なにが描きたいのかよく分からないゾンビ映画。ふざけて作ちゃった感が半端なく、ジム・ジャームッシュ監督にしてはかなり失敗しています。35点(100点満点)
デッド・ドント・ダイのあらすじ
ある日、のどかな田舎町センタービルの警察官であるクリフとロニーは、鶏がいなくなったという農家の通報を受けて出動する。すると、羽や皮をはがれた鶏を発見する。
最初は森で生活しているハーただ、ミットの仕業かと思ったが、彼を昔からよく知るクリフはまさかそんなわけがないと思い、警察署に引き返す。
その日は午後8時になっても日が暮れなかった。不思議なことに時計、携帯、ラジオなどがもれなく機能しなくなった。極性破壊によって地球の時点がおかしくなり、世界では異常事態が発生しているようだった。
その夜、地元のレストランで働くウエイトレスの二人は店を閉めて帰ろうとすると、突如として外からゾンビの大群が押し寄せてくる。それを皮切りにセンタービルはたちまちでゾンビで溢れていく。
デッド・ドント・ダイのキャスト
- ビル・マーレイ
- アダム・ドライバー
- ティルダ・スウィントン
- クロエ・セヴィニー
- スティーヴ・ブシェミ
- ダニー・グローヴァー
- ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
- ロージー・ペレス
- イギー・ポップ
- セレーナ・ゴメス
- トム・ウェイツ
- オースティン・バトラー
- エスター・バリント
デッド・ドント・ダイの感想と評価
「パターソン」などでお馴染みのジム・ジャームッシュ監督による、ゆるゆるコメディーゾンビ映画。
完全に遊んじゃっている映画で、メッセージ性やストーリー性は全くなく、ジム・ジャームッシュ監督の独特の間と雰囲気を感じるための作品です。
ジム・ジャームッシュ監督のファンじゃなければ見る必要はないし、たとえファンだとしても楽しむのは難しかもしれませんね。
僕はジム・ジャームッシュ監督が結構好きで、デビュー作の「パーマネント・バケーション」からさかのぼって、ちょくちょく彼の作品は見ています。
ただ、そんな僕でもこれはちょっと遊びすぎちゃったなぁ、という感じがして退屈に感じました。
やっぱりゾンビっていうのがダメですね。なんでゾンビ映画なんて作ったんだろう。監督がゾンビブームを皮肉っているのか、それともゾンビが好きなのか、ちょっと意図が読めませんでした。
ところどころクスクス笑えるシーンはあります。ゾンビがみんな一言何か言うところとかちょっと笑っちゃいました。コーヒー飲むゾンビとかなかなかシュールですね。
劇中にタイトルと同じ曲名の歌が流れ、警察官が「どうしてだろう。この曲、どこかで聞いたことあるような気がするんだけど」と聞くと、相棒が「だって(この映画の)テーマソングだもん」と答える下りがあったり、おふざけシーンが多々ありました。
また、「なんでこの先、バッドエンドになることを知ってるんだ?」という質問に「だって脚本を読んだから」というやり取りがあったり、物語の世界をあえて崩していくのを笑いにしていて、ほぼコントに近いものがありますね。
日本刀を操る金髪女性が出て来たり、UFOが登場したりとなんでもありで、特にオチをつける気もないみたいでした。
また、ジム・ジャームッシュらしい巧みな会話のやり取りがあるかといえば、そんなになく結局はゾンビに追い込まれていく街の住人と警察官を描いただけに過ぎないのが残念ですね。
それに対し、こんなふざけた映画なのにやたらとキャストは豪華なんですよね。ジム・ジャームッシュファミリーを勢ぞろいさせたかったのか、ビル・マーレイ、トム・ウェイツ、スティーヴ・ブシェミ、アダム・ドライバーなどが共演しているし、ミュージシャンのイギーポップやセレーナ・ゴメスまで出ているのには驚きました。
この脚本にこれだけの面子が揃うってやっぱり相当監督が尊敬されてるんでしょうね。特にイギーポップのゾンビ役はかなりはまっていました。彼に限ってはほぼメイクいらなかったじゃん。
どうせなら同じくファミリーの永瀬正敏と工藤夕貴も出演させて欲しかったです。ちなみに二人が出ている「ミステリー・トレイン」はかなりおすすめですよ。この映画はパスしてむしろそっちのほうを見てください。
コメント
駄作の「ゾンビランド2」が「名作」に思える程のツマらなさ。
登場人物が主題歌の事を口にする様なメタフィクション要素や、葬儀屋の日本刀女みたいなサブカル要素が凄い鼻に付く。
これは監督がかなり遊んじゃったという印象でした。