複数のプロットと設定を混ぜたせいで、中途半端な出来になったエセパンデミック映画。ストーリーは退屈で、映像はしょぼく、褒められたもんじゃないです。22点
12モンキーズのあらすじ
1996年に拡散したウイルスによって世界の人口の大部分が絶滅し、生き残った人間は地下での生活を強いられていた。
ウイルスを世界に撒いた犯人は12人のテロリスト軍団、12モンキーズだと考えられていた。そこで囚人ジェームズ・コールは恩赦を得るために2035年の現在からウイルスが巻かれる前にタイムスリップし、純粋なウイルスを持ち帰ってワクチンの製造に役立てるミッションを科学者たちから課される。
その頃ジェームズ・コールは空港で男が射殺される現場に出くわす幼い自分の悪夢を見てはうなされるようになっていた。
手違い遭ったのかジェームズ・コールが科学者たちに送られたのは1996年ではなく、1990年だった。彼は逮捕され、精神病院に送られた。そこで精神科医のドクター、キャサリンと出会う。
ドクター・キャサリンは初めて会うにも関わらずジェームズ・コールとどこかで会ったような気がした。最初はドクター・キャサリンはジェームズ・コールのことを妄想癖のある精神病者としてか思っていなかった。
ところがある日、精神病院を脱走しようとしたジェームズ・コールを捕まえ、独房に入れると、いつのまにかジェームズ・コールは窓もないその部屋から姿を消していた。
ジェームズ・コールはそこから2035年の現在に戻っていったのだった。そして再び1996年に送り返される。1996年の世界でジェームズ・コールが頼ったのは自分を知るドクター・キャサリンだった。
講演会を終えたドクター・キャサリンの車に忍び混み、ジェームズ・コールは彼女を脅して、フィラデルフィアに向かうように言った。フィラデルフィアには12モンキーズのアジトがあるらしかった。
ドクター・キャサリンは6年前に独房から姿を消してジェームズ・コールとの再会を不思議に思った。そして傷を負った彼の脚から第一次世界大戦で使われた銃弾が出てきたのをきっかけに彼が本当にタイプスリップしてきたことを信じるようになっていった。
やがてジェームズ・コールとドクター・キャサリンは、12モンキーズのアジトを突き止め、彼らが企んでいることを阻止しようとするが、、、、、
12モンキーズのキャスト
- ブルース・ウィリス
- マデリーン・ストウ
- ブラッド・ピット
- クリストファー・プラマー
- デヴィッド・モース
- ジョン・セダ
12モンキーズの感想と評価
読者の足の裏さんのリクエストです。ありがとうございます。
「ゼロの未来」、「未来世紀ブラジル」、「ラスベガスをやっつけろ」などで知られるテリー・ギリアム監督の退屈なSFドラマ。2015年に公開された同名ドラマシリーズの元ネタです。
難解なストーリーや多くの伏線があることから、一部のファンからカルト的な評価を受けている作品です。
しかしながら実際のところは未来やパンデミックの世界を映像的に再現しているとはいいがたい、SFの醍醐味を感じられない駄作です。
この映画の最大の問題点は、ループ、パンデミック、タイムスリップの3つを掛け合わせてしまったところにあります。
ループものってただでさえ見ていて面倒臭くなる要素が満載なのに、そこにタイムスリップを絡めて、さらにパンデミックの世界を描こうとしているところにかなり無理があるなぁと感じました。
「人類のほとんどが死滅し、生き延びた人々は地下で暮らすことになった」というプロットは興味深いです。しかしながら地下での生活ぶりにはほとんど時間が割かれず、結局のところは囚人のジェームズがウイルスをまき散らした犯人を過去に戻って阻止しに行くのをメインのストーリーにしてしまったのが残念でなりませんね。
結局、パンデミックを扱っているようでやっていることは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のプロットと同じだからね。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にはエンタメ性が強いけど、これにはそれがないんですよね。
また、序盤から終盤にかけて散々謎のテロ集団「12モンキーズ」をキーワードに彼らを追いかけていたのにも関わらず、それがただのミスリードでしかなかった、というオチは最悪ですね。
12モンキーズがただの餌だったらそれまでのエピソードが水の泡だし、いっそのことタイトルも変えないと。絶対響きの良さで決めてるよね、このタイトル。
新犯人もしょうもないし、ラストがジェームズのループシーンで終わることぐらい簡単に予想がつくし、正直どこを楽しんでみればいいのか分かりませんでした。
また、こういうつまらない映画に限って、ヨハネの黙示録などお馴染みの宗教引用ネタが散りばめられているのも寒いです。この手の要素がちょっと入ってるだけで、深いと勘違いする視聴者が多いのもベタだなぁ。無宗教の奴らに限って、宗教ネタで興奮するという皮肉といったらないですね。
さらにジェームズ・コールを妄想癖のあるキャラクターとして描写しておくことで、実は全部妄想だったとか、想像だったとか、という解釈の隙間を残しているのも見え見えで、僕にはただのあざとい映画にしか思えなかったです。
そして俳優たちもブルース・ウィリスしかり、ブラッド・ピットしかり、みんな大したパフォーマンスをしていないのがこの映画をさらにつまらなくさせています。
特にブラピの精神異常者の演技はわざとらしくてダメダメでしたね。
コメント
これの元ネタが『ラ・ジュテ』というフランス映画。
そっちの方は30分という短さで、しっかり纏まってて良いですよ
オススメ!
おすすめありがとうございます。
大好きな映画でいつかレビュー聞いてみたいなぁと思ってたんですが、ケチョンケチョンですねw
映画館でヒッチコックの「めまい」を上映しているシーンがラストで明かされるミスリードの伏線になっている構成がすごく好きなのですが(「めまい」もミスリードで有名な映画ですから)、ブラッド・ピットの演技が大袈裟なのは全く持って同感です。どちらかというとストーリーに魅入りました。詰め込み具合は鑑賞中は気にならなかったですが、客観的に考えると描いている題材が多すぎるかもしれませんね。
題材が多すぎましたね。もうちょっとシンプルな話にしたら、面白かったかもしれませんね。
普通に面白かったけどなー
年間何百本映画観てる人ってプライド高すぎて逆に一般的な評価出来なくなってる説あるよね
好き嫌いの問題で、プライドは関係ないと思いますよ。
そういう意見もある
この映画については、マデリンストウがすっげえ美しかったのと音楽が特徴的だったのと、ブルースウイルスが蜘蛛を喰ってしまったことが、今、思い出されることですね。
幼少時に観た「子供向け」映画なのですが、何気にこの監督のベスト作品は「バンデッドQ」なのではないかと?
この監督の他作品の殆どが、何というか監督本人の「頭良く見られたい」願望みたいなのが透けて見える気がします。
そういえばゼロの未来もこの人でしたね。苦手な監督です。
こんにちは。
監督がテリーギリアム、人気爆発だったプラピ、当時ヒット作ばかりのブルース。
看板でヒットしたとか思えない作品でした。
個人的にテリーギリアムは監督にゃ向いてないと思う。二番煎じの作品ばかりだし、確実にオリジナルより劣化した物ばかり。素直にモンティパイソンやってくださいって感じ。
看板でヒットしたっていうのはあるでしょうね。
誤字だらけの奴が物事を批判するな。
誤字があったら教えていただけたらありがたいです。
子供の頃にこの映画を観て強烈なインパクトを受けたことを思い出しました。「人類が自らを滅ぼす様」の危険さと滑稽さが、ブルース・ウィリスの皮肉っぽい演技とあいまって、なんとも言えない絶妙な映画体験だったと記憶しております。ポピュリズムが危険視されている今こそ、観たらまた考えさせられるかも。
もう一度見たらまた違う印象受けるかもしれませんね。
私はよかったと思いますね。
好きな映画ベスト5に入ります。
演出などドキドキでしたよ。
ただ、無名俳優でよかったんじゃいかなと思います。
好きな人も多いんですねぇ。はまる人にははまるのかな?
2020年の今にこの設定のもの見てつまらないって言われてもな笑
好みは人それぞれだから批判は大いに結構だと思うけど、他人が作った映画にケチつけるより20点の映画作る方が何十倍も難しいということを踏まえて映画人へのリスペクトを持って批評して欲しい
この手のレビューを見ていて、役者の演技がわざとらしいとか下手とかって評価は結局は見る人によって大きく変わるもんなんだなって思う。筆者さんにとってこの映画は終始つまらない物だったから役者の演技(もしくは演出家?)まで悪く見えるんでしょうね。私はこの映画は面白かったしブラピの狂人の演技やブルースの精神的に弱ってく演技は良かったと思います。数十億のギャラの役者が演技が下手だとは思えませんし、演出家も優秀な人でしょう。下手とか大袈裟に感じたのならば、映画自体面白くなかったという点も考慮すればそもそも監督の演出が気に入らないのでしょう。
また、宗教の引用は無宗教の人間よりもむしろキリスト教徒の受けを狙って行っているんだと思います。わざわざアメリカ人が無宗教の日本人を狙って聖書の引用を行うとは思えません。キリスト教徒には黙示録の引用等が普段慣れ親しんだキリスト教文化的なもので分かり易いんでしょう。それを無宗教の日本人がみるとただカッコつけてるだけで寒く感じるのかと。
映画のタイトルって割と何でもよい場合が多くて日本公開時に原題からかけ離れたタイトル付けられる映画も多いですからね。だから響きが良いだけでタイトル決めたってのも割と正解かと。
演技、演出はそれぞれの好き嫌いですからね。
こんにちは
メッタ斬りですね。
同じ映画を観ているはずなのに感想がこうも違うと摩訶不思議。ひとそれぞれなんだなと改めて思いました。
うーたんさんと同じく
私もベスト5に入るくらい好きな映画なんですよ。
後を引く映画です。
(なので小説も読みましたし、ドドラマも観ました)
あの空港での緊迫した場面で、「もぉ~なんとかならないの~」と毎回悲しいやら切ないやら
ブラピの大袈裟な演技は…初めて観たとき「こいつかこの狂人が人類を滅亡させるんだなぁ!…うわなになんで退院させちゃってんのさ!出すな入院させとけって」と思ったぐらいの丁度良い塩梅だったと記憶してます。
この映画のこの後どうなったんだろ?って感じが、たぶん好きでいろいろな空想をしながら、ついまた観てみたくなるのだと思います。
ベスト5ってなかなかの上位ですね。刺さる人には刺さるんだなぁ。
そうですね
どういうオチだったら良かったとか
どういう演技だったよかったとか
どうやったら面白くなったのかを
書いてくれると参考になります。
この映画に対してでなく、こちらのレビューを読んで感じたことになりますが、映画は映画館で観るものでは無くなった世代がこれから人口の大部分を占めていって、パソコンやテレビで簡単に映画をポチってちっぽけな画面で映画を観ていくんだなぁと思うと、映画の未来に危機感を感じます。
やはり、多くの映画は映画館で観るために作られているものだから、映画館で体験したいと思います。中には内容の割に高いと感じるものもありますが。
この映画は、ラ・ジュテが面白いと感じなければ、面白くはないでしょうね。
久々に見たけど、面白かった。