家の中にお化けが出てきたり、おっさんがキャーキャー言ったりするだけの低品質ホラームービー。どこにも怖い要素がないです。8点(100点満点)
ウィンチェスターハウス・アメリカで最も呪われた屋敷のあらすじ
サラ・ウィンチェスターは夫が遺した広大な屋敷に暮らしていた。彼女の夫、ウィリアム・ウィンチェスターは銃製造会社の社長であったため、その突然死は銃で殺された人間の怨霊が原因だと噂された。
子供と夫を立て続けに亡くしたサラは悲しみの底にあったが、自分も怨霊に取り憑かれているのではないかという思いが日に日に強くなっていた。ついに耐えきれなくなったサラは霊媒師に助言を仰いだ。
サラはその助言通りにカリフォルニア州サンノゼに引っ越し、亡くなるまでの38年間を邸宅の建設に捧げることとなった。傍から見れば狂気の沙汰であったが、サラにとっては怨霊から逃れるための必死の策であった。
1906年、精神科医のエリック・プライスはそんなサラの診察のために邸宅に赴くことになった。そこで彼は怪奇現象に遭遇し、サラが正気であることを確信するに至る。
wikipediaより
ウィンチェスターハウスとは?
ウィンチェスターハウスとはウィンチェスター・ミステリー・ハウスとしても知られるカリフォルニア州サンノゼに位置する幽霊屋敷のことです。
屋敷の持ち主であるサラ・ウィンチェスターは大金持ちの未亡人で、自分は呪われていると信じていました。というのもウィンチェスター一家は銃の製造で大儲けしたことから、銃で殺された人たちの亡霊が家族にとりついているのではないかと考えたのです。
呪いを解くためにサラ・ウィンチェスターはサンノゼに引越し、死ぬまで亡霊のために家を建て続けなさい、と霊媒師に言われ、それを鵜呑みにして38年間彼女が死ぬまで拡張工事を続けた家がこのウィンチェスターハウスなのです。
霊媒師に言われたかどうかは真偽がはっきりしないそうですが、スピリチュアルにはまった金持ちが自分の状況を変えようと霊的な目的のために財産をはたいたのは間違いなさそうです。
1880年代から1920年代までの出来事ですが、いつの時代にもあるんですねぇ、そういう話って。果たしてサラ・ウィンチェスターはただの精神異常者なのか、それとも本当に呪われていたのか。その異常で怪奇なエピソードは映画の題材にするには申し分ないでしょう。
一度でも幸運を呼ぶ高い壷や石とかを買わされたことのある人にはいいかもしれません。
ウィンチェスターハウス・アメリカで最も呪われた屋敷の感想
蓋を開けてみたらしかし、いるはずのない人がいたり、見えるはずのない物が見えたり、誰かが突然フレームインするだけの安っぽい演出に頼った怖くもなければ、面白くもない、実話を餌にした低レベルな作品でした。
監督は「ジグソウ:ソウ・レガシー」などで知られるマイケル・スピエリッグ&ピーター・スピエリッグ。奇妙で人々の興味をひきつけるだけの実話が存在するのにわざわざコテコテのお化け屋敷ホラーにした彼らの意図が分かりません。
屋敷にフォーカスしたことが最大の失敗ですね。「ライト/オフ」しかり、「死霊館エンフィールド事件」しかり、「アナベル 死霊人形の誕生」しかり、家の住所が変わっただけで内容は同じなんですよね。
そういえばアメリカのお化け屋敷ホラーってなぜか全部木造の家ですよね。床はフローリングで、家具は木製で、どうせミシミシ言わせたいだけでしょ? もっとアイデアないのかよ。
この映画は、むしろサラ・ウィンチェスターの人生にフォーカスするべきだったし、彼女の生い立ちから描いて、どのようにして呪われているという脅迫観念に襲われるようになったのかを深く掘り下げていくべきでしたね。
あの家が面白いんじゃなくて、「家を立て続けないと私、死んじゃうかも」って思ったサラ・ウィンチェスターが面白いんですよ。それも大金持ちだからやることのスケールが違うし。
それなのにサラ・ウィンチェスターより、むしろ精神科医のエリック・プライスのほうを主人公に扱ってたじゃん。なんでよ。
そのせいでおっさんが大きな家をうろうろするだけの話になっちゃってて、もう部屋で大人しくしてろよって思っちゃいましたね。
「私、おっさんがびくびくしてるところを見ると興奮しちゃうの」っていうんだったらいいけど、そうじゃなかったらわざわざ見なくてもいいと思います。
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