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ドラマ「スタートアップ」は演技がすごい!感想とネタバレ

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仮想通貨を巡って、一攫千金を狙う人々の思惑がうごめくドロドロ群像劇。色気あり、暴力ありの娯楽性の強いシリーズです。62点(100点満点)

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スタートアップのあらすじ

マイアミ在住のITの天才イジー・モラレスは、自身が開発した新しい暗号通貨GenCoinの資金調達に失敗するが、銀行家のニック・タルマンは父親の金を着服し、GenCoinにつぎ込む。一方、ギャングのロナルド・デイシーは自身の金が紛失していることに気づく。その頃、皮肉屋のFBI捜査官フィル・ラスクはニックの父親を追っていた。

ロナルドに脅されたニックとイジーは、彼に現金を返すため奔走する。ラスクは新しいパートナーのマディの着任に間に合わせるべく、ニックの父親アンディ・タルマンの捜索を強化する。リトルハイチでのギャングの暴力が家族にまで及びそうになり、ロナルドはイジーのGenCoinに関する提案を再検討する。

ニック、イジー、ロナルドは資金調達を始めるが、結果は思わしくない。そんな中、ロナルドは隣人のVIPに目をつける。ラスクとマディはGenCoinの存在を察知する。アンディはニックにラスクの真実を話す。ニックは有望なコネクションを作ることに成功する。

ニックはGenCoinの財務状況を大幅に向上させるため、一世一代のプレゼンに臨む。ラスクが思いもよらぬ同盟を結んだことで、ラスクとマディのパートナーシップは新たな段階に到達する。ロナルドはギャングの抗争に巻き込まれる。

amazonより

スタートアップの感想

ベン・ケタイ監督による、マイアミを舞台に仮想通貨のベンチャー・スタートアップ企業をめぐる犯罪ドラマです。

何かと話題の仮想通貨をいち早くテーマに取り入れているあたりはさすがで、開発者、投資家、ギャング、マフィア、FBIなどが目まぐるしく交差する、エンタメ群像劇に仕上がっています。

仮想通貨はいわば表向きのテーマで、内実は犯罪ドラマシリーズといっていいでしょう。仮想通貨についてはそれほど専門的に深く掘り下げているわけではないので、知らない人が見ても十分に楽しめるはずです。

仮想通貨って儲かるだとか、怪しいだとか、マネーロンダリングに使われる、といった世間のイメージに便乗して、犯罪劇に絡めたストーリーにしたんでしょう。

その一方でちょいちょい仮想通貨に対するオーバーな表現が見られます。課税もされず、国にも監視されず、とか言ってましたが、課税は普通にされるし、国も目を光らせてるからね。

政府がその気になれば中国みたいに取引所も閉鎖できるし、なんだったら海外の取引所へのアクセスも禁じることだってできるからね。もちろん仮想通貨で人々の未来が変わるのは間違いないだろうけど。

設定はさておき、エキサイティングな内容にするためにバイオレンスやお色気シーンやビジネスといったアメリカ人が大好きな材料をテンポ良く使っています。特にエピソード1はやたらとベッドシーンが多いのが特徴です。

やっぱりエピソード1でガツンとインパクトを与えないと見てもらえないんでしょうね。エンタメ度が高いせいか、それと反比例してリアリティーは低めです。

そこで好き嫌いが別れるでしょうね。マイアミが人を殺しても誰も捕まらない無法地帯のように描かれていたり、不必要なベッドシーンが続いたり、ちょっとやりすぎ感はあります。

なわけねえだろ、なシーンが続くと、僕はだいだい見る気をなくすんですが、それでもついつい続きを見てしまったのは俳優たちが素晴らしかったからです。レベルの高いパフォーマンスが、リアリティーのなさをカバーしている珍しいケースでした。

スタートアップのキャスト

キャスティングは文句なしに良かったです。中でもぶっちり切りだったのはFBI捜査官フィル・ラスク役のマーティン・フリーマンです。ドラマ版「ファーゴ」でも主役を演じたのが彼です。

コメディーもできるし、ドジな奴も、いい人の役も、悪役もできます。本シリーズでは鳥肌立つぐらいの演技をしていました。この人、本当に上手いですね。

続いて迫力満点だったのはハイチ系ギャングのロナルド・デイシーを演じたエディ・ガテギ。人相悪すぎて、ちびりました。

FBI女性捜査官マディ・ピアースを演じたジョセリン・ドナヒューもいいですね。こんな色っぽいFBIいるのかよっていう容姿でした。こう見えて仕事がバリバリできて、上司の言うことならなんでも聞いちゃうっていう危なかしいノリの良さもあります。

続いて銀行員のニック・タルマンを演じたダム・ブロディ。ちょいちょいB級映画に出てくる俳優ですが、今回はなかなか存在感を出せていましたね。

仮想通貨ジェンコインの発明家イジー・モラレスにはヒスパニック系のオマラ・マレーロが起用されています。キャストの中で一番違和感があったのは彼女ですね。

ヒスパニック系ってあんまり数学とかコードが得意なイメージがないからか、彼女がジェンコインのコードを書いたという設定がいまいちしっくり来ませんでした。

天才エンジニアのくせに冷静さが全くなく、すぐカッとなったりして、結構なアホですよね。なんでもいいけど、契約書はちゃんと読もうね。

まとめ

一つ面白いなぁ、と思ったのはマイアミにおける移民や住人たちの勢力図を示すシーンです。

タチの悪い金融系企業はブリッケルに集中し、銃や麻薬が流れ込んでくるマイアミ港はキューバギャングの縄張り、ハイアリアに住んでいるのは成功したキューバ人、195号線の向こう側の貧困地区に住んでいるのがハイチ人といったように区分けされているそうです。

あの説明がどこまで本当かは分かりませんが、地区によってがらりと住人の人種や国籍が変わる差別と区別の国アメリカを象徴するようなシーンでした。

そして登場人物たちは、それぞれマイアミの別の地区から集まってきた者たちで、彼らをつなげたのが成功や未来の象徴ともいえる仮想通貨ジェンコインだった、という構図になっているのです。

全体像はすごく上手くできます。これでせめてストーリーにもうちょっとリアリティーがあったらなぁ。

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