ストーリーが上手くまとまっている漫画的強盗物語。滑稽で、スタイリッシュで、ちょっと笑えます。68点(100点満点)
ローガン・ラッキーのあらすじ
脚が不自由で仕事も家族も失ったジミー(チャニング・テイタム)は、人生を一変させようと犯罪計画を立てていた。それはカーレース「NASCAR」が開催されるサーキット場の金庫から、大金を強奪するというものだった。
片腕を失った元軍人の弟クライド(アダム・ドライヴァー)、カーマニアの妹メリー(ライリー・キーオ)、爆破のプロで服役中のジョー(ダニエル・クレイグ)を仲間に迎えるジミー。ジョーを脱獄させて金庫を爆破し、再び彼を獄中に戻す大胆不敵な計画は順調に進んでいたように思えたが……。
シネマトゥデイより
ローガン・ラッキーの感想
「恋するリベラーチェ」、「サイド・エフェクト」、「マジック・マイク」、「ガールフレンド・エクスペリエンス」、「コンテイジョン」、「チェ 28歳の革命」などで知られるスティーヴン・ソダーバーグ監督による、コメディクライムドラマ。
ちょっと間抜けで憎めないキャラクターたちが大金を強奪する過程を描いた平和な犯罪ドラマで、誰でも死なず、誰も傷つかないルパン三世の実写映画みたいな内容になっています。
主人公の兄弟は、チャニング・テイタムとアダム・ドライヴァーが演じています。二人共普通に格好いい男なのに、本作では格好良さは完全に封印して、ただのアホな兄弟になっていたのがよかったです。
ダニエル・クレイグの悪役もいいですね。刑務所に長くいる雰囲気も十分出てたし、ダンディーな役だけじゃなくて、こんな役もできるんですね。
物語は、脚の不自由な兄と片腕の弟が、カーレースのサーキット場で動くお金を盗み出す計画を立てるところからスタートし、手を貸してくれる悪い仲間を集め、実行に移し、犯行後のオチまでをコミカルに描いていきます。
泥棒たちは基本的にみんなポンコツで、頭が悪そうで、とても計画が成功するとは思えません。しかしいざ犯行の当日になると、多少のドジは踏むもののあまりにも華麗な完全犯罪を成し遂げるのでした。
その様子が痛快で漫画的です。マジな映画より、気軽に見れる面白い映画を見たいときに見るべき作品ですね。
大爆笑するほどの笑いではないんですが、ところどころに微妙な小さな笑いをねじ込んできます。ツボにはまればクスクス笑えるはずです。
ハリウッド映画にしては大袈裟な演出をしていないため、たまに笑いを狙っているのかどうかさえ気づかずにスルーしそうなシーンもいくつかありました。裁判所の警察官が、弟の義手に手錠をかけるかどうか迷うシーンとか細かいですね。
それでも人によってはツボにはまらない場合も十分にありそうで、評価が割れそうです。僕は十分に楽しめました。
特に犯行後の展開が予想外で、事件の結末や協力者に対するご褒美がスタイリッシュですらありました。ラストもいいです。
果たして彼らは捕まるのか。それとも捕まらないのか。完全犯罪だと思われた犯行が実はそうでもなく、ハッピーエンドに釘を刺すような終わり方がオシャレですね。FBI捜査官を演じたヒラリー・スワンクが女銭形警部に見えて仕方がなかったです。
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