人のトラブルに首を突っ込むのが大好きな女たちがお互いの過去をほじくり合いながら醜いバトルを繰り広げていく話。アメリカ社会の問題を取り上げてる風で、なんのこっちゃ分からないバカ話です。50点
リトル・ファイアー彼女たちの秘密
ある日、オハイオ州の郊外シェイカー・ハイツに黒人の親子ミアとパールが引っ越してくる。
アパートを探していたミアは白人のエレーナの持ち家を下見した。
ミアはアーティストで移動することが多いため、月極め契約を望んでいたが、年間契約じゃないと入れないといって断られてしまう。
ところがミアとパールのボロボロの車を見てエレーナは同情し、好条件で貸してあげることにする。
エレーナには4人の子供がおり、息子のムーディがパールに強い興味を示し、仲良くなる。
これをきっかけにパールはエレーナの家に入り浸れるようになり、ミアもエレーナの家にメイドとして働くことになり、両家族の交流が増していく。
しかしそれは完璧な家族を持つエレーナにとっては破滅への始まりだった。
リトル・ファイアー彼女たちの秘密のキャスト
- リース・ウィザースプーン
- ケリー・ワシントン
- ジョシュア・ジャクソン
- ローズマリー・デウィット
- ジェイド・ペティジョン
- レクシー・アンダーウッド
- メーガン・ストット
- ジョーダン・エルサス
- ギャヴィン・ルイス
リトル・ファイアー彼女たちの秘密の感想と評価
セレステ・イングの同名小説を基にした、白人家族と黒人家族のバトルを描いた家族ドラマ。
幸せな白人家族の生活によそ者の黒人家族が入ってきたことで、それぞれの人生の歯車が狂っていく様子をつづっていきます。
冒頭でラストのクライマックスシーンである火事の場面を見せて、一体なぜ火事が起こったのかを8エピソードに渡って振り返っていく作りになっています。
家が燃える様子を家族の崩壊と重ね合わせていて、幸せなはずの家族がどのようにして崩れていったのかが焦点となります。
本題に入っていくまでにかなり時間のかかるスロースターターなシリーズですね。エピソード1を見ただけではなんの話なのか全く検討がつきませんでした。
そしてエピソード2、3、4、5,6、7、8と全部見ても結局最後までしっくり来ませんでしたね。
その最大の原因は人種や格差社会をはじめ、母親とはなにか、幸せな家族とはなにか、といったように多くのテーマをごちゃごちゃに詰め込んだことにあります。
それも全ての出来事はわずか3か月ほどのスパンで起こったことになっていて人間関係や物事の進展の仕方が不自然なほどスピーディーです。
3年ぐらいの出来事ならまだしも、黒人家族が引っ越してきて、大してお互いのことを知らないうちに白人家族にメイドとして雇われ、子供たちはあっという間に親友になって、そうかと思ったら喧嘩して絶縁して、挙句の果てには裁判が開かれて、といったようにノンストップでハプニングが展開していく様子にはリアリティーを感じませんでした。
理想的なコミュニティであるはずのシェイカー・ハイツで、あんなに毎日トラブルが起こるのかよって思いましたね。
親権訴訟が起こった辺りで、テーマがブレブレになりました。黒人と白人の人種問題だけで行けばいいのにそこになぜかメインキャラのエレーナとミアとはおそよ関係のない中国人母による親子ドラマが入ってくるのはノイズでしかなかったです。
ミアは自分の過去との共通点から中国人母を全面サポートするんですが、中国人のこともバイト先で数か月前に知り合ったばかりなのに裁判費用を全額肩代わりするとかありえないじゃないですか。あんなことするなら世の中の親権訴訟に全部首突っ込まないといけなくなるじゃん。
なにかとアメリカ人が他人に干渉する、おっせかい設定になっているのも嘘っぽいですね。アメリカ人って基本ドライな個人主義者だし、あんなふうによその家の問題にわざわざ介入していかないでしょ。っていうかアメリカ人じゃなくてもしないよ、普通。
なんでミアの過去を知るためにエレーナが家族を残して一人でわざわざニューヨークまで飛んでアートスクールや新聞社を回って情報収集してるんだよって。暇人かよ。
肝心な人種絡みのシーンもステレオタイプの塊みたいなエピソードばかりで、ミアが初っ端から不愛想で感じが悪いのがまず意味不明です。あんな不愛想な奴、誰が雇うんだよ。
エレーナの娘と付き合ってる黒人の男の子もやたらと白人を敵対し、なにかと人種問題に絡める理由がちっとも伝わってきませんでした。
あそこまでコンプレックスを抱えているなら、それなりに経緯を説明しないとすっきりしないですよね。なのにミアの過去の話はしょうもない出産エピソードに終始していて現在とのリンクが薄かったです。
というか過去の回想シーンはもれなく現在との関連性が薄く、だからなによ?的なものばかりでしたね。エレーナや中国人の若かりし頃の話とかどうでもいいじゃん。
一方で突っ込みどころ満載なストーリーをキャストのハイレベルな演技がカバーしているようなところがあって、文句を言いながらも最後まで見れちゃいましたね。
メインはエレーナ役のリース・ウィザースプーンとミア役のケリー・ワシントンの口喧嘩で、二人がする不機嫌かつ不愉快な表情がたまらないです。途中から喧嘩するのが快感でわざといがみ合ってるのかなって思えてきて笑えます。あんなに嫌いだったら会わなきゃいいだろうよ。
また、二人を支える脇役の子供たちもみんな上手で、演技が上手いと滅茶苦茶な物語もそれなりに形になるんだなぁ、と思わされました。
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