塚本晋也監督の頭のおかしい女を描いた人間ドラマ。ストーリーと演技がただただひどいです。23点(100点満点)
KOTOKOのあらすじ
まだ乳児である息子を女手ひとつで育て、愛し抜かなければいけないという強迫観念にとらわれ、精神的な変調を抱えるようになってしまった琴子(Cocco)。その果てに奇行を繰り返した彼女は幼児虐待を疑われてしまい、沖縄にいる姉に息子を預けられることになる。
そんなある日、彼女のもとに小説家の田中(塚本晋也)が現われる。沖縄行きのバスで乗り合わせ、車中で口ずさむ姿や声に惹(ひ)かれたと語る田中を激しく避ける琴子。それでも思いを伝え続ける彼を受け入れ、息子と共に3人で生きようと決意するが……。
シネマトゥディより
KOTOKOの感想
歌手のCoccoを起用したと聞いて、ついつい「ダンサー・イン・ザ・ダーク」に主演したビョークと比べてしまいましたが、映画初主演も自然にこなしていたビョークとは格の違いがでてしまいましたね。Coccoにはこの役は荷が重かったようです。
Coccoは後に「リップヴァンウィンクルの花嫁」にも出演しましたが、やっぱりダメでしたね。演技がわざとらしい。
突っ込みどころ満載で僕的にはおいしい映画です。ただ真剣に見た人には気持ち悪さが先行したんではないかと想像します。
精神に異常をきたした琴子は幻覚を見たり、脅迫観念に襲われたりとかなりの危険人物でした。赤ん坊を抱えながら、フライパンで料理を作り、「ダメぇ。全然ちゃんとできないぃぃぃ」などと発狂していたのには笑えました。
自分がちゃんとできていないことはしっかりと自覚しているんなら思考回路は正常じゃねえかよって思いましたね。
一番の突っ込みどころは、こんな頭のおかしい女と子供を作ったのは一体どこの誰なんだ、というところですね。その辺については残念ながら触れていませんでした。もの好きもいるもんですねぇ。
また、「ぐるりのこと」もそうでしたけれど、この手の映画にありがちなのは、あれだけ精神がボロボロになりながらも、服装はきれいで、眉毛はちゃんと手入れしてあったりして、身なりはきちんとしてるのが冷めてしまいます。
外出するときはブラジャーだけで出て行ってもいいでしょ、あのぐらいの精神状態なら。羞恥心とか、自意識とかしっかりしてるのかよって思いますもんね。
塚本晋也監督の代表作「鉄男」でも言えることですが、この監督は映画全体のバランスよりもその映画、もしくはワンシーンのインパクトを重視するようなところがありますね。いわゆるインパクト監督です。
とにかくある一部の人に強烈な印象さえ残せば勝ちだと思ってそうです。「シンヤ・ツカモトはクレイジーだ」とか外人に言われたら大喜びしそうな印象があります。
中途半端に万人受けするより、一部の熱狂的なファンに支持されるほうが確かに監督からしてみれば作り甲斐があるのかもしれませんが。
これで面白かったらいいんですけどねえ。普通にさむいシーンの連発でしたね。それもいかにも外人からは評価されそうな、またそれを計算してやっているような演出が痛いです。
「アリラン」でも言いましたがもう一度いいます。劇中に登場人物にアカペラで歌を歌わせ、それも結構な時間を割くのは絶対にやめてください。プロの歌手だろうと、あんなノリで聞かされたら、その辺のおばちゃんのカラオケを聴かされてるのと同じだから。
コメント
この映画の企画はCoccoが塚本監督に持ち込んだもので
Coccoの半自伝的内容となっています
KOTOKOはCoccoほぼ本人なので「役は荷が重かった」というのは変かな、と思いました。
古い記事にレスしてすいません^^
コメントありがとうございます。
例え本人役であろうと、役は役なので下手な人が演じれば下手になるのは変わらないと思います。Coccoはキレすぎてた感がありましたね。
フライパンのシーン、自分がちゃんとできてないの自覚できるなら、正常な思考回路じゃねーか、と。
幾つか記事を見させてもらいましたが、本当に、想像力の無い方なんだなと思います。
古い記事にコメント申し訳ないんですが、私からはただ批判したいだけで最初から跳ね付けていればそりゃそう見えるよって記事でした。
多分あなたは映画という物自体を、自分の見栄を張る(俺は他の人より物を知っている、俺は権威には屈しないと言う意味合い)為の踏み台と考えているのかもしれないです、それも別に良いのですが。
フライパンの件ですが、自分がちゃんとしてないと自覚していてもちゃんと出来ないと言う状態は割とありますよ。思考回路が正常かどうかは、全く関係ないです。これは感情面の話です。こうしなきゃいけないよと分かっていても出来ないんです。それは人間には儘ありますよね。
Aを選べば間違わないのにBを選んで失敗してしまった、そう言う事です。
考えより感情が先行するって事です。言葉より先に行動が出る、と言う状態かと思います。
常に冷静な人間なんて居ませんよ。
サブスクであったので私も見ました。
かねがね、本記事と同意の感想です。
フライパンというより中華鍋そこの時点で私もつっこみましたよ(笑)
沖縄に帰省したシーンでも、なんだよ身内は二重に見えないのかよとか
結局、父親のわからない子供産んだシングルマザーが、赤ちゃんという一番きつい時期に
頼れる家族(作中は姉がいたので頼らないのも謎ですが)、行政に頼るという知識もない
その、子育ての強迫観念をリストカットと他人が2重に見えるということで片づけたという話ですよね。
実際に子育てをした私からすると、知識のない女のなるべくしてなったといった感じですね