スポンサーリンク

マ・レイニーのブラックボトムはつまらない会話劇!感想とネタバレ

※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
この記事は 約4 分で読めます。

1時間半も愚痴を聞かされるだけの密室劇。会話がだるいだけではなくワンシーンワンシーンが長く、絵的にもつらいです。41点

スポンサーリンク

マ・レイニーのブラックボトムのあらすじ

1927年7月、ブルース人気歌手マー・レイニーは白人のプロデューサーに雇われ、シカゴでレコーディングをしようとしていた。レコーディングセッションのためにパラマウントスタジオにはバンドメンバーたちが呼ばれた。

若いトランペット奏者のレヴィーはそこに遅れてやってきた。彼は買ったばかりの新品の靴を見せびらかし、レコーディングは自分のアレンジ通りに演奏するんだと意気込んだが、ほかのメンバーたちに反対された。あくまでもマー・レイニーの音楽であって、お前の音楽じゃないと言われた。

レヴィーはいつまでもバックバンドに収まるつもりはなく自分のバンドを持とうという夢を抱いてた。しかしそんな彼の野心をほかのメンバーたちは嘲笑うのだった。

やがてマー・レイニーが愛人のダッシー・メイと甥っ子のシルヴェスターを引き連れて遅れてスタジオ入りした。マー・レイニーは楽屋に着くや否や曲の口上を吃音症の甥っ子にやらせると言って聞かなかった。さもなければレコーディングはしないといって聞かなかった。

マー・レイニーが白人のプロデューサーたちを信用していないのは明らかだった。それによってレコーディングはなかなか進まなかった。やっとレコーディングが進みだしたかと思ったら、今度はマー・レイニーがコーラを飲むまでレコーディングはしないといって中断する始末だった。そんな中、バンドメンバーたちはまた楽屋で長い間待機させられるはめになる。

マ・レイニーのブラックボトムのキャスト

  • ヴィオラ・デイヴィス
  • チャドウィック・ボーズマン
  • グリン・ターマン
  • コールマン・ドミンゴ
  • マイケル・ポッツ
  • テイラー・ペイジ

マ・レイニーのブラックボトムの感想と評価

ジョージ・C・ウルフ監督によるミュージカルドラマと人種差別ものをミックスした会話劇。2021年アカデミー賞の主演男優賞と主演女優賞にノミネートしています。

確かに演技はいいんですが、見所が少なくストーリーは退屈で、1時間半という短い尺が長く感じてしまうほどダラダラした作品でした。

物語の大部分が密室で展開していくというのが最大の欠点でしょう。「キサラギ」や「おとなのけんか」のように脚本と演技頼りの言葉の掛け合いに終始します。

それでもユーモアがあれば、見ていて楽しめる作品もあるんですよ。しかしいかんせんこの映画の場合、人種差別を背景にしてるので当然シリアスで重い会話がほとんどで、人種差別社会の中で生きて来た黒人たちが世知辛い世の中を嘆き苦しむだけのやり取りに音楽を乗せただけになっていましたね。早い話が、ああでもないこうでもない、と不満をタラタラ言っているだけなんですよ。

かといって直接的な人種差別のシーンがあるわけではなく、全てが会話によって伝えられます。最大の見せ場として語られるのが、レヴィーの母親が白人の集団に乱暴され、父親が後日復讐した、という話じゃないでしょうか。

その話とその話をするレヴィーの表情は迫真に迫るものがあります。でもなんでこんな時にその話を持ち出すよっていうタイミングでカミングアウトしちゃうのがいまいちでしたね。

レヴィーとほかのバンドメンバーがなにかにつけて喧嘩し出すのも意味が分かりません。あんなに仲が悪いんだったらそもそもバンドなんて成立しないじゃん。口論どころかナイフまで振り回したりしてるからね。それなのにその後、普通にレコーディングしたりしてるしね。普通に警察呼ぼうよ。

ストーリーの軸は女性シンガーのマー・レイニーとこのレヴィーの二つに分かれているんだけど、マー・レイニーのエピソードは、わがままな演歌歌手みたいでちょっと面白かったです。コーラがないならレコーディングしないとか、すぐに機嫌を損ねちゃうのが逆に可愛いいです。

一方でレヴィー側のストーリーはつまんないし、白けるものばかりでした。鍵のかかったドアを何度も開けようとする動作とか比喩にしてもしつこいし、最後おっちゃんを刺す必要もないですよね。あれだけ白人にやり返すって言ってた奴が、仲間に当たってどうするんだよ。

同名の戯曲を基にしてるそうですが、いかにも舞台劇っぽい内容でしたね。劇が好きな人にはいいかもしれないけど、映画が好きな人には向いてないでしょう。

この映画については、もっと会話シーンを減らして音楽シーンを増やすべきでしたね。音楽は格好いいし、世の中の不条理や不平等に対して感情を爆発させるなら演奏シーンにしてもらいたかったなぁ。

コメント