頭のおかしい芸術家のイメージってこんな感じだよねえ、という薄っぺらい偏見とイメージを基にゴッホを描いた駄作。音楽と雰囲気でごまかそうとしているのが嫌です。25点(100点満点)
永遠の門 ゴッホの見た未来のあらすじ
幼いころから精神に病を抱え、芸術家仲間たちともうまく人間関係を築くことができず、常に孤独の中にあったゴッホ。唯一才能を認め合ったポール・ゴーギャンとの出会いと決別や、作品が世に理解されずとも筆を握り続けた不器用な生き方を通して、多くの名画を残した天才画家が人生に何を見つめていたのかを描き出す
映画ドットコムより
永遠の門 ゴッホの見た未来のキャスト
- ウィレム・デフォー
- ルパート・フレンド
- マッツ・ミケルセン
- マチュー・アマルリック
- エマニュエル・セニエ
- オスカー・アイザック
- ニエル・アレストリュプ
- ヴラジミール・コンシニ
永遠の門 ゴッホの見た未来の感想と評価
「潜水服は蝶の夢を見る」、「夜になるまえに」などで知られるジュリアン・シュナーベル監督による、ゴッホの生涯を描いた人間ドラマ。ウィレム・デフォーがこの作品でアカデミー賞主演男優賞にノミネートしています。
衣装丸出しの服を着た出演者たちが、セット丸出しの舞台で適当に演技をしている、安っぽい映画です。ストーリー性が薄く、雰囲気のある音楽を流して芸術路線に仕上げているのが鼻につきました。
同じゴッホの映画なら「ゴッホ最期の手紙」のほうが絵が面白いし、ストーリーがあるし、おすすめです。
それに比べてこの映画は、ゴッホが自殺を遂げるまでの人生最期の時期を表面的に描いているだけに過ぎず、お願いだからこれで内面を描いたとか言わないでもらいたいです。
舞台はゴッホが死ぬ直前に過ごしたフランス南部の田舎町。ゴッホといえばフランスのオーヴェル=シュル=オワーズばかりが話題になって、いい加減飽きますね。この町、絶対ゴッホ観光で成り立ってるだろ。ゴッホグッズとかたくさん売ってそうだもん。
「ゴッホが朝食を食べたのはこの場所でぇ、そんでもってゴッホが自殺したのはあそこですよー」などとガイドする人とそれを聞ききながら、さも分かったように頷いているアホな観光客の顔が目に浮かびます。
ゴッホの最期もいいけど、もっと幼年時代とか芸術家として活動し始めた初期の部分も見たいんですけどねぇ。最期ばかりを描くのはどうかと思うんですよ。
その割にはかの有名な「耳切り事件」のシーンもなぜかカットしてあり、事件後ゴッホ自ら事件を回想して振り返るみたいな演出にしてあるし、自殺のシーンも銃声だけが聞こえる甘っちょろい表現になっていました。
ゴッホの人生の終盤に起きた二大事件を省いてじゃあ何を描くよって話なわけで、彼がどれだけ孤独だったとか、精神を病んでいた部分にフォーカスする意図が分かりませんでした。
だって髭もじゃのおっさんが一人で草むらを駆けまわったりするところ見たいですか? あんなシーンに結構な時間を費やしていたからね。
草原を一人で走ったら孤独とか、自然を眺めて物思いにふけてたら哲学者、あるいは芸術家みたいなベタな描写いらないから。
おっさんと草むらを合わせたって、いい絵にならないのは想像したら分かるじゃん。映画の中で草むらを走って許されるのは可愛い子供くらいですよ。
ゴッホを演じたウィレム・デフォーも普通でした。可もなく不可もなくといった感じ。ウィレム・デフォーは「プラトーン」で見せた演技をいまだに越えられませんよね。あれ以上のパフォーマンスを出すのはこの先も無理かもしれませんね。
この映画をゴッホのファンが見たらどうなんでしょうかね。彼の有名な作品やそのモデルが映像として出てくるので、答え合わせ的に見るのかなぁ。
あ、この作品知ってる!という興奮は多少なりともあるのかもしれません。でも本当にそれだけです。本当に。
コメント
この映画は見てませんけど。。
フロリダプロジェクトのウィレム・デフォーの演技はすごく良かったと思ってます。
去年は助演男優賞、ぜひウィレム・デフォーにとってもらいたかったなぁ。
確かにフロリダプロジェクトの彼も悪くなかったですね。