ビジュアル重視のお姫様映画。残虐なシーンや不幸なシーンはほとんどなく、終始キラキラ星が輝いているだけのもったいない歴史ドラマです。44点(100点満点)
映画マリー・アントワネットのあらすじ
14歳のオーストリア皇女(キルステン・ダンスト)は、母マリア・テレジア(マリアンヌ・フェイスフル)の命令でフランス王太子(ジェイソン・シュワルツマン)に嫁ぐことになる。期待を胸に馬車に乗り込んだ彼女だったが、国境では衣装から下着までをフランス製のものに変えさせられ、愛犬まで取り上げられてしまう。
シネマトゥデイより
マリー・アントワネットの感想
「ブリングリング」、「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」、「SOMEWHERE」、「ロスト・イン・トランスレーション」、「ヴァージン・スーサイズ」でお馴染みのソフィア・コッポラ監督による歴史時代劇。
オーストリアのお姫様マリー・アントワネットがフランスに嫁いでいくところから始まり、民衆の反感を買ってパリから脱出するまでを描いた物語です。
見どころはストーリーではなく、ビジュアルですね。登場人物たちが身にまとう衣装やベルサイユ宮殿の飾り付けや貴族たちの暮らしぶりが毎日の食事がとにかくゴージャスでセレブってああいうことをいうんだなっていう絵がそこにあります。
僕みたいな庶民からすると、贅沢すぎて落ち着かないレベルですね。朝起きたらベッドの前で執事やメイドたちが待機してるとかしんどいなぁ。
唯一、「男」を描いていたのは王子がたくさんの犬を引き連れて馬で草原を走るシーンぐらいですかね。
それ以外はこれでもかというぐらい女たちの描写に時間を費やしているので、やっぱりこの作品も男性受けはしなさそうです。ターゲットはずばりアパレル系女子たちですね。あるいはモード学園の生徒たちか。
ソフィア・コッポラ監督特有のキャピキャピのカラフル映像に対して、あえて不釣り合いな現代風の音楽を混ぜているのは面白いですね。
前半は色と音と映像だけでそこそこ楽しめました。がしかし問題は後半でしょう。いかんせんストーリーが薄いので見ていて疲れてくるし、集中するほどのドラマがありません。せめてヒロインが処刑されるところまでを見せればもっとドラマチックになってかなあ、という気がしました。
フォーカスしていたのはマリー・アントワネットの浪費癖、パーティー三昧の日々、浮気ぐらいで彼女の人生哲学や家族、フランス、オーストリアに対する思いがちっとも描かれていなかったのが残念です。
オーストリアからフランスの王室入りをしたマリー・アントワネットの浮いた感じとかアウェイ感を出すには言語はせめてフランス語にしないとダメですよ。片言のフランス語を話させればいいじゃないですか。
それでライバルたちにボキャブラリーのなさをバカにされたりしながらも堂々と貴族たちの間を渡り歩く姿が見たかったです。
フランス語に誇りを持つフランス人が見たらどう思うんだろうこれ。フランスの王室の人たちがみんな英語で喋ってるって「ラストサムライ」の皇室みたいじゃん。
さすがに14歳のマリー・アントワネットをキルスティン・ダンストが演じるのはちょっと無理がありますよね。どう見ても10代じゃないし。
まだ10代そこらの少女が王室で偉そうに振る舞う様子を見せるほうが国民の逆鱗に触れるストーリーの流れに説得力が生まれそうなもんですけどね。
ソフィア・コッポラ監督はキルスティン・ダンストが好きなんですね。自分がスターダムにのし上げたっていう感覚なのかな?
これでマリー・アントワネット役にあえてブスな女優を起用してたら面白かったかもしれないですね。いっそのことお姫様=美人みたいな固定観念をぶち壊してくれないと。だってそもそもマリー・アントワネットって綺麗だったのかよって話じゃないですか。
コメント
マリーアントワネットはフランス語をかなり勉強していて、嫁いだ時もかなり上手に話されていたそうです。
なんか本当に文句が言いたいだけの感想って感じでブログのタイトル通りですね。