熟年カップル向けの夫婦の愛情物語。離婚危機を描いているわりにはどこにも危機的な状況が見当たらない、ただの仲良し夫婦の話です。35点(100点満点)
恋妻家宮本のあらすじ
子供が独り立ちした中学教師の宮本陽平(阿部寛)と妻・美代子(天海祐希)は、25年ぶりに訪れた夫婦二人きりの生活に困惑してしまう。ある夜、妻側の記入欄がきっちり記載された離婚届を見つけた陽平は激しく動揺するが、美代子に意図を聞き出すこともできず悶々とした日々を過ごす。混乱しながらも陽平は、料理教室の仲間や教え子と関わる中で家族の在り方を見つめ直し……。
シネマトゥデイより
恋妻家宮本の感想と評価
遊川和彦監督による、ほっこり系夫婦ドラマ。離婚危機の熟年夫婦が自分たちを見つめなおし、仲直りするベタな物語で、なにかと泣かそうとしてきます。
前半から中盤にかけては普通にほのぼのとした話が続き、悪くはないんですが、クライマックスであまりにも泣かせようとして墜落した感があります。
メインのテーマは一人息子が家を出て行き、夫婦だけの生活が始まった陽平と美代子の夫婦関係でしょう。しかし陽平の生徒や料理教室の友人たちのエピソードのほうに時間を割きすぎてしまい、夫婦の関係性がほとんど見えてきません。
自宅で離婚届を見つけた陽平が困惑し、妻にその理由を聞けず、最後まで「答え」を引っ張ります。ラストに答えを突き止めるまでの間はいわばつなぎの時間で、あってもなくてもいいような優しさアピールエピソードで埋め尽くされていました。
あれだけ引っ張るならそれなりの理由を用意しておかないと結構がっかりしますよね。それが夫が料理教室に通いだしたから、このまま捨てられるんじゃないかと思って、離婚届けを書いておいて、いつでも別れられるように切り札にしておいたって、全然妻のその気持ちが分からないんですよ。女性だったら分かるんですかね?
会話がなくコミュニケーションが取れていないわけでもなく、喧嘩ばかりしているわけでもないあの二人にどこに深刻な問題があるのかがちょっと伝わってこなかったですね。
途中途中で、ちょくちょく入れてくる料理のシーンもとりあえず視聴率が取れればいいやと思っているTV番組的であざといです。
美味しい料理で興味を引こうとしているくせに、その一方ではスポンサーになっているデニーズのわざとらしい宣伝がストーリーに入ってくるのもいただけません。健康でおいしそうな食事を視聴者に届けたいのか、ジャンクフードを見せたいのかどっちなんですか。
相変わらず阿部寛は優しいダメ男を演じています。他にないのかよってぐらい統一されていますよね。対する天海祐希は美人すぎて、夫が言う「老けたなあ、シミが増えたなぁ」というセリフとはあまりにも不釣合いな綺麗な肌をしていたのがダメでした。ノーメイクで出ればいいのに。
ラストの夫婦のイチャイチャシーンも必要ないです。わざわざロマンチックにしなくていいです。恥ずかしいからそういうの。二人のセリフも何か名言を残そう残そうとしているのがミエミエで失笑しかこぼれませんでした。
褒めるとしたらエンドロールの吉田拓郎の曲ぐらいでしょうか。これ、いい歌詞ですね。できれば本人に登場して歌ってもらいたかったですね。
コメント
夫婦らしくない、美男美女!
あんたって!結婚に向いてないよね。
って天海祐希が言ったけど、あんなこそ向いてないよ。美女過ぎるから❗