2時間を超える長い上映時間がちっとも気にならないクオリティーの高いアニメ作品。難しいけど、ついつい口ずさみたくなる歌もいいです。79点
もののけ姫のあらすじ
少年アシタカの住むミエシ村がある日、イノシシに取りついたタタリ神に襲われる。タタリ神は森を荒らす人間に強い恨みを抱いていた。
村人を守るためアシタカがタタリ神を退治したが、その際に傷を負い、呪いを移されてしまう。呪いはやがて骨にまで達し、命を奪うほどの深刻なものだった。
アシタカは呪いを解くために村を出て、何が起こったのかを知るためにイノシシが来た西へと旅立つことにする。原因が分かれば呪いを解く方法が見つかるかもしれない。
道中でアシタカは戦に遭遇し、またそれをきっかけにジコ坊と出会う。ジコ坊はさらに西へと行くと、人を寄せ付けぬ深い森があると言った。そこにはシシ神がいるという。
森へと入っていったアシタカは二人の男が倒れているのを発見し、命を助ける。そしてアシタカは二人を担いでタタラにまでたどり着く。タタラを納めているのはエボシという女で、エボシがイノシシの神に鉄のつぶてを撃ち、恨みを買ったのは彼女だった。
もののけ姫のキャスト
- 松田洋治
- 石田ゆり子
- 田中裕子
- 小林薫
- 美輪明宏
- 森繁久彌
もののけ姫の感想と評価
「紅の豚」「崖の上のポニョ」「風立ちぬ」「となりのトトロ」「風の谷のナウシカ」「千と千尋の神隠し」「天空の城ラピュタ」「ハウルの動く城」「魔女の宅急便」などでお馴染みの宮崎駿監督による、動物と人間によるファンタジー戦争ドラマ。
ストーリーが分かりやすく、テーマがはっきりしていて、なおかつメッセージ性も強い、バランスの取れた作品。宮崎駿映画の中で間違いなくベスト3に入る名作です。
物語は、タタラの村人と森の動物たちによる争いに主人公のアシタカが仲裁に入る様子を描いていて、それぞれの言い分や立場からストーリーが語られていくのが面白いです。
誰が悪人で、誰が善人という分け方をしていないのもいいですね。村人には村人の守るものがあり、動物には動物の誇りがあり、仲裁役のアシタカには誰もが平和的に共存できるはず、という理想があります。
そしてその理想と現実のはざまでもがき、苦しんでいくアシタカの姿に視聴者は共感し、感情移入しやすくなっているのではないでしょうか。
世界観やそれぞれのキャラクターは宮崎駿の過去作品を彷彿とさせるものが多いですね。「あ、今のナウシカっぽい」っていう場面や「これトトロじゃん」っていうような場面がたくさんありましたね。イノシシなんてもろオームだし。
まさに集大成といった感じで、これを最後の作品にしても良かったと思います。この作品以降、急激に質が落ちたのは偶然じゃないでしょう。
宮崎駿映画にしては結構残酷なシーンもあってびっくりします。戦のシーンでは手足を切断したり、首が吹っ飛んだりといったグロい場面も多く、それゆえに迫力があります。
ただ、この内容で日本では年齢制限がなく見れてしまうってちょっと暴力に対する感覚がずれてますよね。ジブリだからいいでしょ的な甘さなのかな。アメリカでは13歳以下は見れないPG-13指定らしいだけど、当然そうなるよね。
「紅の豚」や「風の谷のナウシカ」のように西洋が舞台ではなく、日本が舞台になっていることも僕がこの映画を好きな理由の一つです。中途半端な西洋思想なんていらないし、なんなら登場人物の名前ももっと日本っぽくてよかったと思います。
乙事主(おっことぬし)なんて最高のネーミングじゃないですか。アシタカ、エボシぐらいまではまだセーフです。
一方でシシ神が夜になると、ディダラボッチ(ダイダラボッチ)になるのはなんとかならないんでしょうか。名前の響きのギャップが激しすぎない?ヤックルとサンっていう名前も西洋っぽいしダメですね。山犬の娘なのにサンってね。
いい意味で突っ込みどころが多く、結構僕的には笑いのツボをくすぐるシーンも少なくないです。
例えばもののけ姫ことサンが、結構きつい口調で物を言うのがたまらないですね。あんな可愛い顔して「お前」呼ばわりしてきたりするから、ドキッとします。突然年下の女の子に呼び捨てで呼ばれたときの感覚になりますね。
さらに「食べろ!」、「噛め!」、「去れ!」とか全部命令形で話すのがまたいいですね。食べろってきつく言ったかと思ったら、口移しで食べ物を口に入れてくれるし、なかなかレベルの高いSMプレイを仕掛けてきますよね。
ところどころアシタカといちゃつくのは「天空の城ラピュタ」のパズーとシータみたいで相変わらず宮崎駿の性的ファンタジーっぽさがありました。
口移しのシーンは「スターウォーズ・スカイウォーカーの夜明け」のキスシーンぐらいいらなかったかなぁ。
サンは人間に捨てられ、山犬に育てられたのになぜか服を着てるのも笑えますよね。あれだけ人間は嫌いだっていうくせにゴリゴリの人間の感覚で生きてるんだよね。裸でよくないか?
一番許せなかったのは、村の女の子のお守りをアシタカがいとも簡単にサンにあげちゃってた下りですかね。人からもらったプレゼントをまた別の人にあげるとか最低じゃないですか。
それも女の子からもらったものを別の女の子にあげて、それで気を引こうとするなんてアシタカもなかなかの悪い男ですよね。人間と動物の仲裁している一方で、女同士の争いを生んでるんだから、あいつダメだろ。
コメント
映画男さんなら、この映画に難癖付けて貰えると、思ったのですが、正直、ガッカリです。
この映画をけなした人を見たことないので!(笑)
嫌い!絶対見ない!くそだー!
って言う人が本当にいませんね。
やはり、名作なんですね。
久々に見ても素直に面白いって思えました。そんなときは褒めちゃいますねぇ。
久々に劇場で観ると音が凄いのです。
サンの耳飾りのシャリーンという音、弓を引く矢の音(実際の弓道を録音したらしく)
そんな中シシガミの登場シーンで無音が際立ちました。でもそれもどこかの寺だか森だかで特殊な録音した音を流してるのだとか。とにかく、作り込みの凄さにもうこれが最後、という意気込みが感じられました。当時は見てる方もこれが最後だから凄いという気持ちだったかも。でも今見ても充分良かったですね。エボシの格好良さが際立って感じられたのも当時との年月の差を感じました…
ほんと、これが最後でよかったんですけどね。
公開当時8歳、両親に連れられて映画館に行きました。
死ぬ程怖かったのはよく覚えています。
そっか子供にとっては怖いんですね。