息子思いのダメダメ女弁護士がやらかすサスペンス映画。ストーリーは分かりやすく、演技も悪くないものの、演出がしょぼく、興奮を伝えられていない作品です。32点(100点満点)
ボーイ・ミッシングのあらすじ
ある日、聾唖の少年ビクトルは道路沿いをさまよっていたところを保護される。顔には複数の傷があり、精神的にも強いショックを受けていた。
警察の取り調べにビクトルは学校の校門の側で見知らぬ男に誘拐されたと供述する。まもなくビクトルの供述から一人の容疑者が浮かび上がる。
その容疑者とは犯罪歴のある男チャーリー。ビクトルが誘拐された時間帯チャーリーは家にいなかっただけでなく、その日何らかの理由で手を負傷していた。
やり手の弁護士であるビクトルの母親パトリシアは、自分の息子の安全を脅かすチャーリーに強い怒りを感じ、復讐を計画するが、、、、
ボーイ・ミッシングはクオリティーが低い!
低レベルなスペイン産サスペンスです。犯人探しの映画かと思いきやそうではなく、ただ主人公の女弁護士がやらかす話です。
意外性があるのは一つ、二つのエピソードぐらいで、そのほかの演出はミエミエ、バレバレでした。追跡、尾行、変装、罠などハラハラさせるはずの箇所でイチイチしょぼいので興奮がなく、最後まで三流サスペンス路線をひた走る作品です。
物語は聾唖のビクトルが誘拐され、警察に保護されたところからスタートします。彼の供述によると、学校付近で庭師の格好をしていた男が近づいてきて、彼を殴りつけ、意識を取り戻したころは男の家の中にいた。
そしてそこからなんとか脱出して今に至るという話でしたが、これが真っ赤な嘘で本当はクラスメイトからいじめに遭い、補聴器を失くしたせいで自分を見失っていたのでした。
しかしビクトルが似顔絵から容疑者を特定してしまったために事件はややこしくなり、母親のパトリシアはかつての恋人であり、ビクトルの父親ラウルに頼んで容疑者に脅しをかけようとします。
ところがラウルが雇った二人組が容疑者を殺してしまい、今度は依頼主であるパトリシアが警察に追われる、という話の流れになっています。
意外性はそこまでで、そこからは弁護士のパトリシアが保身のためにどんどん罪を重ねていくだけの展開になっていました。
本来弁護士なんだったら、できるだけ罪が軽くなるように動かないといけないのに、なんであのおばちゃんは自分の首を絞め続けたんでしょうか。
恐喝、収賄、犯罪組織への身代金の支払いなど、自分の立場が悪くなることしかしないし、どれもしっかり証拠の残ることばかりでした。頭悪くないですか?
そのうちあのおばちゃんが男勝りにあちこち駆け回るもんだから、おっさんにしか見えなくなってきて、もうストーリーどころの話ではありませんでした。
それにしてもやらかすなあ、あのおっさん、じゃなくておばちゃん。
ボーイ・ミッシングのラストのオチがしょうもない
そのうちパトリシアは容疑者を殺した二人組に逆に脅迫を受け、大金を請求されます。払わなければ殺人のことをばらすし、息子の命がないぞと脅されるのでした。
仕方なく大金を用意したパトリシアは指示通り、車に乗って崖の天辺まで行きます。そこにあった家の中で息子は無事生存していました。
しかしパトリシアを尾行していた警察も到着し、パトリシアはあえなく御用となります。なぜならパトリシアが運転してきた車のトランクには容疑者チャーリーの死体が隠されているからです。
ところが死体はマネキンでチャーリーではありません。実はチャーリーは生きていて、全てはラウルが仕組んだ罠だったというのがオチでした。
あれでチャーリーも一味の仲間だったらまだよかったんですが、チャーリーは結局ただのついてない男でしたね。
最後、ラウルに騙されたことを知ったパトリシアが崖の側まで言って「NOOOOOOOOOOOOOOO」と叫ぶんですが、あの叫びの意味が分かりません。むしろチャーリーが生きてたことを素直に喜ぶべきでしょ、罪が大分軽くなったんだから。弁護士のくせにそんなことも分からないのか、君は。
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