真面目に見たらダメなサスペンス劇。何度も見てもラストシーンぐらいしか記憶に残らない映画です。30点(100点満点)
映画アイデンティティーのあらすじ
激しい豪雨が降り続く夜、人里離れた一軒のモーテル。管理人ラリーがくつろいでいるところへ、ひとりの男が飛び込んでくる。
彼、ジョージは息子ティミーを伴い、交通事故で大ケガをした妻アリスを運び込む。救助を要請しようとするが電話は不通だった。
アリスをはねたのは女優キャロラインの運転手で元警官のエド。彼は病院へ向け車を走らせるが、途中で立ち往生し、やむなくモーテルへ引き返すことに…。ある時、ある一室で、既に死刑判決の下った事件について再審理が行われようとしている。ポイントとなっているのは、その事件の連続殺人犯である囚人が書いた日記だった。
allcinema ONLINEより
映画アイデンティティーの感想とネタバレ
読者の山本さんのリクエストです。ありがとうございます。山本さんからはこんなコメントをいただきました。
いつも楽しく読ませてもらっています。他の批評よりも正直な感じが面白くて、リクエストしようと思いました。
さて、映画男さんの批評をお願いしたいのは、「アイデンティティ」という洋画です。
監督はジェームズ・マンゴールド、サスペンスです。
巧みな演出と無駄のない展開、脚本が好きです。オチがよくできていて、「やられた~」という感じですが、オチを知っても、もしくは途中で分かっても、二回、三回と見たくなる程、伏線がよくできているし、何よりも演出が抜群にうまいので、ジョン・キューザックをはじめとした俳優たちの演技の良さが自然に引き出されています。
脚本を書いたのは大学生らしく、ハリウッドや映画界で、その脚本は映像化する前から話題となり、高値で取引されたそうです。是非よろしくお願いします!
実はこの映画昔に一度このブログでも紹介していて、ばっさり削除したやつなんです。ほとんど読まれてなかったから。
それでなんでもう一度見ようと思ったかというと、このブログで感想を書いたことも、見たことも全く記憶に残ってなかったんですよ。
それで映画がスタートして後半ぐらいになってからやっと、あれもしかしたらこれ前に見たことあるな!って気づいたパターンですね。特にラストのオレンジ畑のシーンなんてほかの映画とシーンと記憶がごっちゃになっていました。
つまるところそれだけ記憶に残らない映画で、たくさん人が殺されるのに怖くないし、犯人が誰だか分からないのに知りたくならないし、早い話どうでもいい作品です。
一方でジョン・キューザックは安定のパフォーマンスを見せているし、テンポが速く、1時間30ぐらいでチャチャっと終わってくれるので、忙しくてできるだけ頭を使いたくない人が見ればいいと思います。
監督は「フォードvsフェラーリ」や「LOGAN/ローガン」のジェームズ・マンゴールドです。物語は、大雨のせいで田舎のモーテルで足止めを食らった11人の男女たちが次々と殺されていく犯人捜しで、状況が二転三転するのはいいけど、あまりにもいろいろ起こりすぎて後半からだんだん面倒になってきますね。
これ、漫画「金田一少年の事件簿」の実写版じゃないですよね? いわば「犯人はこの中にいる!」っていう話なんですが、さんざん引っ張る割には結局、全ては連続殺人犯の頭の中で起こっている出来事でしたみたいなしょうもないオチが待っています。
サプライズは登場人物全員が彼のアイデンティティーだっていう下りと、ラストの真犯人ぐらいでしょうか。
どうでもいいけど11人って多すぎない? せめて5,6人にしておけばいいのに11人を全員殺すみたいな話になってるせいで、殺し方が後半かなり雑になるんですよね。もう時間がないから5分に一度誰かを殺さないとだめじゃんみたいなペースになってくるのが笑えます。
全体的には「それを言っちゃあお終いだよ」っていう映画ですよね。実は全部想像でしたとか、全部夢でしたとかいう映画って結構あるじゃないですか。
そういう話ってじゃあ今までのシーンを真面目に見てた俺は一体なんなんだよ?って思うよね。サスペンス映画では、騙されるかどうかが重要な要素みたいに語られるけど、こういう損した気分になる騙しの演出はいらないんだよなぁ。
コメント
批評ありがとうございます!
夢オチというジャンルの中ではすごくよくできた話だなあと思っていましたが…
アイズワイズシャットや、マルホランドドライブのオチ?のような深さは全然ないので、確かに考えなくてもよい映画です。
そういう意味で芸術性はないですね。
リクエスト&コメントありがとうございます。深さはないですよねぇえ。夢オチっていうんですね、こういうジャンルのこと。その言葉いただきました。