病気のせいで何年も家から出たことのない少女と隣に引っ越してきた少年によるエセ恋愛ドラマ。意外性はあるもののリアリティーがなく、ご都合主義で締めくくるダメな映画です。14点(100点満点)
エブリシングのあらすじ
免疫不全に苦しむマディーは、18歳という多感な時期にいながら、外出もままならず、親や医療関係者としか交流できずにいた。マディーの母親であるポーリンは、15年もの長きにわたって娘の看病を続けてきた。
ポーリンやカーラはマディーが外の世界に触れたがっていることを知っていたが、病状が回復しないことには、その願いを叶えてやることができないのも事実であった。
ある日、ホイッター家の隣に新しい家族が引っ越してきた。その様子を窓から眺めていたマディーは、偶然にもオリーと目が合ってしまった。
その夜、ポーリンとマディーが映画を見ていると、オリーとカイラがバウンドケーキを持って引っ越しの挨拶にやって来た。ポーリンは丁重にケーキの受け取りを断り、ドアを閉めようとしたところ、オリーが「娘さんはどちらにいらっしゃいますか」と尋ねてきた。
返答に窮したポーリンは「娘は今忙しいの」と嘘を言ってしまった。マディーは2人が家に帰る姿を窓越しに眺めるしかなかった。
目が合った女性が気になって仕方がないオリーは、自室の窓にメールアドレスを書いてコミュニケーションを取ろうとした。それを見たマディーはそのアドレスにメールを送った。かくして、2人の交流は始まった。メールのやり取りを通して、2人はお互いに好意を持つようになった。
母親が反対するであろうことを見越して、マディーはカーラに「オリーと直接会いたい」と打ち明けた。衛生面に細心の注意を払うことを条件に、カーラはマディーの要望を聞き入れることにした。
ポーリンが仕事でいない独立記念日に、マディーはオリーを自室に招いた。打ち上げ花火を見ながらロマンチックな雰囲気になった2人は、ディープキスを交わすのだった。2人は順調に愛を育んでいくかに見えたが、そこにオリーの父親が暗い影を投げ落とすこととなった。
wikipediaより
エブリシングは恐ろしい映画
ステラ・メギー監督による純愛映画と見せかけたホラー映画。ジャンルはさておき、男女がいちゃいちゃしているだけのただの駄作です。
まず、物語の設定がご都合主義すぎて笑えます。ヒロインは18歳のマディー。免疫不全のため、空気中のバクテリアに触れるだけでも病気になり死に至るリスクがあることから一日中除菌された家の中で10年以上生活しています。
オンラインでクラスを受講したり、カウンセリングを受けたり、趣味に没頭したりすることはできるものの直接外の世界と触れることは一切できない日々に悶々としていると、隣にちょうど同じ年頃の男の子が引っ越してきて、窓越しにコミュニケーションを取るようになり、決して会うことのできない禁断の恋に落ちるというのが物語の背景です。
会うことが許されない若い男女のロマンチックなストーリーで売りたかったんでしょう。しかし何年も外に出ていない不健康なはずの少女がなぜか肌が艶々で、体育会系で豊満な体をし、美人で社交的というポテンシャルの高すぎる女の子になっていて、それも病弱なはずがいつもタンクトップにショートパンツといったセクシーな薄着をしているのが気になりました。
外に出るなってあれだけお母さんからきつく言われている割には薄着でいることには何も言わないんですね。体温下げちゃダメっていう考えはないみたいです。
あれでブクブクの肥満か、ガリガリに痩せている女の子だったら長年引きこもっている感が出ていて良かったんだけれど、あの少女のどこにも不健康な気配がしないのがいけませんね。
免疫不全でバクテリアがダメだとか、すぐに病気になるから外出もできないとか言っておきながら、ナースのお姉さんは除菌しただけで普通に家に入ってこれるし、挙句の果てにはハグまでしてたし、ルールがところどころで大分緩くなるのが気になりました。
そもそも外出させない部分だけを徹底しているからストーリーに無理が生じて来るんですよ。家の中にいれば病気にならないというセオリーからしてそもそも間違っているんじゃないかと思い出したら、もうその先のストーリーが頭に入ってこなくなるでしょう。
案の定、最初は窓越しから連絡を取り合っていた男女はやがて一線を越え、家に会うようになり、そして勇気を振り絞って外に飛び出します。
このまま家の中にいるぐらいなら死んだほうがましだといった心境だったんでしょうか。二人はなぜかハワイに飛行機で飛び立ち、海で泳いだり、ロマンチックなホテルで初めての愛し合ったりします
普段着や水着ではあれだけ胸を強調していたくせに肝心な初めての場面では裸もありません。だってロマンチックな映画だから。
そしてちょうど二人が結ばれた翌日にマディーが病気になって倒れるというタイミングの良すぎる展開に唖然とするはずです。
ここまででも十分にひどい作品です。しかしここからもっとひどい話が待っているとは夢にも思いませんでした。
エブリシングのラストのネタバレ、病気は娘じゃなくてお母さんの方だった
病気で倒れたマディーはピンチを乗り越え、また普通の健康体に戻ります。「あれ、私死んでないじゃん」と思った彼女は不審に思って、自分の病気のことを調べます。すると、免疫不全で家から出てはいけないというのは母親の嘘だったことが判明するのです。
なんでも母親は夫と息子を交通事故で亡くしてから、唯一生き残った娘マディーだけは失いたくないと思い、娘を守るために良かれと思って監禁していたのです。どうですか、このストーリー? ホラーでしょ? お母さんが精神病じゃないですか。
それなのに最後までホラーの雰囲気は一切出さず、マディーは「私、お母さんのことを許すわ。その気持ち理解できるから」みたいなノリで、至って明るく楽しく終わっていくのです。普通に逮捕されるレベルの話だし、マディーのあのノリおかしいから。
コメント
都合の良い設定や「あれ?」と思うところは確かにあります。
まあフィクションで感動ものですからそれはあって当然なのかなと思いますが…
自分はマウイでのデートシーンが「おいおい、大丈夫かよ。早くもどれよ。」とドキドキして気が気じゃ無かったですね。
ただ、この方が指摘してる点はなぜそうなってるのか理由が察せられることも多いですし、少し難癖に近いかと思います。
まず健康的な理由として、主人公は家でトレーニングをしてます。窓も大きく日光に当たることもよくあるでしょう。
母が医者で裕福なこともあるせいか、無菌を保つための設備にもお金がかかってます。そんな家なら肌を露出するくらい冷暖房がしっかりしていることは容易く想像できます。
マウイで倒れるのもそこまでご都合的なタイミングでもありません。
健康な普通の人でも、旅行で前日はしゃぎすぎて旅行中に熱を出したり病気になるひとは珍しくありません。
母親が娘である主人公をあまりにも大事にしすぎてたのは、確かに病気的で精神が軽く壊れてたのだろうとは思います。
ただ、やりすぎとはいえその理由を視聴者も主人公も理解しています。(それを理由に許せるかどうかは人それぞれでしょう)
そして主人公はまだ母親のことを許せておらず、いつか許せるようになるのかな?という心境が独白されております。
文句をつけたいがために、少し無理矢理批判してるように思えました。
文句をつけたいがために、無理やり批判するブログがこれです。ブログタイトル読みましょう。