自閉症の女の子がLAを目指して初めて一人旅に出る、いまいちな冒険劇です。旅先で起こることもありきたりだし、全体的にアイデア不足な作品。30点(100点満点)
500ページの夢の束のあらすじ
『スター・トレック』について並外れた知識を持つ自閉症のウェンディ(ダコタ・ファニング)は、自分なりの『スター・トレック』の脚本を書くことが趣味だった。
ある日、『スター・トレック』脚本コンテストの開催を知り脚本を書き上げるが、郵送だと締め切りを過ぎてしまうことに気付く。彼女は500ページの脚本を届けるため、愛犬と一緒にハリウッドを目指す旅に出る。
シネマトゥデイより
500ページの夢の束の感想と評価
「セッションズ」のベン・リューイン監督による、ロードムービーとも家族ドラマとも受け取れる、自閉症の女の子を主人公にした映画。実話かと思いきや、同名の劇を基にした内容になっています。
主演のダコタ・ファニングの演技に頼るという無茶なことをしでかした、面白くない作品です。
物語は、施設で暮らす自閉症のウェンディがある日、監視の目をすり抜けて、外に飛び出し、自分の書いた脚本を映画スタジオまで届けるためにLAを目指す、という単純なものです。
ウェンディはドーナッツ屋でバイトしながら自由時間を見つけては施設で「スタートレック」の脚本を書きます。
というのももうすぐスタートレックの脚本コンテストの締め切りがあり、それに応募しようと考えているからです。
そんなウェンディのもとをある日、姉のオードリーが訪れます。ウェンディは家に帰りたいと言いますが、オードリーは赤ん坊が生まれたばかりのためウェンディと一緒に住むことに抵抗を覚えてこれを断ります。
ショックを受けたウェンディはある晩、施設を抜け出し、自らの手で脚本を映画スタジオに届けに行こうとする、というのが筋書きです。
原題の「PLEASE STAND BY」は、ウェンディがパニックを起こして発狂したのを施設の先生がなだめるときに使うフレーズで、「なにもしないでそのままでいて(落ち着いて)」といったニュアンスで使われていました。
それに「側にいる」という通常の意味合いを込めてこのタイトルを選んだんでしょうか。ウェンディが自ら施設を飛び出す姿は「自立」を描いているともいえるし、自立した彼女が姉の赤ん坊を抱きしめる姿を「成長」として表現している印象も受けました。
「セッションズ」でも障害者を扱っているので、気になって調べてみたらベン・リューイン監督自身、ポリオの影響から障害を負い、一生松葉づえが放せない体なんだそうです。
そういう意味では映画界において障害者の目線で映画が描ける数少ない貴重な監督の一人なんですね。
ただ、前述したとおりダコタ・ファニングを見るだけの映画になっていて、特に見どころがないのが残念でした。
監督は結構、無謀な挑戦しましたねぇ。ダコタ・ファニングにはちょっとこの役はまだ荷が重かったかなぁ。「ブリムストーン」のときのパフォーマンスは良かったんだけどね。
唯一の救いはしつこつ感動ポルノにはなっていないことでしょうか。ハーフルドラマではあるけど、ベタベタにしていない点には好感が持てました。
あと、強いていうならばスタートレックの箇所はスターウォーズに変えてくれたらもっと良かったんですが。
スタートレックファンだからといって、スタートレックに関しては記憶力が異常に研ぎ澄まされてるといった自閉症あるあるみたいなネタもいらないです。
なんだかんだでスタートレックの下りが一番ひっかりましたね。そもそもスタートレックが好きな人なんて世界中探しても5人ぐらいしかいないのに自閉症の女の子が好きな確率なんて限りなくゼロに近いでしょ。
コメント
最後のスタートレックの文句は批評じゃなくて好みの感想やないかーい(一応ツッコミです)
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失礼しました
いや、むしろどんどん突っ込んでくださいね。
障がいを持った方との接点がないとこういう感想になってしまうんですかねぇ
勝手な決めつけすな