終始うじうじしたヒロインと、終始内股歩きの青年が、終始しぶい顔をしたおっさんと交差するようで全く交わらない話。とにかくつまらないです。10点
映画「楽園」のあらすじ
ある日、長野のY字路で女児のあいかちゃんが行方不明になる事件が起こる。その直前まで友達の紡は、あいかちゃんと一緒にいたことで自分に責任を感じてしまう。
12年後、紡は地元の祭りの準備に取り掛かっていた。家に帰る道中、紡は外国人の青年、豪士の車とぶつかりそうになったことをきっかけに彼と仲良くなっていく。
ところが祭りの当日、同じY字路で再び少女が行方不明になったことで村人たちから豪士に疑いの目が向けられた。
映画「楽園」のキャスト
- 綾野剛
- 杉咲花
- 佐藤浩市
- 村上虹郎
- 片岡礼子
- 黒沢あすか
- 石橋静河
- 根岸季衣
- 柄本明
映画「楽園」の感想と評価
「友罪」、「最低。」、「64-ロクヨン」など中身のない雰囲気映画しか作れない瀬々敬久監督による長野の村社会を舞台にした群像劇。吉田修一の「犯罪小説集」の映画化です。
偏見に満ちた描写と、複数の殺人事件をごちゃ混ぜにしたストーリー、もったいぶった演出、見所を全て後半部に持ってくるセンスのなさなど、いいところがほとんど見当たらない駄作です。
ダメなところをざっと挙げるとこんな感じでしょうか。
- テンポ悪すぎ
- 視点がコロコロ変わりすぎ
- 時間軸がコロコロ変わりすぎ
- 場所が東京なのか長野なのか不明
- 無駄なシーンが多すぎる割に大事なシーンを見せなさすぎ
- 豪士の母、中村洋子(黒沢あすか)の片言の日本語が下手すぎ
- 田中善次郎(佐藤浩市)と黒塚久子( 片岡礼子)の絡みがいらなすぎ
テーマは「友罪」と同じく贖罪でしょうか。あるいは人間の持つ二面性を描いているような気配もあります。
友達が行方不明になったことを、大人になってもうじうじ悩んでいるヒロインの紡、行方不明事件の犯人だと疑われている外国から母親に連れてこられた青年の豪士、そして村八分にされた養蜂家、善次郎の三人を軸にストーリーは進んでいくんですが、色んなエピソードを詰め込みすぎてとにかくまとまりがないです。
ぶっちゃけ養蜂家、善次郎のエピソードは全部カットしてもいいぐらい不必要ですね。女児誘拐事件と関係ないじゃん。なんであそこに全く別の凶悪事件を絡めちゃうのよ。あのY字路の周辺だけで、何回悲惨な事件起こるんだよって。
テンポの悪さは、無駄なシーンの多さが原因でしょう。冒頭では中村豪士の母親がやくざに暴力を振るわれるシーンから始まりますが、あれもいらないです。
序盤から中村豪士を演じた綾野剛が、わざとらしい内股歩きをずっとしていて、そっちに気を取られて、ストーリーが頭に入ってきませんでした。
長野県には警察が存在しないのか、公衆の面前で男が女性を殴っても事件にならないし、村人が勝手に人の家のドアを蹴り破って室内に侵入してもお咎めなしなんですね。
いちいち人物描写が極端で、長野県民を基本みんな悪者に描いているのが笑えます。事件が起きたら、証拠がなくても誰かの責任にしたり、都合が悪くなるとよそ者を村八分にしたり、まともな人間が一人もいないじゃないですか。長県民は切れていいと思いますよ。
また、無駄や極端な描写が多いにも関わらず、なぜか大事な部分はあえて見せない理由が理解できませんでした。
二人目の少女行方不明事件の扱いが小さすぎるし、豪士の焼身自殺のシーンを祭りの炎に置き換えちゃってるし、養蜂家、善次郎の虐殺も事件後の出来事しか見せないし、ドロドロした凶悪事件の末路を描いているくせに、事件発生時の様子を伝える気はないんですね。
その辺をあやふやにしているから登場人物の怒りや不安や罪悪感といった様々な感情が伝わってこないし、感情移入もできないんですよ。
ストーリー構成の下手さは笑っちゃうレベルですね。話がぶつ切りだし、前回のエピソードから何年経ったのか、今どういう状況なのか、どこにいるのかが分かりにくいです。
例えば突然、紡や紡の友達が東京にいたりして、なんでだよってなるもん。長野と東京の距離感を全然表現できてないんですよね。
基本俺様の映画はファンたちに何回も見てもらえると勘違いしてる監督が作ってる編集の仕方ですよね。自分のことデヴィッド・リンチかなんかとでも思ってるの?
結局のところ豪士の母、中村洋子はどこの出身だったんですか?韓国人っていう設定なのかな? それなら韓国人女優を起用すればいいじゃないですか。なんであんなアホみたいな嘘っぽい片言日本語喋ってるんだよ。ひどいな。
もっとひどかったのが、佐藤浩市と片岡礼子による温泉での絡みのシーンですね。皮肉にもあのシーンが一番印象に残りました。
おっさんおばさんのベッドシーンになんの意図があったのか。あれを見て誰が得をするのか。それこそがこの映画の最大のミステリーじゃないでしょうか。
それもちゃんと最後までやらず、途中で中断する中途半端さといったらないです。あんな終わり方したら普通二度と会わないでしょ。温泉のお湯に頭付けて土下座されてもね。
いわばあのベッドシーンがこの映画の全てを象徴しているようでもありましたね。一事が万事、チラ見せかよ。
コメント
もう、何から何まで激しく同感しました。この作品が誰にどうか評価されてるのかは、全くわかりませんが、ラスト30分位で「無茶苦茶やな〜、なんもわからん。ひょっとして、俺はアホなのか?」と、自分の頭の悪さ、情緒欠損を不安に思いましたが、終わってみて、「いや、やっぱりおかしい!でも、他の人の感覚も照合したい!」と、思い、評価サイトで、数十のコメントみたら、7〜8割は肯定的なんだけど、なんとなく「エセインテリ」を装った感じのコメントが多かったので、個別のブログを見て回ってました。
おっしゃってるコメントは極めて的確だと思いました。まさに私の感じたこと100%を代弁いただいてます。スッキリしました。
スッキリしていただいて嬉しいです。
田舎の嫌なところを凝縮したような映画やった。
結局何が言いたいんか分からん、アイカちゃんの祖父?も紡に
なんで生きてるん?みたいな事言うし
それに対して、え?私カンケーあらへんし!!
みたいに言い返せばスカッとするけど、
なんやか、私が悪いみたいな態度やし
佐藤浩一を村八分にした奴らも、しょーもないジジイばかりやし。
そりゃ過疎化になるわな、私やったらいくら笛吹がおらんくても帰らんわー
結局作者は、田舎で村八分にされた人らは何やるか分からんでーって事言いたかったんか?
ほんと、言いたいことが意味不明でしたね。
全く時間の無駄でした。
むしろ、長野県を舞台にした「ミッドサマー」のパロディーにした方が面白かったかも。
原作は面白いのに監督の思想が入りまくりで単なる出汁にされてました。ヘブンズストーリーと同じ主題が見え隠れしてましたね…一番謎だったのはすごい難病ぽかった友人、あっさり退院て、何がしたかったんだ?
ヘブンズストーリーもそんな内容なんですね。
一家惨殺事件の生き残りの女の子と、
妻子を少年に殺された男性と、
殺して出所した少年と、
殺し屋の話です。
5時間あります。
今の超豪華キャストなのであまさんプライムで観ました。
【 感想 】
全ておっしゃる通りでスッキリしました。
原作、キャスト頼みというか……
とにかくテンポが悪く重すぎる。
「重い」と「重厚」は違います。
最近、小説を読まないのでサスペンスというと「東野圭吾さん」ぐらいしか知りませんが…….。
流行作家なのでしょう。
64の監督と聞いて「あ~~~なるほどねぇ…….」
これだけのキャスティングのギャラが無駄ですわ……。
【兎にも角にも刺さらない映画…….】
ありがとうございました。
重いだけで、何も刺さらない映画ですね。
主さんや上コメさんのような、たぶん田舎者の方には嫌な映画かもしれませんね><
都会から出たことがない私はニュースの記憶と重ねながら都会からの認識として楽しめましたが^^;
おなじく。シンプルに何が面白いの?でした
映画男さんは観たかどうかわかりませんが「悪人」「怒り」が面白かったので、「まじで吉田修一の原作か?どうした?」でした。
風呂セックスシーンはほんまいらん。絵面も汚いし、
風呂でいちゃつくのは若い者同士でものぼせるので、高齢の二人だと心配になっちゃう。
この女優を知らなかったのですが、かなりの「立ち耳」ですよね。おかげさまでおなじような耳の女性が苦手になりそうです。
同感です。インパキHuluで見終わって酷すぎると思って考察見てたらここに辿り着きました。開始1.5時間見た辺りで「さっぱり意味分からん」と笑ってしまいました。最後30分で怒涛の展開系か?と思って最後まで見ましたがやっぱり意味不明でした。近年稀に見る駄作です。綾野剛と佐藤浩市の無駄遣いです。
意味分からん邦画多いですね