映像が綺麗で、雰囲気もあるのにいまひとつ楽しくない中国映画。主演俳優はもっと走り込んだほうがいいです。30点(100点満点)
迫り来る嵐のあらすじ
1997年。中国の小さな町の古い国営製鋼所で保安部の警備員をしているユィ・グオウェイ(ドアン・イーホン)は、近所で起きている若い女性の連続殺人事件の捜査に、刑事気取りで首を突っ込み始める。
警部から捜査情報を手にいれたユィは、自ら犯人を捕まえようと奔走し、死体が発見される度に事件に執着していく。 ある日、恋人のイェンズ(ジャン・イーイェン)が犠牲者に似ていることを知ったユィの行動によって、事態は思わぬ方向に進んでいく…。果たして、ユィに待ち受ける想像を絶する運命とはー。
迫り来る嵐の感想と評価
ドン・ユエ監督による、雰囲気だけ一流の中国産サスペンス。なんか面白そうだなあ、という感じが出ているのに実はそれほど面白くない残念な映画です。
狙いとしては韓国映画の「殺人の追憶」のような路線を行こうとしていて、未解決事件の犯人を追う男たちの話です。
次々と狙われる若い女性。警察をあざ笑うかのような大胆で残虐な犯行に及ぶシリアルキラー。捜査線上に浮かぶ怪しい容疑者たち。あまりにも犯人捜しにのめり込んでは容疑者たちを拷問していく警備員の男。ね、「殺人の追憶」に似てるでしょ?
もしかしたらパクった可能性も十分にありますね。容疑者と主人公が鉢合わせして追いかけっこになったりする下りとかそっくりだし、犯人をあやふやにしているところなんかも連想させちゃいます。
どうせ似せるならクオリティーまで似せてくれればいいのにアクションシーンは迫力ないし、テンポは悪いし、スローすぎてドキドキワクワクの興奮がなかったのが失敗の原因でしょう。
特に会話がボソボソ、ノロノロなのがダメでした。もっと早く喋ろうよってなりますね。また、トロいのは会話だけじゃなくて、なぜか主人公の警備員の男が足が異常に遅いんですよね。
走り方は女の子みたいだし、犯人を追いかけるときの姿なんてむしろ可愛かったからね。乱暴な役柄なのにあんな身のこなし方じゃダメだろ。
警備員の男と売春婦のメロドラマもいらないです。あの警備員のどこに女のために床屋を借りてあげるお金があるんだよって話だし、二人のシーンに長いこと時間を割きすぎだから。
あと、警備員が恰好つけているつもりなのかほぼほぼ全登場シーンでタバコを吸ってるんですよ。あのわざとらしさも鼻につきます。もしかしたらタバコ会社がスポンサーしてるのかもなぁ。
最大の見せ場は犯人探しにヤケクソになった警備員が怪しそうな男を捕まえて拷問する下りでしょう。
しかしあそこも本来ならもっとエグい暴力シーンにしないと狂気が描けないのにソフトにしすぎたた感がありますよね。暴走した男の末路を見せるには全然物足りなかったです。
最大のミスは犯人を追うのが警察じゃなくて、逮捕権も何も持っていない警備員だということでしょう。
個人的に犯人に対する感情や復讐心があるのならまだしも何も関係ないからね。っていうかお前誰だよで話終わっちゃいますよ、これ。
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