ストーリーがろくに作り込まれていないB級ホラー。気軽に見れるのが唯一の救いです。30点(100点満点)
ドント・ヘルプのあらすじ
ある夜、強盗の3姉妹が上院議員の家を襲撃する。3人は議員夫婦を椅子に縛り付けてお金を持ち去ろうとするが、地下から奇妙な叫び声が聞こえてくる。調べに行くと、そこにはベッドに縛られた少女がいた。少女は上院議員の娘で、助けを求められた3姉妹は拘束を外すが……。
映画ドットコムより
ドント・ヘルプの主なキャスト
- マリア・エボリ
- バネッサ・レストレポ
- カーラ・アデル
- フラビオ・メディナ
- ガブリエラ・デ・ラ・ガルザ
ドント・ヘルプの感想と評価
「グリーン・インフェルノ」「ノック・ノック」の脚本家ギレルモ・アモエドが監督したメキシカンホラー。
話がシンプルなので見やすくていいものの、設定が雑すぎて怖いというより、バカっぽくなってしまった作品です。
ホラーはホラーでも密室ホラーとエクソシストホラーをミックスさせたもので、なんでそうなるのよ?という笑っちゃう展開ばかりで、怖がる暇もなかったです。
放題の「ドント・ヘルプ」って「ドント・ブリーズ」からパクってるんですかね。こんなネーミングで許されるなら「ドント・イート」とか、「ドント・ドリンク」とかなんでも良くなっちゃうじゃん。
物語は、美人三姉妹が金持ちの議員の家に強盗に入るところからスタートします。最初は誰も傷つけずに金庫の金だけを奪って逃げようという計画だったのが、金庫に目当ての金はなく、仕方なく議員の夫婦を力づくで拘束します。
夫婦は潔くお金を差し出しますが、長女のカミーラは不審な物音を聞いたため家中をくまなく見て回ります。すると地下室で手足を縛られている少女を発見。これがきっかけで計画が大きく狂い出します。
三姉妹には父親に虐待されていた過去があり、少女のことをそのまま見逃すわけにはいかず、強盗から一転、三人は少女を救出しようと試みるが、、、、、というのがストーリーの流れです。
ざっとストーリーを聞いただけでもプロットが穴だらけなのが分かるかと思います。まず、三姉妹は強盗のくせにマスクで顔を覆うこともせず、被害者の前でも平気で本名でお互いを呼び合ったりしているぐらいのプロ意識に欠ける人たちで、どれだけお前らは不用心なんだよって強盗に対して思うのはもしかしたら生まれて初めてかもしれません。
三人共若くて可愛いし、何から何まで強盗っぽさを出せてないんですよね。強盗を女性にしなければならなかった理由は、少女に対して自分たちのトラウマと重ね合わせたうえで強い同情心を抱かせるためなんでしょう。
でもそもそもそんなに情が強いなら強盗なんてするなよっていう話じゃないですか。議員の頭は平気で殴るくせに少女にだけ優しいのかよ。
人様の家に強盗に入ったはずが、いつの間にか少女を救い出すために戦う、正義の味方の強盗たちって一体なんなんでしょうね。あんな訳の分からない連中を見ていると、こっちの物差しまで狂ってきます。
ホラー要素の全てはその監禁されている謎の少女によるものなんですが、彼女がまた悪魔かなんかに取りつかれてて、その悪魔もまた何がしたいのかよく分かりませんでした。人に迷惑をかけたいのかな?
とにかく悪魔にかかれば人間が抱えるトラウマを再現し、恐怖と狂気のどん底に陥れることなど朝飯前なんだそうです。
その結果、悪魔に手玉に取られた強盗たちはもちろん、議員夫婦もまた次々と命を落としていく、という定番の皆殺しホラーになっていました。
ラストには最大の笑いのオチが待っていて、議員の家に悪魔祓いに来た枢機卿(すうききょう)が最後、ローマ法王になるっていうのには、たまげたね。
ローマ法王になるような人物が真昼間から個人宅にお祓いに行くって、カトリック教会ってそんなに暇なの?
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