娯楽映画にも、社会派映画にもなりきれていない中途半端な作品。なにをいまさらマジな映画作っちゃってるの? と言いたくなる一本。22点(100点満点)
ゼア・ウィル・ビー・ブラッドのあらすじ
20世紀始めのアメリカ。ダニエルは息子を連れて油田を捜し回っていた。ある日、彼はサンデー家から権利を買い、人を集めて石油の採掘に着手する。その後上手く石油を掘り当てたダニエルだったが、油田での事故、息子の難聴など様々な困難に襲われる。
シネマトゥディより
ゼア・ウィル・ビー・ブラッドのキャスト
- ダニエル・デイ=ルイス
- ポール・ダノ
- ケヴィン・J・オコナー
- キーラン・ハインズ
- ディロン・フリーシャー
- シドニー・マカリスター
- デヴィッド・ウォーショフスキー
ゼア・ウィル・ビー・ブラッドの感想と評価
「マグノリア」、「ブギーナイツ」、「ファントム・スレッド」、「インヒアレント・ヴァイス」、「ザ・マスター」、「ハードエイト」で知られるポール・トーマス・アンダーソン監督の失敗作。
ダラダラの会話とテンポの悪い展開、そして歯切れの悪いストーリーによって構成されている油田を舞台にした西部劇。終始暗くて、悲観的で、とにかくつまらないです。
ポール・トーマス・アンダーソン監督は「マグノリア」以降いい映画を撮っておらず、もしかするとこいつは一発屋かなと思わせるなにかがあります。
だいたい1927年に書かれた小説を基にしているところがいただけないです。ハリウッドは最近小説とか、外国映画のリメークとか実話とかしかネタにしておらず、早い話オリジナルのフィクションが作れないのです。
1927年に書かれた話からヒントを得ているという点だけを見ても、どれだけ昔の資料を探し回ってかき集めてきたか、どれだけ出来合いのアイデアに頼っているかかが分かりますね。
なぜいまさら石油? なぜいまさら20世紀初頭? それだったら現在の世界の石油ビジネスについての映画を撮ったほうがよっぽど興味深いのにねえ。
映画の内容にはまったく関係ないことだけど、この題名「ゼア・ウィルビー・ブラッド」ってこれ誰が付けたんだんでしょうか? 原題の「There Will Be Blood」をそのままカタカナにしただけじゃん。これのどこが邦題なんだよ。
日本国民のの何人がこのフレーズの意味を理解しているんだろう。タイトルというものはそれを見ただけで、映画の内容がパッと頭に浮かんでくるようなものじゃなければいけないはずなのにコピーライターだか映画配給会社の重役だか誰だか知らないけど、タイトルを決める人間たちは、カタカナを使えばそれでかっこいいと思っているふしがあるのが嫌ですね。
意味が分からないほうが逆にいいという変な優越感を抱いているのがミエミエです。これが社会で通用するんなら、もうなんでもありになってきますよ。
それこそロシア語でも、ポルトガル語でもいいってことでしょ? いっそのことこれから英語は訳さないで全部カタカタにしちゃえばいいんじゃないですか。
コメント
こんばんは♪
邦題の件、おっしゃるとおりです。
まぁ今年の映画の邦題で(自分が観た中では)一番酷かったのは「ノーカントリー」なんですけどね。
カタカナにしただけじゃなく、更にぶった切っちゃってますから…。全然意味が通じてないです。
ただ前に何かで読んだのですが、製作国の映画会社から「原題をそのまま使え」みたいな指示がくる映画もあるみたいですね。
まぁ確かに誰がつけたんだ?って感じのおかしな邦題(ヒットした他の映画の二番煎じみたいな邦題とか)もありますからね。
でも昔の映画の邦題は、結構センスあるものが多かったので、そのあたりは今の方にも見習って欲しいですよね。
scarecrow1970さん
コメントありがとうございます。さすがに「ノーカントリー」はひどすぎますよね。それにしても日本のカタカナ使えばいいという傾向はこのまま変わらないのでしょうかねえ。悲しいです。
こんにちは♪
相互リンクの件、ありがとうございました。
ぜひよろしくお願いします。
この作品はこちらでは上映なしで観ていないのですが、2点ですか~
最近の邦題はセンス無しでガッカリなのが多いですよね。原題をカタカナって・・・タイトルで観るのをやめちゃうこともあるでしょうしね。
ゆかりんさん
リンク、ありがとうございました。
2点は言いすぎでしたよね。ちょと飛ばしすぎました。点数訂正しておきます。いやあ、文句を書いていると、熱くなってきちゃって、そのまま点数も下げちゃうくせがあるんですよ。すいません。
この作品は凄く衝撃的だったので、22点にまた衝撃を受けてコメントしちゃいました!笑 まぁ、意見は人それぞれだけど、好きだった作品なだけに少しでも意見を述べていいですか?
>なぜいまさら石油? なぜいまさら20世紀初頭?
2008年の今でもアメリカは石油や欲に溺れているからアンダーソンはこれを作ったんだと思います。ブッシュ大統領もキリスト教であり、アメリカほどの先進国でも国の大半は宗教だので狭く、古い考え方で生きている事とかもアンダーソンは批判していたんだと私は思いました。
基にしたという小説も、表面的な題材としか使っていなかった様子ですが、アンダーソンは時代背景などの研究に小説を使っただけなんじゃないかと思います。
ごめんなさい、長々と!自分のブログのレビューにも長々と書いたもんなので、、笑
アヤさん
コメントありがとうございます。これからもどしどし意見言ってください。
アンダーソンはこの映画を通じて批判したかったんですかね? 彼はどっちかというと娯楽映画を作る人間だと思ってたんで、この映画はなんか笑いも、興奮もなくて、いまいちでした。もしかしたらこのまま路線変更するような気がしてさみしいです。
そうですねー、アンダーソンの笑いの入れ方は結構皮肉ってる感じがありますよね。確かにこれではそのせんは全く無かったですね。
でも、アンダーソンは結構真実を明かすまではいかなくても見せるのが好きなんだなーとも思います。「ブギーナイツ」とかも凄く忠実にポルノ業界を描いているらしいし、「ゼア・ウィルビー・ブラッド」も同じようにアメリカの素顔(昔のも今のも)を表に出す事によって、多少は批判も入ってたと思いました。
次の作品はどういうものになるんでしょうね??
この映画も好きですがやっぱりマグノリアですよねー
インへアレンとバイスもなんか違ったし。
昔に戻ってまたただ見てて面白い映画を作らないんですかねー
私は、大変に面白かったと思いました。
ブレンビューの一貫した欲望と闘争心と、キリスト教を嫌ってるのかイーライに対する復讐心か、懇願に来たイーライを撲殺するとは、それもこの異常者なら有り得るな、と、ダニエルデイルイスの演技にゾッとした気持ちになりました。
最後に、幼い養子の回想に、全てを失ったということが表されていた気がしました。
しかしみる人がみれば、この映画について厳しい評価があることが勉強になりました。
僕にはダメでしたねぇ。
これがおもしろくない人がいるんですね。
逆に衝撃を覚えました……。
世界は広いなあ