ストーリー性もエンタメ度も低い、ただのゴミ映画。ありえないエピソードの連続で大人がお金を払って見る作品じゃないです。４点
マークスマンのあらすじ
元海兵隊員のジム・ハンソンは最愛の妻を亡くし、牧場の立ち退き通知を受け、自暴自棄になっていた。そんなときメキシコとの国境付近で密入国してきた親子ローザとミゲルを発見する。
ジムは国境警備局に連絡を入れ、彼らを保護してもらおうとしたが、そこにメキシコの犯罪カルテルのメンバーと思われる男たちが現れ、親子の引き渡しを要求してくる。
ジムがそれを断ると彼らと銃撃戦になり、ボスのマウリシオの弟を殺害する。それに対し、ローザも撃たれて命を落としてしまう。
ミゲルは国境警備局に保護されたが、メキシコに送還されると命が危ないことを悟ったジムは、彼を連れて国境警備局を抜け出し、シカゴにいる親戚のところまで彼を送り届けることにする。
ところが弟を殺されたマウリシオ率いるカルテルのメンバーが国境を超えて彼らを追って来るのだった。
マークスマンのキャスト
- リーアム・ニーソン
- キャサリン・ウィニック
- フアン・パブロ・ラバ
- テレサ・ルイズ
- ジェイコブ・ペレス
マークスマンの感想と評価
「人生の特等席」のロバート・ロレンツ監督による、アクションロードムービー。元軍人のおじいちゃんが少年をギャングから守り、家族のところに送り届けるところまでを描いた、どこかで見たこと、聞いたことのある話です。
リーアム・ニーソン以外は無名のB級俳優たちを起用していて、演技のレベルもさることながら全体の安っぽさが半端ないです。舞台がメキシコならまだしも、アメリカの出来事にしては滅茶苦茶な設定ばかりで、終始あまりにもリアリティーがなさすぎて途中で見る気が失せました。
内容的には「クライ・マッチョ」と「ランボー」とその他もろもろの越境ドラマを混ぜた感じで、オリジナリティは一切なく、主人公の名前が変わっただけです。
ストーリーはあってないようなもので、たまたま砂漠地帯で出会った密入国者の少年を、心優しいおじいちゃんが救うというものです。それも少年は犯罪カルテルから命を狙われていて、メキシコに返すと殺されてしまうので、アメリカにいる親戚のもとに届けないといけないんだって。じゃあ親戚が迎えに来いよって。
つまり未成年の密入国者をかくまって車に乗せて連れ去ってしまう、ならず者のおじいちゃんの話でそれ自体が立派な犯罪なのに法律よりも情のほうが大事だろと言わんばかりに彼を正義として描いているんですよ。下手したらただの誘拐犯だからね。
少年を連れまわすのも十分悪いのに、挙句の果てには道端で少年に銃の撃ち方まで教えてたからね。かなりやばいおじいちゃんだと思いますよ。
メキシカンカルテルの描き方もギャグそのもので、そもそもメンバーは一台の車に乗れる人数しかいないようで、ボスが直々に少年を探したりします。カルテルが少年を追っている理由も曖昧で、彼の叔父さんがやらかしたから、という雑なバックストーリーを用意していました。
叔父さんがやらかすと甥っ子が狙われる思考回路がまず理解できないし、子供一人のために何人もの大人がリスクを冒して国境を渡ってきては人殺しをしたりするメリットってなんなのか教えて欲しいですね。
アメリカの国境警察でさえ、メキシコのカルテルに買収されていて、バレバレの偽造パスポートでも国境を渡れるようになっていたり、行く先々で地元警察とかがカルテルに協力する、といった不自然な出来事しか起こらないので笑うしかなかったです。
爆笑だったのはメキシコで生まれ育った、貧しい少年がいきなり英語をペラペラ話しだすくだりですね。学校で習ったといいつつ、ゴリゴリのネイティブなのがウケるし、どれだけご都合主義なんだよって。
物語はジムと少年が逃げて、メキシコ人が追いかけてくる、という展開しかなく、本当に最後の最後まで追いかけっこが続くだけでした。なんなら直接対決が始まる１時間30分のところから見ても十分にストーリーが理解できるし、失うものはないでしょう。
これだけ中身スカスカだったらせめてアクションシーンぐらい迫力があってもいいのに、それすらもないからね。
ラストは予想通り、ジムが少年を無事親戚のもとに届けて終わるんだけど、二人の別れをせつなく描こうとしているものの、大して意味のあるセリフを交わしてこなかったせいか、ドラマ性に欠けあっさり別れちゃって、そこになんの余韻も残りませんでした。あれで泣く人がいたらぜひ顔が見てみてみたいです。
それにしても元軍人がたった一人でギャングやマフィアと立ち向かうみたいなコテコテの設定はどうにかならないんですかね。アメリカの元軍人はみんな暇だと思ってるのかなぁ。
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