フレンズ好きには物足りない、笑いがほとんどない再会企画。コントではなく、ドキュメンタリーです。33点
フレンズ・ザ・リユニオンのあらすじ
かつて一世を風靡した大人気コメディシリーズ『フレンズ』のメンバーが約17年後に再会。彼らは当時のセットを訪れ、過去の作品を見ながら思い出話に花を咲かせる。
フレンズ・ザ・リユニオンのキャスト
- ジェニファー・アニストン
- コートニー・コックス
- リサ・クドロー
- マット・ルブランク
- マシュー・ペリー
- デヴィッド・シュワイマー
フレンズ・ザ・リユニオンの感想と評価
10シーズンも続いた伝説のコメディショー、「フレンズ」のキャストが集まって、当時を懐かしむだけの誰得ドキュメンタリー。新しいコントが見れるのかと思いきや延々とあのときはどうだった、こうだったとノスタルジックに浸る、おっさんおばさんを見させられるひどい企画です。
アメリカでは社会現象にもなったこともあり、フレンズはアメリカに住んでいた頃、好きでよく見ていました。英語の勉強にもとても向いてるシリーズで日本の笑いもいいけど、アメリカの笑いも捨てたもんじゃないね、と思わせるほど面白かったです。
テンポの良い上質な会話のやり取りが見られるし、キャストの演技やボケのタイミングも絶妙でした。基本誰も死なないし、バイオレンスもお色気もなくあれだけ人々を引き付けるのは異常です。
そんなシリーズが一夜限りの”復活”を遂げると聞いて視聴者が期待するのはまた昔のようなコントが見れる、という点じゃないでしょうか。
しかし見事にその部分は裏切っていて、本当にただキャストが再開する様子をドキュメンタリーにしているだけなんです。そしてコメディ劇の舞台裏を語るという一番やってはいけないことをやってのけ、キャスト全員が涙するという笑いからははるかに遠ざかった企画になっていました。
笑いよりも感動を取ったのがいけませんね。確かに「フレンズ」自体も感動要素もあったけど、笑いがあってこその涙だったと思うんですよ。それを笑いをすっ飛ばして、感動だけ追及しちゃったら、ちょっとしょうもない感じになりますね。
一般人や有名人に彼らにとって「フレンズ」がどんな番組なのか語らせているのもバカですねえ。知らねえよって。
キャストたちにとってどれだけ思い入れのあるシリーズなのか、どれだけみんなが仲良しだったのか、というのをこれでもかというほど強調していてわざとらしさすらあります。ほんと、ただの同窓会ですね。これで本当はみんな仲悪いぐらいのほうが面白いんだけどね。
司会者から「舞台裏でみんな当時は若かったけど、舞台裏で恋愛に発展したことはありますか?」と聞かれて、レイチェル役のジェニファー・アニストンとロス役のデヴィッド・シュワイマーができていた、と暴露したりして会場が盛り上がっていましたが、いまさらそんなこと言われてもねえ。
同窓会でそういうこという人いるよね、実はあのとき彼のこと、彼女のことが好きでしたみたいな。そのとき言えよって話だし、何十年も経った後に時間差カミングアウトする意味って一体なんなんだろう。
また、ハリウッドあるあるで10数年も立つと、キャストが歳を取ったとか、老けたとか以前に顔がチューンアップしてサイボーグ化していくのも気になるところです。あれ、顔変わった?みたいなつっこみもちろんできないしね。
みんなそれぞれいいキャラしてるし、演技もできるのになぜかそれぞれがこのシリーズ以外では代表作と呼べるものがないのも残念です。俳優としては「フレンズ」のおかげで成功したのは間違いないけど、その代わりに「フレンズ」のイメージが強すぎてほかの作品では起用しづらかったり、インパクトを残せないのも事実でしょう。
そういった本音の部分も聞けたらもっと面白かったんですけどね。「そういえば俺たちってほかの仕事来ないよね」とか愚痴ってもいいと思うよ。
コメント
私もフレンズは好きです。私も妻もNYに住んでいたこともあり、よく一緒に見ました。が、しかし、この同窓会は確かに面白くなさそうですね。予告編を見る限り、まったく同感です。ジョーイの劣化、レイチェルはまだしも、モニカの整形のまずさ。内輪で褒めて盛り上がるのは興醒めですし。でも、欧米ではありがちな企画ですよね。
本気で1エピソード作れと言いたくなりますね。