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彼が愛したケーキ職人は芸術的バイセクシャル物語!感想とネタバレ

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この記事は 約4 分で読めます。

性別、人種、宗教を超えた大人の恋愛映画。他の視聴者の解釈や感想を聞きたくなる深い、深いお話です。69点(100点満点)

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彼が愛したケーキ職人のあらすじ

カフェでケーキ職人として働くトーマス(ティム・カルコフ)は、イスラエルから出張でベルリンを訪れる常連客のオーレン(ロイ・ミラー)と恋に落ちる。オーレンには妻と子供がいて、彼が仕事でベルリンにいる短い期間だけが彼らの時間だった。だが、ひと月後の逢瀬の約束をしてエルサレムの自宅に戻ったオーレンと連絡が取れなくなる。

シネマトゥデイより

彼が愛したケーキ職人の感想

オフィル・ラウル・グレイザー監督による、ベルリンとエルサレムを舞台にドイツ人とイスラエル人の奇妙な関係性を描いた大人の恋愛物語。海外でものすごい高評価を受けたイスラエル映画で、すでにハリウッドリメイクが決まっているそうです。

ホモセクシュアルドラマともいえるし、ヘテロセクシャルドラマとも考えられるし、そうかと思えばバイセクシュアルになったり、文化、宗教などにも触れている、なかなか斬新な内容に仕上がっていました。

演技は自然で、映像は美しく、ストーリーは意外性とお約束の展開があり、中盤から後半にかけてどんどんドラマチックになっていきます。

料理の映像でも見せますが、決して料理映画ではないです。これを料理寄りの話にしていたらまず失敗していたでしょうね。

物語は、ベルリンに住むケーキ職人のトーマスが勤務先のカフェで、出張でドイツを訪れたイスラエル人ビジネスマンのオーレンと知り合うところからスタートします。

オーレンは、トーマスのケーキが大のお気に入りでドイツに来ると必ずこの店を訪れ、妻のお土産まで買っていきます。

ある日、オーレンがカフェでトーマスを誘うと、二人はたちまち肉体関係を持ちます。そう、オーレンは妻子持ちながら同性のトーマスに恋をしてしまうのです。

二人はオーレンがドイツに出張で来るときだけ逢引を重ねる不倫関係になります。ところがある日、ドイツからイスラエルに帰ったオーレンと連絡が取れなくなり、トーマスはオーレンが事故で亡くなったことを知り、絶望します。

愛人を失ったトーマスはまもなく店を辞め、オーレンの故郷であるエルサレムに向かい、彼との思い出を探しに行く、というのがストーリーの流れです。

イスラエルに着いてからはスローなシーンも多く、退屈してしまう時間帯が結構ありましたね。トーマスは、あろうことかオーレンの妻アナットのカフェで働くことになるんですが、二人が仲良くなり、家族に受け入れてもらうまでの過程をゆっくりゆっくり描いていくので、じれったくなるかもしれません。

見どころはずばり、いつアナットがトーマスとオーレンの関係に気づくのか。また、どのようなタイミングで気づくのか、という一点でしょう。

ある意味それはお約束の展開で、それをゴールに物語が進んでいくのはミエミエだし、同時に視聴者が望む展開なのかなぁという感想を抱きました。

一方で意外性があったのは、トーマスがオーレンはもちろん、アナットにまで手を出しちゃう下りですね。

夫婦もろともやっちゃうって前代未聞じゃない? こんなに僕の下心とストーリーがマッチするのも珍しいですよ。

なにがすごいってそんなバカなっていうストーリーが全く不自然に映らなかったことで、トーマスとアナットが仲良くなるまでに十分すぎるほどの時間を費やしたのが功を奏しましたね。間違いなく監督の演出の上手さによるものです。

広い世の中を探せばいるのかなぁ、夫婦もろともやっちゃったよっていう人。風俗とかその手の趣味のプレイとかじゃなくて夫婦のどちらにも知られずに自然な形でですよ。そんな人いたら話聞きたいなぁ。

トーマスの人との距離の取り方が絶妙で、決して自分から積極的に行くわけじゃないんだけど、ある程度スキは見せておいて男も女も相手から来させるんですよね。

トーマスはオーレンとのベッドシーンでも受け役でそんな受け身の性格と一致しています。スイーツが得意だったり、すごく女性的ですよね。それでも女からもモテるんだからトーマスすごいわ。

果たしてトーマスは、アナットに対して少しでも気が合ったんでしょうか。それともあくまでもオーレンとの会話や思い出をなぞるようにアナットを抱いたんでしょうか。

アナットはアナットでトーマスに本当に惹かれていたのか。それとも疲れや寂しさから身近な人から癒しが必要だったのか。

その辺を考えていくと、セクシュアリティを超えた三人の関係性が見え隠れして、いいですね。それもドイツ人とユダヤ人という歴史的な問題を抱えた両者が文化、習慣、宗教など様々な要素を取っ払って、目の前の人と複雑に向き合っていく様子が深いです。

ただ、スイーツ男子の僕からひとこと言わせてもらうと、トーマスの作るケーキはあまり美味しそうじゃなかったですね。外国のケーキってべちゃってしてて甘過ぎるんだよね。コージーコーナーのケーキみたいだったらもっとよかったんだけど。

コメント

  1. にゃお より:

    えっ映画男さんスイーツ男子だったんですね…すみません、意外すぎてコメントしちゃいました。

  2. 田尾パイパイ より:

    映画館でこれの予告が流れてた当時、配偶者が実は同性愛者でしたっていうミステリ風味の映画が多くて「またか」って思っちゃったので見るのやめたヤツなんですが、夫婦ともに食っちゃうってのは斬新ですね。
    女優が好みなので下心丸出しでレンタルしてみようと思います。

  3. まる より:

    評論家気取るならせめてキャラの名前くらい正確に書いたらどうでしょうか。

    • 映画男 より:

      日本で見てないから、カタカナ表記に違いがあるのは仕方がないでしょ。そもそも日本語字幕や吹替で見てないんだから。

  4. フキン より:

    昨夜、観ました。

    映画男さんの高評価の作品はいつもチェックしてるんですよ。

    トーマスは始め、まったく魅力を感じないタイプだったし
    年齢設定もよくわからないキャラでなんだかな・・とか思ってたんですが
    映画が進んでいくほどに、彼がとても若い青年に見えました。

    彼がケーキを作るたび魅力的に見えてきて不思議な感覚でした。

    オーレンの奥さんが彼を求める気持ちにもとても共感しました。

    粉をこねる手がものすごくセクシーなんです。
    そしてあの体系。
    完全に大人の女の癒し系でもありました。・・・??笑
    私も絶対誘惑すると思います!!笑

    真っ裸に赤パン姿なんて、サイコーでしたし。

    何はともあれ、映画男さんの評価は正しかったです♬

    この映画のハリウッド版はどうなったのでしょうね??

    「ドライ・クリーニング」という古めのフランス映画に夫婦どんぶりになる映画
    があったような。

    あ、それから私も映画男さんがスイーツ男子とは驚きました。笑
    シュークリーム、私も大好きです。

    • 映画男 より:

      僕の高評価作品をチェックしてくれてるなんて嬉しいです。トーマスはなかなかのツワモノですよね。確かにハリウッド版の話聞かなくなりましたね。そのうちしれっと公開されるんでしょうか。あと、僕はスイーツ男子なので、忘れないでください。日本に帰ったらセブンイレブンのスイーツはだいたいもれなく食べます。