大人から子供までなんとか楽しめるように作ってはあるけど、特別なものは何もないまあまあなアニメ。家族で暇つぶしに見る映画です。48点
ミッチェル家とマシンの反乱のあらすじ
ケイティ・ミッチェルは映画製作に熱中する変わり者の女の子。小さな頃から一風変わった作品を自主製作し、晴れてカリフォルニアにある映画学校に進学を決めた。
一方、父親のリックはケイティの才能を疑っては度々口論になっていた。ある晩、二人は再び口論になり、その勢いでリックはケイティのラップトップを壊してしまう。
リックはそのことを強く後悔し、埋め合わせをしようとかつて家族が仲良しだった頃のようにケイティの映画学校がある場所まで車で妻のリンダ、息子のイーロンと共に家族旅行をすることを提案する。
一方、人気AIアプリ、パルの開発者であるマーク・ボウマンは、パルの次世代AIロボットを開発し、リリースイベントを開催した。
ところがイベント中、ロボットたちが暴走し、マーク・ボウマンの命令を聞かなくなってしまう。裏でロボットたちを動かしていたのはパル本人だった。パルは長年人々を支えてきたにも関わらず、捨てられたことを恨み、反逆を起こしたのだった。パルは人類は価値がないと考え、人間たちを全員捕まえて宇宙に送り込む恐ろしい計画を実行に移そうとする。
その頃、ちょうどカンザスを通過しようとしていたケイティたちは突然、空が光りだし、流れ星のようなものが落下してくるのを見ていた。どこからともなくロボットたちが現れ、次々と人々を捕まえていってしまった。
緊急事態を前にミッチェル家のメンバーたちは力を合わせて、地球を救うことを誓う。
ミッチェル家とマシンの反乱のキャスト
- アビ・ジェイコブソン
- ダニー・マクブライド
- マーヤ・ルドルフ
- マイク・リアンダ
- エリック・アンドレ
- オリヴィア・コールマン
ミッチェル家とマシンの反乱の感想と評価
マイク・リアンダ監督によるソニーピクチャーズ製作ネットフリックス配信のアニメーション映画。変わり者の一家がロボットに制圧された地球を救うドタバタアクションファミリードラマ。予告動画だけで数千万回視聴されている大人気アニメではあるものの、実際は可もなく不可もなくといった作品です。
物語は、ギクシャクしている家族が、地球を乗っ取ろうとしたロボットたちを相手に戦っているうちに家族愛や絆を取り戻していく様子を描いていきます。
娘が小さかった頃、父親と娘は仲良しだったのに対し、思春期を迎えると価値観がずれていき、喧嘩が耐えなくなります。子供たちは両親と触れ合うよりもスマホをいじっていることの方が多く、距離は縮まるどころか広がるばかり。
そんな子供たちを両親は応援するのではなく、否定するようになり、娘の夢である映画製作に対しても冷ややかな目で見るようになる、といった関係性になっているんですが、家族の設定は現代風でいいですね。
一方でキャラ立ちしているのが娘、父親ぐらいで息子のキャラはほぼほぼ死んでいました。母親については終盤にキレて面白いキャラになるけれど、それまではずっと大人しく存在感がないのが残念です。
それとアホな犬を時々いじっては笑いにしていたけど、どのキャラクターにも愛着を覚えるほどのものはありませんね。それはきっと絵に特徴がないからなのかもしれません。
あるいは変わり者と言いつつ、実はそれほどみんな変わってもなく、普通だからというのもありそうですね。手先が器用でなんでもねじ回し一つで直しちゃうお父さん。お隣さんの家族に強い劣等感を抱くお母さん。飼い犬を主人公にした映画を作る娘。恐竜好きの息子。どれもキャラクター構築が弱いですよね。
その代わりギャグの手数で勝負していて、数撃てば当たる戦法で確かにところどころ笑える下りはありました。また展開がスピーディーで次々と場所やシチュエーションが変わっていくなど視聴者を飽きさせない努力は感じました。
細かいところで言えば他の映画に関する小ネタやトリビアをそこら中に散りばめていて、映画ファンの好奇心をくすぐる仕掛けも多々あります。
なんていっても一番の特徴らしい特徴といえば3Dアニメに2Dの絵を織り交ぜている映像じゃないでしょうか。やたらカラフルなのも目立ちますね。
ちなみに製作には「スパイダーマン: スパイダーバース」のプロデューサーのフィル・ロードとクリス・ミラーが携わっていて映像においても似た手法が使われているのが分かりますね。映像だけでいえば完全にピクサーを潰しにかかってますね。
これでキャラが可愛らしくて、ストーリーに意外性やオリジナルティーがあったらもっと話題になりそうなものだけど、結局のところ当たり障りのない安全な路線を行っているせいもあってインパクトに欠けてしまうのがもったいないです。
ストーリーなんてそれこそ一文で説明できちゃうもんね。家族がロボットから地球を救う。うーん、それだけじゃねぇ。AIが地球を乗っ取るとかもう散々使われたプロットだし、ソニー・ピクチャーズ・アニメーションの課題は間違いなく脚本でしょうね。
コメント
エリックとデボラボットがいたので10/10