おじいちゃんおばあちゃんをダシにしてチープな笑いと感動を届けるイギリス映画。年寄りはみんな心優しくて暖かい、と勘違いしている人たちが見ればいい駄作。12点(100点満点)
映画アンコール!!のあらすじ
寡黙でとっつきにくい性格が災いし、周囲から筋金入りの頑固おじさんとして扱われ、息子とも溝ができてしまっているアーサー(テレンス・スタンプ)。そんな彼が愛してやまない、性格の明るい妻マリオン(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)のガンが再発してしまう。
そんな中、彼女が在籍するロックやポップスの名曲を歌う合唱団「年金ズ」が国際コンクールの選考大会に出場することに。治療などで練習に参加できないマリオンの代理で「年金ズ」のメンバーになるアーサーだが、個性豊かなメンバーや慣れない合唱に面食らってしまう。
シネマトゥデイより
読者のMikonさんのリクエストです。ありがとうございます。
映画アンコール!!の感想
「アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち」のポール・アンドリュー・ウィリアムズ監督による、老人をネタに笑いを取り、亡き妻をネタに涙を誘おう卑怯な映画。
意外性がなく、最初の10分でおおよその話の流れが読めてしまうのが残念です。だいだいこうなるでしょって思ったことが予想通りに展開していくベタな演出が嫌ですね。
主人公が気難しい頑固じじい。妻が末期癌。妻が趣味で合唱団に入っているというヒントだけでも、ストーリーが分かっちゃいますよね?
どうせ妻が死んで、代わりに頑固じじいが合唱団に入って歌うんでしょ? それでラストは観客がスタンディングオベーションするんでしょ? 結局、頑固じじいが素直になるんでしょ?って思っていたら、本当にその通りになって腰が抜けそうになりました。サプライズないんかよ。
老人たちを主人公にしたコメディ-って本当、ワンパターンですよね。必ずおじいちゃんたちにファンキーでワイルドなことをさせて安易な笑いに逃げるじゃないですか。
「ラスト・ベガス」とか「100歳の華麗なる冒険」とか「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」とかみんなそうだもん。
この映画の場合、合唱団を題材にしているだけにおじいちゃんおばあちゃんにロックやヘビメタを歌わせたり、ラップをやらせたり、ロボットダンスをさせたりしていました。
確かにそれで微笑ましい光景は作れるだろうけど、それって小さな子供に大人びた生意気なことを言わせるのと同じで、すごく低レベルな笑いですよね。
「老人なのにあんなことしてる」、「子供なのにこんなこと言ってる」っていう偏見の基に成り立つユーモアね。それで爆笑できますか?って話なんですよ。
また、そういうネタを考える監督本人は老人なのかというと絶対そうじゃなくて、結局若者目線でオモシロ可笑しい老人を描いているにすぎないんですよ。
それにしてもなんですか。あの若い女指導員。明るくて、可愛くて、老人や子供たちに優しくて、でも同世代の友達は一人もいないってどんな設定だよ。あんなにいい子だったら普通に友達できるだろって。
それで彼氏にふられたらなぜかおじいちゃんの家に夜遅くに相談しに行くって。もし彼女と頑固じじいが途中で、できちゃうぐらいの面白い展開があればまだ褒めれるんですが全くいいところなしでした。
コメント
リクエストにこたえてくださり、ありがとうございます。
コメント遅くなってスミマセン。
いつも通り、なかなか厳しい評価ですね。笑
私は寡黙なテレンス=スタンプが奥さん亡くなって一人号泣するところに打たれました。映画やドラマに出てくる不器用な男性(だめんず?)に弱いんですよね。ふふふ。現実は別ですが。キリッ。
また、リクエストします!
キャラクターの設定がイマイチ伝わりませんでしたね。。。というか、設定なんてあるのか?って感じ。
先生はなんの前触れも後書きもない恋愛の相談して、あの描写は一体なんだったんだ?必要か?ってなったり
“頑固ジジイ”笑 も転じて素直になる展開ではあるんだろうなとはもちろん思ってましたが、あれ、同じ人なのか?って思ってしまうレベル、、、
イギリスのジェントルマンの心ってあんな強いのかなー?って感じ。
終盤で息子と和解する為に家に立ち寄って突き返されたあとの葛藤もなんだか薄ーーい感じ。
先生が相談した時のお礼に思いっきり引き下がらずに干渉していくような熱い展開、もしくは妻の写真と向き合い1晩考える。少なくともそんな描写があるのかと。
その後はなにもなくひねくれずに素直に合唱メンバー達に謝罪。ひたすらにハートの強いジェントルマンだなと。
とにかく起承転結の転、主人公の心の葛藤の部分がふわふわ。(物悲しさを表現するベテラン俳優さすがとは思いました)
そして合唱グループである必要が全く感じられないほどの老人達の空気の薄さ笑
グッとくるコーラスグループとしてのグルーヴも意味合いも感じられることもなく、、、
役者の演技力頼みなのか、流れが行き当たりばったりでドラマ性を感じられなかったです。(それがリアル性なのかもしれませんが)せめて主要人物の心理描写はもう少し見たかった。
結局、見どころを見つけられないまま終わってしまいました。
どんなベタな映画でもひとつまみくらいはみつけられるものですが。
まぁ1時間半に作品をまとめるとこうなってしまうよなぁ。という作品の代表格だと感じました。
シニアを描く作品のペースに1時間半はきつかったのかな?
これを観るならスクール・オブ・ロックや天使にラブソングをでハリウッド全開のハチャメチャな起承転結を楽しんだ方がいいなと笑
はたまた自分がおしゃれなイギリス映画に免疫が無さすぎるのか、、、
ひたすらに物足りなさを感じる1本でした。
老人コメディーは外れが多いですね。