最後までとても見れたもんじゃない、低クオリティー戦争シチュエーション映画。どこだか分からない小さな場所で日本軍が外国人と喧嘩したり、仲直りしたりするだけのクソつまらない内容です。10点(100点満点)
映画戦場のメリークリスマスのあらすじ
1942年、日本統治下にあるジャワ島レバクセンバタの日本軍俘虜収容所で、朝鮮人軍属カネモト(ジョニー大倉)がオランダの男性兵デ・ヨンを犯す。日本語を解する俘虜(捕虜)の英国陸軍中佐ジョン・ロレンス(トム・コンティ)は、ともに事件処理にあたった粗暴な軍曹ハラ(ビートたけし)と奇妙な友情で結ばれていく。
一方、ハラの上司で所長の陸軍大尉ヨノイ(坂本龍一)は、日本軍の背後に空挺降下し、輸送隊を襲撃した末に俘虜となった陸軍少佐ジャック・セリアズ(デヴィッド・ボウイ)を預かることになり、その反抗的な態度に悩まされながらも彼に魅せられてゆく。
同時にカネモトとデ・ヨンの事件処理と俘虜たちの情報を巡り、プライドに拘る空軍大佐の俘虜長ヒックスリー(ジャック・トンプソン)と衝突する。東洋と西洋の宗教観、道徳観、組織論が違う中、各人に運命から届けられたクリスマスの贈りものが待っていた。
wikipediaより
読者のタカギさんのリクエストです。ありがとうございます。
映画戦場のメリークリスマスは駄作
「愛のコリーダ」で世界的に有名な大島渚監督による、レベルの低すぎるコント劇。演技、カット割、演出がひどく何度見ても話が全く頭に入ってこない作品です。
完成度がとにかく低く、話が一本につながっておらず、シーンがぷつっと途切れたり、何十分にも及ぶ回想シーンがいきなり入ってきたり、とにかくまとまりがなく、そのうえ尺が長いという控えめに言っても駄作です。
複数の国の合作のくせにスケールがとにかく小さく、誰かの家の庭で撮影したのかなと思うぐらい、同じ風景の連続なのがダメです。
戦争の悲惨さを描きたいのか、信仰や文化を超えた人間性を描きたいのか、それとも日本軍の狂気を描きたいのかどっちつかずで、生死の狭間に立たされた登場人物たちから緊張感がこれっぽっちも伝わってこないです。
日本軍の捕虜への待遇、欧米コンプレックス、武士道、同性愛、敵軍同士の友情などを取り上げた、というのは聞こえが良すぎる解釈で、なんだかんだいって結局は「メリークリスマス」が言いたいだけの話になっています。
内容はほとんど同じだけど、アンジェリーナ・ジョリーが撮った「アンブロークン」のほうが面白いし、同じクリスマス戦争映画「戦場のアリア」にすら劣ってます。
なぜかこの映画、一部の日本人にすごく評価が高いんですよね。外国人でこの映画をいいっていう人には会ったことないけど。
だって馬鹿馬鹿しいじゃないですか、日本軍が第二次世界大戦中に捕虜に親切に英語を使って喋ってるって。通訳だけが英語を使うならまだしも、ほぼ全員英語喋るからね。
収容施設の看守だけじゃなく裁判で裁判官まで英国人の被告人を英語で裁いてくれるとか、みんなただのいい人だろ。
じゃあ、なにかい。日本人がアメリカ軍に捕まったらアメリカ人がみんな日本語で喋ってくれるわけ? そんな配慮があるんだったら最初から戦争してないから。これをアイデンティティのぶつかり合いとか言われてもね。
出演者の滑舌の悪さはおそらく映画史上ナンバーワンなんじゃないかな。軍曹ハラ(ビートたけし)とジョン・ロレンス(トム・コンティ)の会話はカンボジア語かよってぐらい、何を言ってるのか分からないし、特にロレンス役のトム・コンティのグダグダぶりには笑うしかないです。
日本語全部棒読みだし、表情とイントネーションが全然合ってないし、なんでわざわざ彼を選んだのか理解に苦しみます。まともに演技ができてたのはデヴィッド・ボウイぐらいだろ。
こんな映画から坂本龍一の名曲「戦場のメリークリスマス」が生まれたのは奇跡としかいいようがありませんね。そしてその名曲の使われ方にも問題があって、太陽の光でカンカンに照らされた朝のジャングルというシチュエーションで冒頭からこの曲をぶっこんでくるセンスのなさには唖然とします。
おそらく今では「戦場のメリークリスマス」を聞いたことがある人もこの映画は見たことがないっていう人がほとんどじゃないかな。
もう曲が完全に一人歩きして、この映画から独立していますよね。それでいいと思うし、この曲、よく死ななかったなあ、と不思議に思います。
戦場のメリークリスマスは以下のサービスの無料体験で視聴できます。
コメント
shです。こんにちは。
あまりの低得点に、うわ!と驚きましたが、今思えば、確かにストーリーは単なるエピソードの羅列という感じでしたね。坂本龍一の棒読み演技もスゴかったですし。
ただ、高校生の頃に映画館で観た時は不思議なぐらい感動しました。ぎゅうぎゅう詰めの立ち見で痴漢まで出没してたのに、中盤からラストまで完全に引き込まれて夢中で観てました。映画男さんの仰っている欠点(滑舌の悪さ、不自然な言語設定、演技のまずさ、脚本の説明不足等)は、当時の私でも分かるぐらい明らかだったんですけどね。
今の私が、この映画を観てどんな風に感じるのか、確かめてみたい気もします。こうして昔に観た作品のことを懐かしく思い出せるのも、このブログの面白いところだなぁと思います。
ありがとうございました!
時代とともに映画のスケールや作り方も変わってますし、今見ると、また違った感想を抱くかもしれませんね。でも高校時代に見た、その感情も真実だと思います。
リクエストしたタカギです。
文句ありがとうございました。
60点は堅いと思っていたので低評価に驚きました。
私の心には
音楽が良い映画⇒佳作または傑作
という論理があります。
例えば「はじまりのうた」は佳作。「セッション」は傑作。
「戦場のメリークリスマス」と「種を蒔く」は素晴らしいのでまず佳作。
さらにデヴィッド・ボウイとビートたけしの演技を踏まえて傑作となりました。
ビートたけしの演技の良さを論理的に説明することはできないのですが、彼には惹きつけられます。
リクエストありがとうございました。音楽が良いと、映画作品の質が上がるのは同感です。ただ、この作品は音楽がBGMとしての機能を果たさず、映画そのものを超えてしまった感がありますね。
英語を話しているのは第一次世界対戦でアメリカが世界の債権国になって世界標準語が英語だったからじゃないですか?