前作ほどではないけど、決して期待は裏切らないクオリティーの高い、クライムアクション。信じられない方向に話が行くので心の準備が必要です。68点(100点満点)
ボーダーライン:ソルジャーズ・デイのあらすじ
アメリカで、メキシコを経由して不法入国したと思われる人物が、15人の死者を出す自爆テロを起こす。アメリカ政府はさらなる犯行を防ぐため、CIAの特別捜査官のグレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)に、国境地帯で密入国ビジネスを仕切る麻薬カルテルをかく乱させるよう命じる。
グレイヴァーは、家族を殺したカルテルに恨みを抱く暗殺者のアレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)と共に麻薬王の娘をさらい、カルテル同士の抗争を引き起こそうとする。
シネマトゥデイより
ボーダーライン:ソルジャーズ・デイの感想
「ボーダーライン」の続編で、「暗黒街」で知られるステファノ・ソッリマ監督による国際犯罪ドラマ。多少話が脱線するものの緊張感と迫力があって十分に楽しめるエンタメ映画になっています。
物語は、アメリカで密入国者によるテロが起き、多数の被害が出たことを受け、アメリカ政府が密入国ビジネスを牛耳るメキシコの麻薬カルテルを壊滅させることを決意するところからスタートします。
アメリカ政府が秘密裏で行ったミッションは、犯罪組織のボスの娘を誘拐し、ライバル組織の仕業であるように見せかけること。そのためにアメリカ政府は目的達成のためなら手段を選ばない特別捜査官グレイヴァーを呼び出します。
グレイヴァーは殺し屋のアレハンドロと手を組みボスの娘を誘拐することに成功しますが、娘をメキシコ側の引き渡そうとしたときに麻薬カルテルの賄賂をもらっているメキシコ警察に裏切られ、攻撃を受けてしまいます。
グレイヴァーたちがメキシコ警察を皆殺しにしたことで事件はメディアで取り上げられてしまい、ミッションは停止に追い込まれます。
ボスの娘は銃撃戦の中、逃亡を図りますが、放っておくと命が危ないと感じたアレハンドロは彼女を保護し、再び国境を越えてアメリカへと連れて行こうとする、というのがストーリーの流れです。
終盤になると、もともとの目的である「メキシコの麻薬カルテルの壊滅」というテーマからは大分外れていき、そもそもアメリカ側が自ら誘拐したボスの娘を守る話になっていくところをどう思うかが鍵ですね。
本末転倒といえばそれまでだし、結局麻薬カルテルには触れることもできずに終わっていくアメリカ政府の無能ぶりといったらないです。
ただ、ミッションって必ず成功するわけじゃないし、状況が二転三転し、何も解決しないまま終わっていく、という展開は斬新で、興奮しました。
そんな予想外のストーリーに手の込んだ映像、アクション、作戦が加わって結構面白かったです。
自作自演の誘拐劇や少年が密入国ビジネスに足を突っ込んでいく様子なんかはリアルでいいですねぇ。
男臭さ全開のジョシュ・ブローリンとベニチオ・デル・トロのコンビも最高でした。それに対して、子役の二人もいい味だしています。特にカルテルのボスの娘は気の強そうな目つきをしていて存在感あります。
これであと色気があったらもっとよかったんですけどね。前作はエミリー・ブラントが出てたのに今回は彼女がいなかったのが残念です。
監督がイタリア人だからか終わり方がハリウッド映画のそれじゃないですね。え?ここで終わる?って感じで幕を閉じていくので、人によっては納得がいかないかもしれません。
殺し屋のアレハンドロがボスの娘に情を抱いていく下りなんかはいらないですよね。あそこは冷淡に見捨てるぐらいじゃないと。あと、あれだけ至近距離で撃たれたら普通、死ぬでしょ。生命力どれだけ強いんだよ。
コメント
お〜っし さっそく観よう!
と思ったらU-NEXTのは前作か・・
また先を越されてしまった・・なんで日本も同時にやらんのかな、くそぉ〜
日本は基本、遅いですよね。
私も面白かったです。
前作がとても良かったので、期待してました。
ただ、
>>「殺し屋のアレハンドロがボスの娘に情を抱いていく下りなんかはいらないですよね。あそこは冷淡に見捨てるぐらいじゃないと。あと、あれだけ至近距離で撃たれたら普通、死ぬでしょ。生命力どれだけ強いんだよ。」
全く同感です。
前作のキャラクターなら
小娘にも冷徹であったはずですからね。
あれで生きてたのもちょっと都合よすぎで、
あの映画のトーンからして違和感がありました。
前作は良かったですねぇ。これもまあまあ良かったけど。
弾がほっぺた抜けんのはファイトクラブの終わりと同じだった。
シカリオの時はアレハンドロ、あっという間にガキも打ち殺してしまったけど、今回は是が非でも助けようとした。
とにかくシカリオが凄すぎでしたね。