今年もまたアカデミー賞の季節がやってきました。まもなく開催される授賞式を前に主要部門の作品を全部見た僕が、受賞する作品および俳優たちを予想していきたいと思います。
作品賞
ノミネート作品はこちら。
- 1917 命をかけた伝令
- フォードvsフェラーリ
- アイリッシュマン
- ジョジョ・ラビット
- ジョーカー
- ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語
- マリッジ・ストーリー
- ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
- パラサイト 半地下の家族
結論からいうと、僕は「ジョーカー」が獲ると思っています。なんでって見たら分かるでしょ? 「ジョーカー」見ましたか? むしろ「ジョーカー」じゃなかったらどれが獲るんだよっていう話じゃないですか。
確かに「1917 命をかけた伝令」や「パラサイト 半地下の家族」は強敵となるでしょう。でも一つの作品として考えたとき、「ジョーカー」の完成度、芸術性には及ばないと思います。
鑑賞後に残るフィーリングがほかの作品とは違うんですよね。アメコミ映画の枠を飛び越え、芸術作品へと昇華した瞬間を目の当たりにしたあの感覚ね。
というわけで作品賞の予想は「ジョーカー」。
ー追記ー
結果は「パラサイト 半地下の家族」でした。
主演女優賞
ノミネート女優はこちら。
- シンシア・エリヴォ『ハリエット』
- スカーレット・ヨハンソン『マリッジ・ストーリー』
- シャーリーズ・セロン『スキャンダル』
- レネー・ゼルウィガー『ジュディ 虹の彼方に』
- シアーシャ・ローナン『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
今回主演女優に関してはそれほど難しい選択にはならないはずです。というのもおそらくスカーレット・ヨハンソンとレネー・ゼルウィガーの一騎打ちになるからです。
そういえばさっき気づいたんですが、スカーレット・ヨハンソンって助演女優賞にもノミネートしてるんですね。すごくないですか? おそらくこれはどちらかで彼女が受賞することを暗示していると思います。
もし主演女優賞を受賞できなかったら、助演女優賞を獲るでしょうね。今まで僕はスカーレット・ヨハンソンのことは大根役者だと思ってたんですが「マリッジ・ストーリー」の演技で、考え方が180度変わりました。演技ってあんなに上手くなるんだぁって思いましたもん。
それぐらい本作でのスカーレット・ヨハンソンの演技は拍手喝采ものでした。一方レネー・ゼルウィガーも悪くなかったんですが、いかんせん作品自体はまあまあの作品なので、あそこから受賞者が出るのは相応しくないなと思っています。
というわけで主演女優賞はスカーレット・ヨハンソン。
ー追記ー
結果はレネー・ゼルウィガーでした。
主演男優賞
ノミネート俳優はこちら。
- アントニオ・バンデラス『ペイン・アンド・グローリー』
- レオナルド・ディカプリオ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
- アダム・ドライバー『マリッジ・ストーリー』
- ホアキン・フェニックス『ジョーカー』
- ジョナサン・プライス『2人のローマ教皇』
この中だと、アダム・ダライバー、ホアキン・フェニックス、ジョナサン・プライスのどらかになるでしょう。アントニオ・バンデラスとディカプリオは論外です。
三人の中だと誰が獲ってもおかしくはないですが、やはりホアキン・フェニックスが一人だけ抜きんでてるでしょうね。今回受賞できなかったら、むしろじゃあどんな演技をしたら獲れるんだよって話になりますよ。
それにホアキン・フェニックスが受賞しても誰も異論はないんじゃないかな。というわけで主演男優賞はホアキン・フェニックス。
ー追記ー
結果はホアキン・フェニックスでした。
助演女優賞
ノミネート女優はこちら。
- ローラ・ダーン『マリッジ・ストーリー』
- スカーレット・ヨハンソン『ジョジョ・ラビット』
- フローレンス・ピュー『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
- マーゴット・ロビー『スキャンダル』
- キャシー・ベイツ『リチャード・ジュエル』
今年の助演女優賞ははっきり言ってレベルが低いと僕は思っています。正直この中で一人も印象に残る女優はいませんでした。
スカーレット・ヨハンソンは「マリッジ・ストーリー」でこそ良かったけど、「ジョジョ・ラビット」でのノミネートはないよなぁ。ほかにいなかったのかなぁ。
キャシー・ベイツにしても、お母さんの泣き演技しかしてないし、ローラ・ダーンもただの嫌味な女だっただけで、平凡ですよね。
強いて甲乙をつけるなら、マーゴット・ロビーかな。というわけで助演女優賞はマーゴット・ロビー。
ー追記ー
結果はローラ・ダーンでした。
助演男優賞
ノミネート俳優はこちら。
- トム・ハンクス『幸せへのまわり道』
- アル・パチーノ『アイリッシュマン』
- ジョー・ペシ『アイリッシュマン』
- ブラッド・ピット『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
- アンソニー・ホプキンス『2人のローマ教皇』
助演男優賞もそれほど印象に残らない人ばかりの名前が並んでますね。
アル・パチーノもジョー・ペシもそれぞれ「アイリッシュマン」でいい演技したけど、アカデミー賞あげるほどかといわれると疑問が残ります。ブラッド・ピットとトム・ハンクスはもっと印象が薄かったです。
となると、消去法で考えると、アンソニー・ホプキンスかな。アンソニー・ホプキンスのローマ教皇役は良かったですもんね。
というわけで助演男優賞はアンソニー・ホプキンス。
ー追記ー
結果はブラッド・ピットでした。
監督賞
ノミネート作品はこちら。
- ポン・ジュノ『パラサイト 半地下の家族』
- サム・メンデス『1917 命をかけた伝令』
- マーティン・スコセッシ『アイリッシュマン』
- クエンティン・タランティーノ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
- トッド・フィリップス『ジョーカー』
この部門はどれが獲ってもおかしくないだけになかなか選ぶのが難しい部門です。唯一、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』はないんじゃないかと僕は思っています。
そのほかの作品は全部素晴らしいレベルなので接戦になるでしょう。ただ、『パラサイト 半地下の家族』にアメリカ人がアカデミー賞をあげるほどお人よしじゃないと思うんですよ。やっぱりハリウッド作品から選ぶんじゃないかなぁ。
となると、作品賞がジョーカーの可能性が高いだけに、ここでは「1917 命をかけた伝令」が獲るんじゃないかと思います。撮影の仕方すごかったしね。
というわけで監督賞は「1917 命をかけた伝令」。
ー追記ー
結果はポン・ジュノでした。
脚本賞
ノミネート作品はこちら。
- ノア・バームバック『マリッジ・ストーリー』
- クエンティン・タランティーノ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
- ポン・ジュノ&ハン・ジンウォン『パラサイト 半地下の家族』
- サム・メンデス&クリスティ・ウィルソン=ケアンズ『1917 命をかけた伝令』
- ライアン・ジョンソン『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』
ここにも「パラサイト 半地下の家族」が入ってるんですね。なんなんだろう、今年のポン・ジュノ推しの流れは。それなら去年だって「万引き家族」がもっとほかの部門でもノミネートしてても良くないか?
でもきっとここでも「パラサイト 半地下の家族」は受賞しないと僕は思っています。
この中だと、「マリッジ・ストーリー」か「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」じゃないかな。
ただ、脚本の繊細さで言ったら、断然「マリッジ・ストーリー」でしょうね。というわけで、脚本賞は「マリッジ・ストーリー」です。
ー追記ー
結果はポン・ジュノ&ハン・ジンウォン『パラサイト 半地下の家族』
長編アニメーション賞
ノミネート作品はこちら。
- 『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』
- 『失くした体』
- 『ミッシング・リンク』
- 『トイ・ストーリー4』
- 『クロース』
毎年アニメ部門は本当に世界各国の作品から選んでるのかよってぐらい有名どころの作品ばかりが出てきますよね。
どれもまあまあな作品でしたが、まあこんな中なら、『トイ・ストーリー4』か『クロース』のどちらかになるでしょうね。
ディズニーが力を持っていることを考えると、『トイ・ストーリー4』かな。というわけで、アニメーション賞は『トイ・ストーリー4』。
ー追記ー
結果は『トイ・ストーリー4』でした。
国際長編映画賞
ノミネート作品はこちら。
- 『レ・ミゼラブル』(フランス)
- 『ハニーランド永遠の谷』(北マケドニア)
- 『聖なる犯罪者』(ポーランド)
- 『パラサイト 半地下の家族』(韓国)
- 『ペイン・アンド・グローリー』(スペイン)
色々な作品がありますが、散々「パラサイト 半地下の家族」を推しておいて、ここで獲らせないことはないんじゃないかな。もうそういう雰囲気でしょ。
まあ、作品だし、この中から選ばれたなら誰も文句を言う人はいないんじゃないかな。別に僕はほかの部門を獲ってもいいと思うけど、おそらく妥協策としてこの部門の受賞になるんじゃないでしょうか。
というわけで、国際長編映画賞は「パラサイト 半地下の家族」。
ー追記ー
結果は「パラサイト 半地下の家族」でした。
長編ドキュメンタリー賞
ノミネート作品はこちら。
- 『アメリカン・ファクトリー』
- 『The Cave(原題)』
- 『ブラジル -消えゆく民主主義-』
- 『娘は戦場で生まれた』
- 『ハニーランド永遠の谷』
毎年、素晴らしい作品を紹介してくれるのがこのドキュメンタリー賞ですね。この部門も全作品鑑賞済みです。
今年は政治、経済、戦争、人間ドラマといった感じで様々なジャンルの作品がノミネートされていますね。
この中で選ぶのは難しいなぁ。ただ、「The Cave(原題)」と「娘は戦場で生まれた」がシリアの戦争映画ということで、やや内容がかぶってるんですよね。どちらかにすればいいのにね。
僕にとっては、「アメリカン・ファクトリー」と「ブラジル -消えゆく民主主義-」』が特に面白かったです。ただ、 『ブラジル -消えゆく民主主義-』はちょっとブラジル人以外には難しいかなぁ、伝わるかなぁ、という感じがしますね。
というわけでドキュメンタリー賞は「アメリカン・ファクトリー」。
ー追記ー
結果は「アメリカン・ファクトリー」でした。
まとめ
以上が2020年のアカデミー賞予想でした。毎年のことながら根拠は一切ありません。ただ、僕ならこれを選ぶよっていう話です。
今年は「パラサイト 半地下の家族」の扱いにちょっと注目したいですね。結果によってアカデミー賞がアジア映画を今後どう扱い、評価していくのかということの物差しになりそうだからです。
果たしてどうなるんでしょうか。
コメント
今年はほんと豊作の年だなぁ
パラサイトでしたね。
でしたね。
すごい4つも当ててる(っ´ω`c)
映画男さんじゃないとこんなあてらんないよ(っ´ω`c)
いや、外したほうが多かったです。
パラサイトが作品賞取りましたね。
正直、監督賞や作品賞はこちらのブログでの予想の方が
私はしっくりきますが。
韓国映画はかなり評価を高めていますね。
そもそもは国策として金大中の時に、アメリカに映画の勉強させに行かせたりとかして、相当力を入れたみたいなので、国がお金かけてるんですよね。
その点は日本と全く違う点です。
日本映画は政策委員会方式みたいなのやってるから、
ダメダメなのが多いと思います。
パラサイトが獲りましたね。韓国映画は日本映画と比べると、だいぶ先を行ってますよね。
パラサイトついに快挙で作品賞とっちゃいましたね!!
とっちゃいましたね。