ブラジルが世界に誇る感動のロードムービー。意地悪な人間が子どもを通じて優しさを取り戻していくというストーリー展開はさして新しくないけれど、それでもどこか心が温まる魅力があります。85点(100点満点)
セントラル・ステーションのあらすじ
ドーラはリオデジャネイロの中央駅で代筆行を営んでいる。ブラジルには非識字者が多く、読み書きのできない人たちが彼女のもとを次々と訪れ、手紙を出していく。しかし彼女は手紙のほとんどを家に持ち帰り、郵送せずに放置していた。
ある日、ドーラのところに女性が夫宛に手紙を出しに来る。ところが女性は帰り際駅前で車にひかれて死亡。女性の息子であるジョズエが一人その場に残されてしまう。一連の出来事を目撃したドーラは、見かねてジョズエを連れて行くことに。そして二人は、ジョズエの父親を探す長い旅に向けて出発する。
セントラル・ステーションの感想
「オン・ザ・ロード」、「モーターサイクル・ダイアリーズ」などで知られるウォルター・サレス監督の名を世界に知らしめた名作。ストリートチルドレンと独身女性を通じてブラジル社会を映し出す人間ドラマです。
泥棒がその場で射殺されたり、子どもが売られたりしていくブラジルの現実問題を絡めながら、そんな社会で生きる人間に残されたかすかな愛情を浮かび上がらせていて、胸がズキズキ痛くなります。
これを見てブラジルを旅行したという人も少なくないと思います。それぐらい不運で、貧しい、悲惨な状況にいる人間に焦点を当てています。
それでもブラジルに行きたいと思った人は多分、ストーリーうんぬんというより、幻想的なブラジルの田舎町の風景に魅了されたんでしょう。
サッカーとカーニバル以外の理由で人を、はるか遠くのブラジルまで導いた映画というのは、それだけでかなり貴重なものだと言えます。
一方でブラジル人は読み書きができないという汚点を世界に広めてしまった映画でもありますね。人々が読み書きができなかったのは一昔前の話だと思われているかもしれないけど、2007年の調査でも国民の約10%が読み書きできないという結果が出ているほどで、教育の問題は根強いです。
それよりもっとひどい人で、話が通じないという人も結構いますね。言葉が通じないのとは違って、話が通じない人は「昨日学校に行きましたか?」と質問しても「私は大きなお尻が大好きです」といった答えが返ってきたりして大変困ります。
だから、ブラジル映画の中にももっとそういった微妙な訳の分からない部分も入れるべきだと思いますね。その点「セントラル・ステーション」は、少し分かり易すぎるという感じがしました。
コメント
>話が通じない人は「昨日学校に行きましたか?」と質問しても
>「私は大きなお尻が大好きです」といった答えが返ってきたりして大変困ります
職場(日本国内)でも、そういう人が沢山いますよ
きっと、前世がブラジル人だからでしょうか?
丸刈りーたさん
教育レベルが落ちてるんでしょうかね。日本にもそういう人が増えてきたら困りますね。
今さらながら見ました。
この女性、行動がブレブレなのが観ててどうしても気になりましたが、
ラスト以外はほぼ性格悪くて見すぼらしくて感情移入できないように描かれているのが良かったですね。
代筆業って普通ポストの前でやるんじゃないの?ともおも
おばちゃんの性格の悪さがフリになっていて、最後の最後でひっくり返すという上手い演出でしたね。