見る者を2時間16分の拷問にかける、ドS監督が作ったドM向け映画。ダラダラしていて、普通につまらない駄作です。27点(100点満点)
時計じかけのオレンジのあらすじ
舞台は近未来のロンドン。クラシック音楽、中でもベートーヴェンをこよなく愛する15歳のアレックス・デラージをリーダーとする少年4人組“ドルーグ”は、今夜もコロヴァ・ミルク・バーでドラッグ入りミルク“ミルク・プラス”を飲みながら、いつものように夜の世界の無軌道的な暴力行為“ウルトラヴァイオレンス”の計画を立てていた。
労働の担い手とならない老人は街中にゴミのように打ち捨てられホームレスとなっており、アレックスたちは酔って寝ていたホームレスを棍棒でめった打ちにする。(中略)
興奮冷めない一行は盗んだ車で郊外へ走り、困窮を装って助けを求め、親切心から扉を開いた中年作家の家にマスクを被って押し入り「雨に唄えば」を歌いながら暴れ、作家を押さえつけ目の前で作家の妻を輪姦した。
翌日、いつものように学校をサボったアレックスは、レコード店で引っかけた女の子2人を自宅に連れ込む。その後、グループのリーダーをめぐって仲間と一悶着を起こすが、その夜仲間と共に金持ちが住む一軒家へ強盗に出かける。
アレックスは男性器をかたどったオブジェで老婦人を“トルチョック”し撲殺するが、昼間のいさかいが原因で仲間から裏切られ、彼だけが警察に逮捕される。
アレックスは懲役14年の実刑判決を下され、収監されて2年が経とうとしていた。牧師と懇意になるような模範囚を装っていたアレックスは、内務大臣にキリスト教への信仰心とクラシック音楽の趣味を見出され、さらに犯罪歴から野心を気に入られ、「ルドヴィコ療法」の被験者となることと引き換えに刑期短縮の機会を得る。2年の獄中生活から逃れるため、アレックスは志願した。
治療のためアレックスは施設に移送された。その治療は、被験者に投薬を行った上で拘束服で椅子に縛り付け、“リドロック”のクリップで見開いた状態にまぶたを固定し、眼球に目薬を差しながら残虐描写に満ち満ちた映像をただじっと鑑賞させ続けるというものだった。
wikipediaより
時計じかけのオレンジが嫌い!
「2001年宇宙の旅」、「フルメタル・ジャケット」、「ロリータ」、「シャイニング」、「アイズワイドシャット」、「博士の異常な愛情」などでお馴染みのスタンリー・キューブリック監督の問題作。アンソニー・バージェスによる同名小説を基にした、皮肉と悲観と風刺に満ち溢れた、芸術かぶれたちが必ず絶賛する映画です。
ベッドシーンを早送りで撮ったり、カメラを頭に装着して撮ったような当時では斬新な撮り方がいくつか見られ、1971年の作品にしては撮影技術は確かに高いです。
それに対し、絶え間なく続くミスマッチなクラシックBGM、ナンセンスな会話、舞台喜劇のような大袈裟な動き、中途半端な暴力描写が2時間以上続く、映画史上に残る「時間を返して欲しい作品」とも言えそうです。
不良少年たちが無慈悲に暴力や性的乱暴を重ねるエピソードが多いんですが、そのわりにはリアリティーに欠け、パンチやキックは空振りにしか見えないし、ベッドシーンでは女性の裸をどこか漫画的に描いていて中途半端です。
これでもうちょっと恐怖や官能的な部分あればまだましだろうけど、それがないんですよ。あるのは不快感ぐらいで。なによりリズムが悪くて、眠くなります。
特に気になったのはロシア語と英語のスラングで組み合わされた「ナッドサット」という造語の数々ですね。存在しない言葉を小説や映画の中で使うのはSFなどのジャンルではお馴染みのことだし、それ自体はさほど問題はないでしょう。
問題なのはストーリー上、特に重要でもなく、大した意味も持たない造語を連発することで、それによって会話が余計に分かりにくくなっているんですよね。
そして芸術かぶれたちや映画通馬鹿野郎たちがこの映画を溺愛する理由はまさにそこにあって、多くの人が理解していない言語やストーリーを自分は理解できましたけど、あなたは?と優越感に浸りたいだけなんです。
人が理解できないのを見て悦を感じちゃう意地悪なタイプはそこら中に生息しています。必要もない場面であえて英語で喋りだしたりして、ドヤ顔で語学力をひけらかそうとする奴もこのタイプだし、新米のバイトに「そんなこともできないのかよ」とベテランのスキルを見せたがる正社員も同じです。
そういう奴のタンスの中を見たら、きっとこんなTシャツが入っているはずです。嫌いだわー、こんな奴。服装で好きな映画と自分の芸術センスを主張するなって。ロッキーのTシャツでも着てろ、お前は。
時計じかけのオレンジのトリビア
本作がカルト映画やアートとして、多くの監督、ファンを魅了にしたのには多くの裏話やトリビアが存在することとも関係しているでしょう。例えば本作にはこんな舞台裏の秘話があります。
1、ダース・ベイダーが出演している
刑務所を出所後アレックスが行き場を失い、転がり込んだ家は以前彼が強盗に入った家と同じ家でした。そこには自分のせいで車椅子生活を強いられた作家と筋肉ムキムキの男ジュリアンがいます。
作家の恋人のようにも見えなくないジュリアンは実は作家のボディーガード。異様に手足が長く、ボディービルダーのような体格をしているのが特徴です。
実はこの人、スターウォーズのオリジナルシリーズでダース・ベイダーの中に入っていた俳優デヴィッド・プラウズです。ボディービルダーのような体をしているのは、実際にボディービルディングのチャンピオンだからです。
ジョージ・ルーカスがこの映画を見て彼を知ったことは有名な話で、もしこの作品がなければスターウォーズのダース・ベイダーも違っていたことでしょう。
2、「雨に唄えば」はアドリブ
劇中、アレックスが強盗を働き、女性を乱暴するシーンで彼がノリノリで歌って踊るシーンがあります。そこで歌われる曲はミュージカル映画でもお馴染みの「雨に唄えば」。
実はこの曲を歌ったのはアレックスを演じたマルコム・マクダウェルのアイデアで、脚本にはないアドリブだったのです。これについては、歌詞を覚えてたのがたまたま「雨に唄えば」だけだったからとか、ハリウッドにおける幸福感を象徴する当時の歌が「雨に唄えば」だったので、アレックスの狂気性を表現するためにあえてその歌にしたなどの説がありますね。
3、ベッドシーンを早回しにしたのは検閲回避のため
前述したベッドシーンは早送りで見せていますが、あれを撮るために約30分間カメラを回し続けたそうです。わざわざ早送り映像にしたのは検閲の目を逃れるためで、そのおかげで、劇場公開当初はX指定に認定されています。
さらに30秒ほどカットしてR指定にしてから再び劇場公開するなど、あのシーンはかなり物議をかもしたシーンだったようです。ちなみにX指定を受けながらアカデミー賞の作品賞にノミネートされた作品は「真夜中のカーボーイ」とこの「時計じかけのオレンジ」だけです。
まとめ
他にも多くの作品で「時計じかけのオレンジ」をモチーフにしたり、言及していたりと、なにかとこぼれ話には尽きない作品であることには違いないです。
ですが、つまらない人にとってはぶっちゃけそんなことどうでもいいでしょう。間違っても、トリビアを確かめるためにもう一度見るなんてことはしちゃダメですよ。
何年ぶりかに見たら、もしかしたら自分の感性や価値観が変わって、面白く感じるかもしれないなんていう軽い気持ちで鑑賞したら、2時間つぶれますよ。万が一、苦しむのが好きなのっていうのなら、もう何も言うことはないけど。
コメント
あなたはいつから映画の全てを知っている人間になったのですか?さぞかし、映画祭で審査員をしている人なのでしょう。少なくとも時計じかけのオレンジは自由放任と管理社会のジレンマを描いた風刺です。
暴力やセックスシーンだけしか見ていませんね?それはアクション映画のアクションの部分で半ば半分、映画の時間が止まってるって考えた方がいいですよ。
あなたの視点もバカなアメリカ人と変わりませんね(バカなアメリカ人はあなたのブログに書かれていた言葉です)
コメントが浅薄。アホ丸出し。
好き嫌いが分かれる映画で、好きな映画を酷評した人を罵倒するコメントをしてる時点でナンセンスだね
あなたが好きなら、それで良いじゃない
ただ、この映画を好きじゃないって人もいるのは事実だから
理解してもらえない、理解出来てない!って怒るのは違うんじゃない?
それこそ、正に私はサブカル糞野郎ですって自己紹介してるような物だよ
この映画もダメでしたか~。でも今の歳で観たらダメっすわ~。
最初に観た年齢にも大きく左右される映画だとは思います。僕は中学の時に初めて観て、えらいショックを受けましたよ。「ああ~こんな映画があるんや~!」って。
最初はアレックスに凄く嫌悪してるのに、監獄のあたりでちょっと可哀相になってきて、最後は「アレックスよかったな~!ハラショー!」ってなったので愕然としましたわ。アレックスは最初から何も変わってない悪童のままなのに。
チンコのオブジェとかも中学生には刺激的でしたね~。
一番最初に見たときは10代のときでした。ただ、そのときも今回も特に刺激を感じませんでした。僕には向いてないみたいです。
見るものを2時間16分の拷問にかける
というフレーズに笑ってしまいました。センスが光ってますね。
熱狂的なファンがいそうな映画に臆することなく27点をつけるところが良いですね。面白い文句でした。
気に入っていただけで嬉しいです。
同感です。同じように感じた方がいてほっとしました。
まるで、この映画自体が私にとってルドヴィコ療法みたいでした。もしキューブリック監督が、そこまで狙っていたのだとすれば、それはそれで傑作なのかもしれませんが、好きになれない映画でした。
話は変わりますが”映画男と不愉快な仲間たち”最高ですね(笑)
特にメインキャラクターが好みです。速攻でバッチリ文句を言ってる様子がありありと伝わってきます。このブログの魅力を体現していると思います。
これからも応援しています!
キャラクターを気に入っていただいて嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします。
なかなか見れない評価ありがとうございます。
どうもです。
まぁこの映画を好き!っていう人は大半は意識高い系のサブカルクソ野郎だと思います!
僕としてはビジュアルは結構好きですが、まぁ映画としては可もなく不可もなくって感じですかねー
映画好きなんで、まぁとりあえず観とくかなーって感じで観ましたよ
サブカルクソ野郎っていいですね。その呼び名いただきます。
有名なこの作品、映画好きなら一度は見なければと初見です。それこそTシャツwなどのグッズでアバンギャルド的なビジュアルが先行していてどんなに危険な映画かとワクワクしていたのですが、見てみると演出過剰で面白くないコントを見ているようでした。
そう!仰るように裸体はやたら映りますが性的シーンは実はほぼ見せてないし、暴力シーンも全く痛くなさそうで、さらに肩透かしでした。
約50年前の作品と考えたらアイデアはすごいと思いますが、それだけで中身はないなと思いました。
中身ないですよね。なんでカルト的ファンがいるのか不思議です
自分はこれを面白いと感じました。しかしあなたの意見は否定しません。というのもあなたが否定した内容こそ、自分が面白いと感じた点だからです。
例えば中途半端さについてです。この映画は主人公がナレーターとして過去を語る形で物語が進行します。記憶というのは曖昧になるものです。どんなに強烈な記憶でも時間が経つに連れ「確かこうだった」程度になってしまいます。もしかすると歯切れの悪さはその表現なのかもしれない、そうならば面白いなと感じませんか?とりあえず自分はそう感じました。
雰囲気に合わないクラシックもそうです。主人公は洗脳される際、第九を流されていました。そしてそのことがトラウマになっています。主人公の頭の中では残虐なことを考えるとセットで再生されるのではと…
こんな感じで続きます。
つまり何が言いたいかというと、あなたが否定した点なついて、自分も同じように感じました。しかし、そこには何か意味があるのではないかと無理矢理考え、自分なりに納得がいく結論を導いた結果面白いのでは?という結論に至りました。
キューブリックは映画に芸術性を求めるタイプの監督です。そのタイプの作品は受動的ではなく能動的に観ないと訳がわかりません。
ところで、「戦艦ポチョムキン」はもうご覧になりましたでしょうか?あなたなら自分が面白いと感じたこの作品も自分とは違う角度からギタギタに批判されるでしょう。
改めて価値観の多様性に気がつきました。ありがとうございました。
サブカルクソ男より。
コメントありがとうございます。意見の相違を冷静に受け取ってくれたことに感謝です。
なんだかこの映画の感想(文句)より、芸術かぶれの方々や意識高い系の方々へのあなたの嫌悪感しか頭に入ってきませんでした…
スタンリー・キューブリックの作品てそういった外部の影響で嫌われることが少なくない気がします。
ことこの映画については顕著だなぁとつくづく思いました。
すみません、感想については、そんな影響で書かれているわけではありませんね。
とにかく芸術かぶれ達への嫌悪が強く感じられてしまい、誤りました。
すみません。
ただただ本数ばっかりいっぱい観ていて、その割には話を聞いてみるとあんまり納得ができない根拠と上から目線で映画について文句を垂れる「映画通馬鹿野郎」がいますねぇ。
他人に自分の理解度や知識をひけらかして悦に入る人達を非難したと思ったら、自らも「トリビア」を書き連ねる始末。。。
同族嫌悪なんですかねぇ。
これは同意。
ゴミ糞映画で間違いない。
思い出すことのない映画が多い中
いまでも鮮烈に印象に残っている映画
自分にとっては魂を揺さぶられる名作
何故だかわからんが・・・
説明はつかないけど、なんか好きっていう映画はありますよね。僕にとってこの映画は違うけど、一部ファンに根強い人気が高いのはそういう理由があるのかも。
この映画、アーティーでスタイリッシュな人達が絶賛しているので、死ぬ前に一度は見なければと思っておりましたが、グロな暴力の描写や精神的に追い詰められそうな音楽が怖くて、見ることを拒否していました。貴方様の解説で別に見る必要もない駄作なのだと思えたので感謝しています。ありがとうございました。