを調べようとする。

すると、彼女の話を聞いていたある女性がトイレで、人前でその話をしないほうがいいと忠告してくる。どうやらバスに何かあったらしい。詳しくはシェルターにいるレジスに聞くようにと教えてくれた。

マグダレナはさっそくシェルターに行き、レジスに話を聞きにいった。すると、息子がいなくなった同じ日、バスが襲撃に遭い、一人の男性が傷だらけで命からがら逃げてきたことを知る。マグダレナはその男性なら息子のことを何か知ってるのではないかと思い、男性を探しに旅に出ることにする。

息子の面影のキャスト

  • メルセデス・エルナンデス
  • ダビド・イジェスカス
  • フアン・ヘスス・バレラ

息子の面影の感想と評価

フェルナンダ・バラデス監督による、アメリカに密入国を図っては行方不明になった息子を探す母親のロードムービー。国際映画祭向きの芸術路線映画です。

扱っているテーマがメキシコにおいては現実的な社会問題であることもあってリアリティーは申し分ないです。一方で娯楽性に欠け、とにかくスローでゆっくりゆっくりとしか話が進んでいかないもどかしさがあり、退屈な作品でもあります。

終始被写体をドアップに映す撮影方法を選んでいて、その被写体が地味で素朴なおばちゃんなので、絵的にも面白くないですね。ただでさ映像が暗いのにさらに多数のシーンでわざとピンボケさせて撮っているのも見にくくて嫌でした。

息子の手がかりを探すために少ないヒントを人づてにもらって、また別の人に会いに行くことでロードムービーが成立しているんですが、ロードムービーの醍醐味となる景色をほとんど映していないのがもったいないですね。メキシコの砂漠地帯をもっとはっきりと美しく描いたほうがもの悲しさもより伝わって来たんじゃないかと思うと残念です。

息子を思う母親の気持ちを世のお母さんたちに伝えたい、という意図は十分に伝わってきます。なにがなんでも息子の安否を確認したい、息子に何があったのかを知りたい、という気持ちは世界中の両親に刺さる部分でしょう。息子に名前をつけずに、あえて「息子」と表現しているのも共感を呼びやすくするためでしょうね。

しかし本当に息子のことを思うなら一か八かの国境越えなんて絶対許しちゃダメでしょ。未成年の少年なんてそれがどれくらい命知らずの行為か想像がつかないんだから全力で止めないと。それで行方不明になってからなにがなんでも息子を見つけるとか言われてもね。その前になにがなんでも阻止しなくちゃいけないところではなにもしないのかよ。

そう考えると、息子を失って傷ついた母親の気持ちは確かに伝わるけど、本当にそれだけで見所が少なすぎました。本来ならもっと恐ろしいはずの話なのにハラハラするのはバス襲撃の回想シーンとラストの命を狙われるシーンぐらいでしょうか。それすらも曖昧な表現で終わっていきます。それ以外はずっとおばちゃんの顔を撮ってるだけだからね。

アメリカに行った息子を探す母親にアメリカから強制送還されてメキシコにいる母親を探す少年ミゲルを遭遇させて、コントラストを作っているものの、ミゲルのエピソードももうちょっと詳しく描いていもいいですよね。ミゲルの家族に一体なにがあったのか、といった説明も欲しいし、なによりラストでヒロインとミゲルが命を狙われる理由がわかりませんでした。バス襲撃もそうなんだけど、ギャングたちは何を目的に人々を殺してるんでしょうか。

なんであれ密入国に絡んだ犯罪ってえげつないのが多いですよね。だからこそもっと残酷性を包み隠さずに見せる作品であって欲しかったなあと思います。

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