こんな話わざわざ映画にする?っていうどうでもいいストーリー。これで女の友情を描いているんだとしたら笑えます。3点(100点満点)
映画ハローグッバイのあらすじ
高校ニ年生の夏。はづきと葵は、同じクラスにいながらも友達ではない正反対の二人。「いつでも相談のるからね」「うちら味方だし」そんな言葉が飛び交う友達グループにいて、クラスでも目立つ存在のはづきと、それとは対照的にいつも一人ぼっちで、はづきたちに厄介事を頼まれては断れずにいる優等生の葵。
そんな二人には、それぞれ誰にも言えない秘密がある。はづきは元カレとの子供ができてしまったかもしれないことを一人悩み、葵は忙しくて家庭を顧みない両親への寂しさを紛らわす為に万引きを繰り返していた。
ある日の学校帰り、葵は一人の認知症のおばあさんとぶつかってしまう。そこを偶然通りがかったはづき。二人は道に迷ったおばあさんを家に一緒に送り届けることに。やがて、世代を越えた不思議な「友達」関係が始まる。
懐かしそうに、あるメロディーを口ずさむおばあさんが、想いを伝えられなかった初恋の人へしたためたラブレターを大切に持っていることをはづきと葵は知る。二人はそのラブレターを渡すため、おばあさんの初恋の人を一緒に探そうと決心する…。
公式サイトより
映画ハローグッバイのキャスト
- 萩原みのり
- 久保田紗友
- 渡辺シュンスケ
- 渡辺真起子
- 小笠原海(超特急)
- 岡本夏美
- 松永ミチル
- 望月瑠菜
- 桐生コウジ
- 池田良
- 川瀬陽太
- 木野花
映画ハローグッバイの感想と評価
読者のポリゴンZさんのリクエストです。ありがとうございます。
監督は「ディアーディアー」の菊地健雄監督。とにかく見どころがない学園ドラマです。
高校を舞台にいじめられている生徒と、いじめっ子グループの一人がひょんなことから行動を共にする話で、出てくるエピソードがいちいち寒く、リアリティーのかけらもありません。
会話はつまらないし、展開は少ないし、なんとなくきれいで悲しげなBGMをかけておけば雰囲気が出ていいでしょ、みたいなノリで作った映画です。
まず、タイトルが没です。「ハローグッバイ」ってビートルズの曲から取ってきたんですかね。村上春樹の「ノルウェーの森」みたいなノリで付けたのかな。
ストーリーもダメダメですね。いじめられっ子の葵といじめっ子のはづきは道端で痴ほう症のおばあちゃんと遭遇するんですが、最初はおばあちゃんがボケていることをいいことに二人はお金をだまし取ろうしたくせに、ある時からおばあちゃんの初恋の人に手紙を届けに行こうよ、みたいないい話に変わっていく様子に全くついていけませんでした。
痴ほう症の老人が銀行通帳を持っているのを見てATMまで連れて行き、お金を引き出そうとするなんて結構なレベルのワルですよ。
犯罪の中でもかなり卑劣な部類に入るし、ただの不良少女のやることじゃないです。
そんな倫理観の持ち主が途中から特に何のきっかけもなく、素直でいい子になっていく理由を何も用意していないんですよ。
かわいそうなおばあちゃんを見て助けたくなるぐらいの人間性を持っているなら、そもそも人の金や物を奪ったりしないから。
ストーリーの材料に使われているのが、いじめ、妊娠、万引きってどこの学生が考えたアイデアなんだろう。さらにその中に認知症のおばあちゃんをぶっこむってどんなセンスしてるんだよ。
女子高校生が知り合いでもないボケたおばあちゃんのこといちいち構いますかって話なんですよ。家族に任せておけって。
そんなの自分がティーネイジャーだった頃のこと思い出せば分かるじゃん。興味なかったでしょ、年の離れた大人になんて?
部活や恋やバイトや受験や遊ぶことに夢中になる年頃がなんでおばあちゃんに夢中になってるんだって。
あと、はづきが妊娠したっていうエピソードいらないですよね。あれで友達との微妙な関係を表現したかったんだろうけど、別に妊娠じゃなくてもいいしね。
妊娠したかもしれないっていう話を散々伸ばして、妊娠検査薬を使ったら陰性って。お願いだから陽性になってから騒いでくれるかな。私、妊娠したかも、を口癖にするなよ。
それぞれの女子生徒の内面も性格も全然描けていないし、キャラも薄いです。どうせなら、手の付けられないやりマンキャラとか、異次元のお金持ちのお嬢様キャラとか、極端な奴をいれないと。中途半端に悪くて、中途半端に優しい女子高生の話とか誰が見たいよ。
演技は悪くないんですが、かといって上手くもなかったですね。みんな無表情な顔してるだけで、感情の起伏がないから、伝わってくるものがないんですよ。登場人物がギャーギャー言うのも嫌だけど、かといって何も言わないのもねぇ。
どうでもいいけど、おばあちゃんの初恋の相手を探しに行ってちょっとイケメン風の息子が出てきたときには冷や汗が出ましたね。
だって息子がいきなり知り合ったばかりのおばあちゃんの前で手紙に書かれていたからってロマンチックな曲をピアノで引き出すんだもん。「この曲のことは父から聞かされてたんで」って嫌だなあ、そんな親子。
あの息子はおばあちゃんのことを狙ってたのか、それとも女子高生の前でいい恰好したかったのか、いずれにしてもあのシーンでジーンと来ちゃう人間が日本にたくさんいると思うと、僕は日本を出て正解だったと思います。
コメント
遅くなりましたが、僕のリクエストに応えていただきありがとうございます。昨年12月~1月まで米アカデミー賞のノミネート作品を中心に紹介していたので、正直言って紹介してくれないんじゃないかと思っていたのですが、『ハローグッバイ』がかなり酷評されててビックリしました。
この映画について補足すると、この映画の予告編を見たら分かると思いますが、根本的に『友情』をテーマにしたオリジナル作品です。所々はづきの友達が「私たちって友達だよね?」といかにもな感じで友情を確認する台詞があるのはそのためです。とあるインタビュー記事によると、菊地健雄監督は
当時現役女子高生だった主演の萩原みのりさんと久保田紗友さんが女子高生役で出演するという前提で映画が製作されたそうで、本来は女子高生ふたりが学校の中での人間関係を描こうとしていたようですが、オリジナル作品ならではのアレンジを加えるべく、映画のプロデューサーと映画の脚本を担当した加藤綾子さんと議論した結果、女子高生ふたりの間におばあちゃんを入れるというアイデアにたどり着いたとのことです。なので、おばあちゃんが初恋の相手に会いに行くという展開はそのためだと思われます。
あと、おばあちゃんの初恋の相手、または初恋の相手の息子を演じたのは、この映画では劇中の音楽を担当した渡辺シュンスケさんという人物です。この人は元々音楽家であり、『Schroeder-Headz』というソロユニットで音楽活動している人です。事実上の特別出演みたいな感じなので、映画男さんが初恋の相手の息子がピアノを弾くシーンに違和感を持ってもしょうがないのかもしれません。
質問なのですが、この映画の後半ではづきが葵が万引きしていることを知ったことをきっかけに、ふたりが葵の家で衝突するシーンに関してはどう感じましたか?個人的にはあのシーンは感情がこもっていたので結構良かったなぁと思ったのですが、いかがでしょうか?
喧嘩のシーンは全然ダメでした。髪の毛を引っ張り合って、ブラジャーがほどけるぐらいやってくれたらよかったけど。