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運命は踊るは上質で退屈な映画!感想とラストのネタバレ

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運命に踊らされるイスラエル人家族を描いた世にも奇妙な物語。質は高いけど、楽しい映画ではないです。38点(100点満点)

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運命は踊るのあらすじ

ミハエルとダフナ夫妻のもとに、息子ヨナタンの戦死を軍の役人が知らせにやって来る。悲しみに打ちひしがれるふたり。そんな中、その報が誤りだったと分かる。安堵するダフナ。

しかし、ミハエルは怒りをぶちまけ、息子を呼び戻すよう役人に要求する。前哨基地の検問所。ヨナタンは戦場でありながらどこか間延びした時間を過ごしている。ある日、若者たちが乗った車がやって来る。いつもの簡単な取り調べのはずが・・・。

愛する息子を連れ戻そうとする父、息子が生きていた事を喜ぶ母、戦場で悲しい体験をする息子。残酷な誤報が彼らの運命を翻弄してゆく。

浮かび上がるそれぞれの愛、思い、優しさ、そして露わになるそれぞれの傷、罪、弱さ――。過去の、現在の行いの報いなのか? 彼らは、運命の渦に容赦なくのみ込まれてゆく。そして、その先にあるものは――深く大きな悲しみ、そしてかすかな愛の光。

運命は踊る公式サイトより

運命は踊るの感想

「レバノン」のサミュエル・マオズ監督による、ベネチア国際映画祭で評価された家族ドラマ。

映像や撮り方が上手く、演技もリアルで質の高い映画であることは分かるもののストーリー展開がスローで眠くなります。

大きく分けると3つぐらいしか見所がなく、その間はずっと長いフリが続くだけの演出には参りました。

物語は、軍人の息子を持つ夫婦ミハエルとダフナに息子ヨナタンが死亡したという報告が入るところからスタートします。

悲しみに打ち砕かれた二人でしたが、後日それが誤報であったことを知らされます。死んだと思っていた息子が生きていた。そう聞いてもしかしミハエルは軍隊に不審を抱くだけで一刻も早く息子を家に帰らせるように要求します。

一方、暇な検問所でのほほんと過ごしていた息子ヨナタンは、たまに通る車と運転手の身元をチェックするのが日課でした。

ところがある日、検問所を通った若者の車で起こってはいけない事故が起こり、ヨナタンは深い悲しみと罪悪感を背負うことになる、というのがストーリーの流れになっています。

いわゆる大人の芸術路線映画ですね。ストーリー自体は意外性があるし、悪くないんだけど、面白くないんですよ。特に夫婦のやり取りに時間を費やしすぎた感がありますね。

テーマは運命、そして因果応報といったところでしょうか。戦死を知らせる誤報はある意味、避けることのできない未来のお告げだったとも取れますね。

原題のFOXTROT(フォックストロット)はアメリカの社交ダンスの一種で、基本のステップがどこに動いても元の位置に戻るようなステップであることから本作のテーマの避けられない運命と絶妙にマッチしています。運命は踊る、っていう邦題のセンスはなかなかいいですね。

そしてステップを踏んでも元の位置に戻る踊り、運命をそれとなくストーリーの中で何度も強調してきます。

偶然、運命、宇宙などというワードが好きな人にはいいかもしれませんね。引き寄せの法則が好きな女子とかにも受けそう。

だけど肝心なテンポの悪さでしくじりましたね。娯楽性が薄いからたとえ賞を獲っても売れない映画になっちゃってます。奇妙な話ではあるし、プロットは興味深いだけになんかもったいないなぁ。

運命は踊るのラストのネタバレ

運命か。それとも天罰か。

息子ヨナタンは検問所で手榴弾を持っていると勘違いして一般市民を銃殺してしまいます。

イスラエル軍はそれを隠蔽するために殺された市民を彼らが乗っていた自動車ごと地面に埋めます。

ちょうどその頃、ヨナタンに帰還命令が下され、軍の自動車で迎えが来ます。しかし道中、突然ラクダが現れ、ヨナタンを乗せた自動車は崖に落ちていくのでした。

ヨナタンが死んだという誤報はついに誤報ではなく、現実のものとなり、ヨナタンはもともと死ぬ運命にあったのか否か、といったことを考えさせられる終わり方でしたね。

以前、イスラエルでバスを狙ったテロがあり、乗客が何人も死んだことがあったそうです。

そのバスにサミュエル・マオズ監督の娘が乗るはずだったんですが、わずかの時間の差でバスに乗り遅れたため運よく助かりました。

その経験からサミュエル・マオズ監督は、生きるか死ぬかの違いは一体なんなのか。この世には自分たちにコントロールできることとそうじゃないことがある、といった思いをめぐらせて、この作品を完成させたそうです。

製作の裏話といい、テーマといい、狙いは素晴らしいのになんで面白くないんだろう。それもまた運命なのかもしれませんね。

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